すぐできる、iPhoneでAirDropによる迷惑行為(痴漢・勧誘など)を防ぐ方法

今すぐ実践できる、AirDropによる悪質な迷惑行為(痴漢・勧誘など)を防ぐ方法

AirDrop(エアドロップ)は、iPhoneやiPad、MacなどのApple製デバイス間でデータをやり取りする際に有用な機能です。大変便利な機能ですが、Apple製デバイスで持っているのはiPhoneだけだというユーザーにとっては縁遠い機能かもしれません。

AirDrop(エアドロップ)の使い方──写真・動画などを送受信する方法【iPhone/Mac】

最近、このAirDropを悪用した迷惑行為が横行しているようです。また設定によっては、AirDropを通じて意図せず自分の名前などが第三者に知られてしまっている可能性もあります。

そこで本記事では、iPhoneなどで設定を変更してAirDropを介した迷惑行為や自分の本名の漏出を防ぐ方法や、AirDropからの個人情報の流出を止める方法を解説していきます。

AirDropを悪用した迷惑行為が横行している

電車内や街中など混雑している場所で、女性をおもな対象として卑猥な画像をAirDropで送りつける迷惑行為(いわゆるAirDrop痴漢)が報告されており、過去に加害者が摘発された事例もありました。

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AirDropで画像を受信したときの画面。画像データのプレビューが画面真ん中に表示される

AirDropで画像データを受信すると、iPhoneの画面上に画像のプレビューが大きく表示されます。つまり、見たくもない画像であっても、送りつけられた時点で目に入ってきてしまうのです。

"AirDrop痴漢"とは、このAirDropの特性を悪用して、不愉快な画像を見せつけることで悦に浸るという卑劣な行為です。

AirDropの迷惑行為には「AirDrop勧誘」も

AirDropを悪用した迷惑行為は「AirDrop痴漢」だけに留まらず、「AirDrop勧誘」と呼ばれる行為もあります。仕事内容や連絡先が記載された画像をAirDropで無差別に送りつけて、仕事の勧誘をしようという手口です。

AirDrop勧誘

上記の画像は、実際に編集部スタッフが受け取った勧誘画像です。画像の中央には勧誘元の店舗の連絡先と思われるQRコードが添付されています。当然ですが、このような素性の知れない勧誘は無視するようにしましょう。

iPhoneの設定を変えるだけで"AirDrop痴漢"は防げる

AirDropの悪用による迷惑行為の被害に遭わないようにするためには、iPhoneでAirDropの受信対象の設定を変更するだけでOKです。

「設定」アプリから受信対象を変更する

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iPhoneで「設定」アプリを開き[一般]→[AirDrop]を選択します。

AirDropの受信対象が設定できる画面に遷移します。ここが「すべての人」になっている場合は、「受信しない」か「連絡先のみ」に変更しましょう。

「すべての人」では、知らない人のiPhoneからも受信を許可している状態です。「連絡先のみ」は、iPhone内の「連絡先」アプリに登録されている人のみとの送受信を許可する設定です。連絡先に登録のないiPhoneからはAirDropで認識されません。「受信しない」は、AirDropの送受信をオフにする設定です。普段、AirDropを頻繁に使わない人は「受信しない」の設定にしておくとよいでしょう。

「コントロールセンター」から受信対象を変更する

「設定」アプリを開かなくても、iPhoneの「コントロールセンター」からもAirDropの設定は変更できます。

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まずはコントロールセンターを表示します。iPhone X以降は画面右上から下にスワイプ、iPhone 8以前は画面下から上にスワイプしてください。

コントロールセンターで、機内モードやWi-Fiなどのオン/オフを設定するセクションを3Dタッチ(非対応機種は長押し)してください。

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セクションが拡張し、より多くの設定項目が表示されたら「AirDrop」をタップします。ここでも、AirDropの送受信設定を3種類から選べます。AirDropを使う予定がなければ「受信しない」か「連絡先のみ」を選択しましょう。

コントロールセンターからの設定は、「設定」アプリよりも手順が少なく、どの画面からも設定できるので、AirDropを普段から使用する人でも臨機応変に設定の変更が可能です。

AirDropから自分の本名がバレている可能性も

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他のユーザーからは「iPhoneの名前」がこのように表示される。本名が無条件に公開されている可能性も

AirDropの送受信設定を「すべての人」にしているときに、他のユーザーから本名を見られてしまっているかもしれません。というのも、AirDropのユーザー名は、iPhoneの「名前」がそのまま表示されるためです。

iPhoneの名前は「設定」アプリで確認できます。

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左:「名前」に記されているのがiPhoneの名前右:他のユーザーから画像のように見られてしまう

「設定」アプリの[一般]→[情報]と進みます。「情報」の最上段にある「名前」のところに記されているのが、あなたのiPhoneの名前です。他のユーザーからは「名前」がそのまま表示されてしまいます。

AirDropの送受信設定が「すべての人」になっていて、iPhoneの名前に本名を使っている場合、知らないうちに自分の本名を流出させている状態になっているわけです。

AirDropで嫌がらせをしてくる人は、AirDropの表示名が女性の名前になっているユーザーを狙ってくるといいます。「設定」アプリの[名前]をタップすると簡単に名前を変更できるので、個人情報保護の観点からも可能な限りiPhoneの名前に本名は入れないことをおすすめします。

EDITED BY
TOKIWA