モバイルルーターは、固定回線とは違って工事の必要もなく、どこにでも持ち運び可能な軽量サイズで気軽かつアクティブに使えます。ゲーム機やパソコンを出先で使う際にも便利です。最近では、自宅でWi-Fiルーターとして使う人も少なくありません。
モバイルルーターは大容量プランでの契約や使い放題のものが多いので、スマホの通信容量では物足りないと感じているユーザーの人気が高いのも特徴。多くの事業者から様々なプランで販売されており、どれがいいか迷う人も多いでしょう。
そこで今回は、ヨドバシカメラ新宿西口店ケータイ・スマートフォン担当の秋元誠一さんに、売れ筋のおすすめ商品について伺いました。
モバイルルーター利用者の現状
モバイルルーターを販売している事業者はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手キャリアのほかに、UQ WiMAXやY!mobile(ワイモバイル)などがあります。プランも様々で、月5GBなどの低容量なものからデータ通信量使い放題の無制限のものまで、多岐にわたります。
「モバイルルーターは昔から人気の商品で、パソコンやタブレットをインターネットに接続する目的で利用する人が大半でした。現在は20GB などのスマホの大容量プランでさえデータ容量が足りないハードユーザーが、利用制限のないプランを求めています。1人で利用する単身ユーザーがほとんどで、固定回線とは異なり、回線を引く際の工事の手間や時間がかからないことや、当日持って帰ってすぐに使えるなどのメリットがあり、引っ越しの多い学生や転勤のある会社員などのユーザーに人気です」(秋元さん)
モバイルルーターの選び方のポイント
モバイルルーターを選ぶ際のポイントは「スピード」「料金」「エリア」の3つが挙げられます。
スピード
機種によってインターネットの通信速度が異なります。「上り」「下り」と表記され、メッセージを送信する場合などスマホからインターネットへデータを送る時の速さが「上り(送信)」で、インターネット上の情報をダウンロードする時の速度が「下り(受信)」です。
速度の単位には「Mbps(メガビーピーエス)」が使われますが、数字が大きいほど速いことを表しています。インターネットを快適に利用するためには、下りが速いことが重要です。
UQ WiMAXでは4×4MIMOとCAの融合で下り最大440Mbps通信に対応
料金
特定の事業者と提携してサービスをおこなっている一部の大手キャリアでは、スマホなどの利用料金が安くなる場合があります。
たとえば、スマホのauユーザーがUQ WiMAXで契約すると、スマホの利用料金が最大1000円安くなるものなどがあります(auスマートバリューmine)。ソフトバンクユーザーの場合はワイモバイルと契約すると割引になりますが、ドコモユーザーは現在、事業者との契約で割引されるプランはありません。ただし、時期によってキャンペーン内容が異なるため、購入時にしっかり吟味する必要があります。
エリア
外出先や家など、普段利用する場所で回線に接続して快適に使えるのか確認することが大切です。自宅がスマホの電波が悪い状態と同じだと、利用は厳しいでしょう。首都圏はほぼ網羅されているためさほど問題がありませんが、地方に住んでいる人や、出張・転勤などが多い人は注意が必要です。速度や料金だけでなく、エリアマップも確認してから契約しましょう。
モバイルルーター売れ筋ランキング
それでは、モバイルルーターの売れ筋ランキングを紹介します。
【同率1位】Speed Wi-Fi NEXT W04(UQコミュニケーションズ)
UQコミュニケーションズもワイモバイルも月額利用料金は同じなので、人気はほぼ拮抗しています。利用地域が対応エリアになっていることや、デザインや機能面の個人的な好みなど、人によって選ぶポイントが違うのです。
WiMAXは地下鉄や建物内で電波がつながりにくくなる性質がありますが、下りが速いというメリットも。人気製品は「Speed Wi-Fi NEXT W04」「Speed Wi-Fi NEXT WX03」で、KDDIの高速回線であるau 4G LTEも使えるSpeed Wi-Fi NEXT W04が最も売れています。また2017年9月26日現在、本体価格が1円で購入できるキャンペーン中で(ヨドバシカメラ特別価格)、月々の利用料金を支払えば利用可能です。
Speed Wi-Fi NEXT W04
- サイズ:高さ130 mm×幅53 mm×奥行14.2mm
- 質量:約140g
- 速度:下り最大708Mbps(ハイスピードプラスエリアモード適応時)、下り最大30Mbps
- バッテリー容量:2750mAh
- 同時接続台数:10台
- 連続通信時間:ハイスピードモード 約540分、ハイスピードプラスエリアモード 約390分
- 連続待受休止状態:約850時間
- 本体価格:1円(ヨドバシカメラ特別価格・税込)
- 月額使用料金:ギガ放題プラン 月額4380円(税込)
Speed Wi-Fi NEXT WX03
- サイズ:高さ99 mm×幅62 mm×奥行13.2mm
- 質量:約110g
- 速度:下り最大440Mbps、上り最大30Mbps
- バッテリー容量:2,890mAh
- 同時接続台数:10台
- 連続通信時間:ハイパフォーマンスモード 約440分、エコモード 約740分、ノーマルモード 約600分
- 連続待受休止状態:約1100時間
- 本体価格:1円(ヨドバシカメラ特別価格・税込)
- 利用料金:ギガ放題プラン 月額4380円(税込)
【同率1位】Pocket WiFi 603HW(ワイモバイル)
「Pocket WiFi 603HW」「Pocket WiFi 504HW」の順で人気があります。Pocket WiFi 603HW は速度が速く、下り最大速度は612Mbpsですが、渋谷区の一部地域が対象です。 ワイモバイルは電波の特性上、障害物を回り込んで届けるため、建物内で強いと言われています。
Pocket WiFi 603HW
- サイズ:高さ65.1mm×幅109.9mm×奥行15.5mm
- 質量:約135g
- 速度:下り最大612Mbps、上り最大37.5Mbps
- バッテリー容量:2,400mAh
- 同時接続台数:14台
- 連続通信時間:省電力設定OFF時 約6時間、省電力設定ON時 約8.5時間
- ヨドバシカメラ特別本体価格:0円(ヨドバシカメラ特別価格)
- 利用料金:Pocket Wi-Fiプラン2+アドバンスモード 月額4380円(税込)
Pocket WiFi 504HW
- サイズ:高さ106mm×幅64mm×奥行17.9mm
- 質量:約157g
- 速度:下り最大261Mbps、上り最大37.5Mbps
- バッテリー容量:3000mAh
- 同時接続台数:10台
- 連続通信時間:約9時間
- 連続待機時間:約900時間
- 本体価格:0円(ヨドバシカメラ特別価格)
- 利用料金:Pocket Wi-Fiプラン2+アドバンスモード 月額4380円(税込)
【3位】Wi-Fi STATION L-01G(NTTドコモ)
バッテリー容量が大きいため電池の持ちがよく、NTTドコモの家族向けパケットパック(シェアパック)で利用するユーザーが多いとのこと。シェアパックは家族でパケットを分け合えるサービスで、5GBから最大100GBまで契約することができます。ただし、ドコモユーザーが1人で無制限プランを利用する場合は、WiMAXかワイモバイルを利用したほうがおトクです。
利用可能データ量 | 月額定額料金 |
---|---|
ウルトラシェアパック100(100GB) | 25,000円 |
ウルトラシェアパック50(50GB) | 16,000円 |
ウルトラシェアパック30(30GB) | 13,500円 |
シェアパック15(標準)(15GB) | 12,500円 |
シェアパック10(小容量)(10GB) | 9,500円 |
シェアパック5(小容量)(5GB) | 6,500円 |
- サイズ:高さ106.8mm×幅65mm×奥行20.4mm
- 質量:約195g
- 速度:下り最大262.5Mbps、上り最大50Mbps
- バッテリー容量:4,880mAh
- 同時接続台数:10台
- 連続通信時間:LTE 約20時間、LTE-Advanced 約17時間
【4位】Huawei E5577S(SIMフリー)
すでにSIMカードを持っている人や、1~3カ月程度の短期間利用におすすめです。MVNO事業者が販売しているデータプランを自由に選んで利用するケースも多く、上級者向けといえます。利用データプランはBIGLOBE、OCN、LINEモバイルの順の人気となっています。
- サイズ:高さ58mm×幅96.8mm×奥行17.3mm
- 質量:約112g
- 速度:下り最大150Mbps
- バッテリー容量:3000mAh
- 同時接続台数:10台
- 連続待受時間:最大約600時間
- 連続通信時間:最大約12時間
構成・文:吉成早紀
編集:アプリオ編集部
取材協力:ヨドバシカメラ