ソーシャルネットワーキングサービスの「mixi(ミクシィ)」がリリースされてから20年が経過し、新たに「mixi2(ミクシィツー)」が登場しました。mixi2とはどのようなSNSなのか、そして招待・登録から基本的な使い方、注意点まで詳しく解説します。
「mixi2」とは?

mixi2は、2004年に登場したSNS「mixi」を提供している株式会社MIXIが新しくリリースしたSNSです。mixiと言えば、長文の日記やコメントの書き込み、つぶやきなどをイメージする人が多いと思いますが、mixi2は短文投稿が特徴。mixiがmixi2にバージョンアップしたのではなく、mixiとはまったく別物の新しいSNSです。開発に携わった株式会社MIXI mixi2プロデューサーの岩野成利さんは、リリースの経緯をこう説明します。
「主要SNSで仕様変更がおこなわれるたびに、『SNSは危険だ』『怖いものだ』という声が聞かれる時流がありました。また、SNSが情報発信メディアのように捉えられる機会も増えました。そのたびに社内では『“「心もつながる」場と機会の創造。”というミッションを掲げている自分たちにも、世の中から期待されていることややるべきことがあるのではないか』という議題が持ち上がっていました。そして、少しずつ構想を練り続け、2023年初頭ごろからmixi2のリリースに向けて動き出したというわけです」
mixi2は、リリース後の12月23日時点で登録者数が120万人を突破し、ユーザー数は徐々に増え続けているとのこと。順調な伸びに、若い世代を中心にSNSでの情報の流通速度が速くなってきていると感じていると岩野さん。「SNSは『危険、怖い』というものではなく、『楽しくて優しいもの』というニーズが求められているのだと改めて認識しました」
mixi2の特徴
mixi2とはどんなサービスなのでしょうか。その特徴をわかりやすくまとめました。
mixiというよりもX(旧Twitter)に近いSNS
mixiは、基本的には長文の日記スタイルでした。文字数は上限1万字で写真は3枚まで(PCから選ぶ場合)。LINEやX(旧Twitter)のようなリアルタイム感はなく、ゆったりとしたブログのようなイメージ。友達とコメントを書き込みあうなど、じっくりコミュニケーションをとるのが特徴です。
対してmixi2は短文投稿で、投稿できる文字数は「mixi」の語呂に合わせて149.3文字(逆から読むと“ミクシィ”)です。ちなみに0.3文字分を入力する裏ワザなどはないため、実際の上限数は149文字です。

mixi2の字数制限は149.3文字

mixi2のタイムラインの様子
ホーム画面には、フォローしている人の投稿が時系列順(古いものが下、新しいものが上に来るように)に並んで表示されており、Xのタイムライン機能のように閲覧することができます。
テキストやリアクションの感情表現が豊富
mixi2と他のSNSとの大きな違いが、mixi2独自のテキストに動きや効果を加えられる「エモテキ(エモーショナルテキスト)」と、投稿者の投稿へ具体的な反応を返せる「リアクション」です。

エモテキの効果

エモテキの選択画面
エモテキは、テキストに跳ねる(ホッピー)や震える(シェイク)などの動きや、大きさの変更、ガーン(サゲサゲ)といった、投稿者の感情に合わせた効果を付けられる機能です。投稿者の気分に合わせて効果を付けられるので、より感情を表した投稿ができます。



リアクションの種類も豊富で、季節限定のものもある
一方のリアクションは、「♡(いいね)」のほかに投稿に付けられる機能で、絵文字やアルファベット、日本語など多彩な文字や絵文字でリアクションを返すことができます。また、シーズンに合わせたリアクションも期間限定で提供されています(執筆時点では「ひな祭り」が利用できました)。
既存のSNSでは、ポジティブではない内容の投稿にも「♡」のみでしか反応できず、違和感を抱いていた人もいるはず。しかしmixi2では、「しんぱい」「やすんで」など♡だけでは表現しきれなかったリアクションが使えるので、投稿を見る側も見られる側もしっかりコミュニケーションが取れる点がうれしいところです。
投稿に付いたリアクションをタップすると、誰がどのリアクションをしたのか確認ができます。ただし「♡(いいね)」だけは、誰が押したか第三者にはわからない仕様になっています。反応したことを公開したくないときなどには「♡(いいね)」にするなど、リアクションの使い分けもできます。
フォローしている人(知っている人)の情報以外は表示されない
多くのSNSでは、ユーザーの閲覧履歴などを元に興味のありそうな投稿が流れるレコメンド機能が搭載されています。
しかし、mixi2のデフォルトである「フォロー」タブのタイムラインでは、フォローしている人と参加しているコミュニティの投稿しか表示されません。自分と友達以外の投稿または参加中のコミュニティの投稿以外は表示されないようになっているのです。

「フォロー」タブと「発見」タブは簡単に切り替え可能
とはいえ、自分がフォローしている相手の投稿しか表示されない状態だと、同じような情報ばかりが表示されてしまい、自分が見たい情報しか見えなくなってしまう「フィルターバブル」に陥ってしまう可能性があります。そんなときは、「発見」タブに切り替えることで友達間で流行っている投稿を閲覧できます。ただ、どんな情報を流すか、投稿の選出ルールは今も開発中で試行錯誤中とのこと。
フォローしている人の情報を見たいときは「フォロー」タブ、そのほかの投稿を見たいときは「発見」タブというように、気分に合わせて切り替えて利用できるわけです。
またmixiでは、知らない人を「マイミク」(=mixi上でつながっている人)に追加するためにはリクエストを送って承認してもらう必要がありました。この点、mixi2では「鍵アカウント」に設定している人以外ならXのように他人の投稿を自分のタイムラインに申請なしで表示できます。
広告表示がないので煩わしさがない
ほとんどのSNSには広告が表示されています。しかし、mixi2では広告表示は一切ありません。もちろん、mixi2の利用料金も無料です。広告表示にうんざりしている人もいると思いますが、追加料金を支払わなくても広告が表示されることはないので、気持ちよく利用できます。
mixiの「足あと」に似たリアクションが使える


「エモテキ」マークを長押しすると、投稿に足あとを残すことができる
mixiを使用していた人の中には、「足あと」があるかどうかで一喜一憂した経験を持つ人も多いのではないでしょうか。足あととは相手の投稿ページへの訪問履歴のことで、誰が投稿を見にきてくれたかがわかる機能です。実はこの足あと機能が、mixi2にも隠し機能的に実装されています。
足あとを付けるには、「エモテキ」マーク(顔文字に+マーク)を長押しするだけ。犬の足あとのようなエフェクトを投稿に残せます。
岩野さんによれば、ユーザーの声を聞くと『足あとが欲しい』『欲しくない』という両方の人がいたそうで、投稿を見た人が誰か知りたい、オープンにしたくないというどちらの人にも対応できるように付けたい人だけが足あとを付けられる仕様になっているそうです。
コミュニティ活動やイベントの招待・参加ができる


検索窓で探したキーワードにあったコミュニティが並ぶ

「コミュニティ」タブに参加しているコミュニティが並ぶ
mixi2では、さまざまなコミュニティに参加したり、イベントに招待・参加したりすることが可能です。
コミュニティとは特定の話題をする場所で、「野球」「グルメ」「旅行」などさまざまなジャンルがあります。コミュニティでは、そのコミュニティのテーマに沿った投稿を見られるようになっています。たとえば、「カレー」ならカレーに関連する投稿を閲覧できる仕組みです。また、所属しているコミュニティの投稿は自分のタイムラインにも流れる仕様になっています。参加コミュニティのまとまった情報を見たいときは、「コミュニティ」タブから参加コミュニティを選んで閲覧できます。

コミュニティ

イベント
自分の投稿が「ホーム」と「コミュニティ」で分けられるのもポイント。「ホーム」に投稿するとフォロワー全体に自分の投稿が見えますが、コミュニティへの投稿は基本的にコミュニティ参加者にしか見えません。そのため「フォロワーが興味のない話題は投稿しづらいな……」という内容はコミュニティに投稿すればOK。自分の高い熱量をフォロワーの目を気にせずに発散できます。
またコミュニティでは、従来のmixiのようにイベントを企画・参加することも可能です。「熱量の高い人のニーズも満たせるよう、ある番組や中継を同時視聴するオンラインイベント、ツアーなどに一緒に参加するオフ会イベントなど、さまざまなイベントを企画できる仕組みを用意しました」と岩野さん。ゼロの状態からイベントへ人を呼び込もうと思っても参加者の集まり具合に不安がありますが、趣味や興味が共有している人たちの場であれば目に留めてもらいやすく、参加者も集まりやすくなるはずです。
1つのメールアドレスで3つまでアカウントが作れる
mixi2のユーザー登録にはメールアドレスが必要です。メールアドレスを登録すると、1つのアドレスで3つまでアカウントを作成することができます。1つのアドレスで3つのアカウントを切り替えて利用できるわけです。
「コミュニティ用」「イベント用」と熱量のレベルに分けたり、サッカーが好きの人とつながる「サッカー好き」「ビジネス」「プライベート」「交流」「趣味」などと用途別に使い分けるのもよいでしょう。
mixi2の注意点
mixi2を始めるにあたっては、招待なしでは使えないなど、知っておきたい注意点もあります。
ユーザーからの招待なしには使えない

招待状がないとmixi2は始めることができない
mixi2は招待制のSNSです。mixi2に登録しているユーザーからの招待がなければ始めることができないので注意してください。
まわりにmixi2を使っている人がいない場合、Xなどで招待リンクを公開している人がいるので、その人のリンクから登録することもできます。mixi2に登録後、フォロー外しやミュート、ブロックなどでその人を友だちから外してしまっても、ルール上は問題ありません。
18歳未満は利用できない

18歳未満は利用できない
SNSを安全に利用するという観点から、「18歳未満は利用禁止」というのもmixi2のルールです。
ユーザー登録をする際に、メッセージが表示されるようになっており、同意する必要があります。安全に利用するために、ルールはしっかり守って使用しましょう。
パソコンからは使えない
mixi2を利用できるのはスマートフォンとタブレット端末のみ。パソコンのブラウザからは利用できません。
ただ、ブラウザ版の提供も今後検討しているとのことなので、今後パソコンでも使えるようになるかもしれません。
mixi2の始め方
ユーザー登録から投稿まで実際の利用方法を詳しく解説していきます。今回はiPhoneを使って説明していきます。
登録方法
まずはmixi2のアプリをダウンロードしましょう。

アプリを開いたときの画面

招待リンクページの「新規登録」をタップ

[同意して次へ]をタップ
アプリを開くと、「招待画面からはじめよう」という画面が表示されます。前述のように招待が必要になります。
招待リンクからmixi2の招待画面にアクセスし、[新規登録]をタップします。年齢確認の同意を求められるので、規約などの内容を確認のうえ[同意して次へ]をタップして進めていきましょう。

メールアドレスを入力し[次へ]をタップ

登録したメールに認証コードが届く

認証コードを入力し[認証]をタップ
続いて、「mixi2に新規登録」という画面が表示されるので、メールアドレスを入力して[次へ]をタップします。登録したメールアドレス宛てに認証コードが届くので、コードを入力して[認証]をタップしましょう。

mixi2で使う名前を登録する

IDを登録する

プロフィール画像を設定する
mixi2上で使う名前、ID、プロフィール画像を登録していきます。プロフィール画像は、「ライブラリから選ぶ」「写真を撮る」から選ぶことが可能です。ただし、あとから設定することもできるので、スキップしてもOKです。画像を選択したら、[登録してはじめる]をタップして登録は完了です。
登録が完了するとホーム画面が表示されます。通知の許可のポップアップが表示されるので、必要な人は[許可]をタップしてください。
基本的な使い方
mixi2の基本的な使い方を簡単に紹介します。

ホーム画面

「検索」タブ

「通知」タブ
ホーム画面を開くと、フォローした人の投稿がタイムラインに表示されます。
画面下部の「検索」タブでは、コミュニティやイベント、ユーザーなどの各種検索が可能です。同様に、「コミュニティ」には参加したコミュニティが、「通知」には招待やイベントなどの各種通知が、メッセージにはダイレクトメールをしたメッセージの履歴が表示されます。


また、左上の自分のアイコンをタップするとマイページが表示され、自分が投稿したポストやいいね、保存した投稿などを確認することができます。
実際の投稿方法
続いて、投稿方法を解説します。基本的には既存のSNSと同様に操作すればOKですが、「エモテキ」を利用できるのがmixi2の醍醐味。その投稿手順を解説していきます。

ホーム画面右下のペンマークをタップ

テキストを入力し、[Aa]と書かれたアイコンをタップ

エモテキを選択する(3カテゴリから各1個まで)
ホーム画面の右下にあるペンのマークから新規投稿ができます。タップすると投稿画面が表示されるので、テキストを入力しましょう。
[Aa]と書かれたアイコンをタップすると、エモテキが利用できます。エモテキにつけられる効果は「ムーブ」「スタイル」「エフェクト」の3種類。1投稿につき、「ムーブ」「スタイル」「エフェクト」それぞれのカテゴリから1つを選択して合計3つの効果を付けることができます。今回は、「ホッピー」「ビッグ」「るんるん」の3つを付けてみました。

エモテキ3個が選択された

写真の選択、イベント作成が可能

右上の目のアイコンをタップ
エモテキをセットすると、テキストの下に選択したエモテキのアイコンが並びます。そのほか、投稿画面右下の「写真」アイコンをタップするとスマホに保存された写真の選択ができ、カレンダーアイコンをタップするとイベントの作成が可能です。
投稿画面右上の「目」のアイコンをタップすると、投稿前にプレビューの確認ができます。

投稿前にプレビューが確認できる

紙飛行機マークをタップして投稿

ホーム画面に投稿された
プレビューを確認し、問題がなければ画面右上の紙飛行機マークをクリックすれば投稿完了です。投稿はホーム画面に表示されます。
まとめ:mixi2はどんな人におすすめ?
mixi2を利用してみることで、昨今のSNSの多くは最近の流行りやバズり、仕事の宣伝、新商品やキャンペーンの紹介など、情報収集ツールの一つとして利用されているケースが多いことに気づきました。その点、mixi2はコミュニケーションを重視しており、人とのつながりや交流にフォーカスをしたSNSなので、「友達と交流するのはやっぱり楽しい」という古き良きSNSの原点に立ち戻った感覚を得ました。
mixi2は近しい人と狭く楽しく交流ができるので、友達と密なコミュニケーションを取るコミュニケーションツールの一つとして利用するのもよいかもしれません。情報収集型のSNSに疲れを感じている人や、友達とのコミュニケーションを大切にしたい人、興味のあることでつながりたい人におすすめのSNSだと思います。
また、昨今のSNSで課題となっているのが誹謗中傷でしょう。その問題にもmixi2は取り組んでおり、たとえばリプライをする際の投稿画面に「やさしいことばで返信しよう」と表示される仕様になっています。「ユーザーにワンクッション置いてコミュニケーションをとってもらえるような工夫を施しており、優しくて楽しいSNSを本気で目指しています」(岩野さん)。