今回は、2025年3月12日に新しく登場したiPad Air(M3)をレビューします。ラインナップは11インチモデルと13インチモデルの2サイズ・4色展開ですが、今回は13インチモデルを取り上げます。合わせて、2024年発売のiPad Pro(M4)の13インチモデルとも比較していきます。
本体の作りは非常に良いが少し重い

今回はiPad Air(M3)の13インチモデルをレビューする
iPad Air(M3)の価格は、11インチモデルが9万8800円〜、13インチモデルが12万8800円〜となります。
iPad Airは、標準モデルの無印iPadの上に位置する製品なので、スタンダードモデルと言ってもいいでしょう。価格的には上位モデルとも考えられますが、さらに上にはiPad Proシリーズがあります。なお、無印iPadはApple Intelligenceに対応しませんが、iPad Air(M3)は対応しているのも大きな違いです。

本体はアルミ製で高級感がある
iPad Air(M3)とiPad Pro(M4)を正面から見比べても、違いはほとんどわからないでしょう。デイスプレイのサイズはどちらも同じで、額縁の太さもさほど変わりません。
実のところ、iPad Pro(M4)のほうが正面から見ると微妙に大きいのですが、本体は1mmほど薄く、37gほど軽くなっています。そのため、13インチのiPad Air(M3)を使ってみるとかなり重く感じます。少しでも薄く軽いのはiPad Pro(M4)の大きなアドバンテージと言えます。
とはいえ、大画面モデルとしては600g台のiPad Air(M3)も決して重いわけではありません。安価なAndroidタブレットは700gを超えてきます。

iPad Air(M3)の重量は600g台だ

iPad Pro(M4)は13インチで500g台とかなり軽い
iPad Air(M3)11インチ | iPad Air(M3)13インチ | iPad Pro(M4)13インチ | |
---|---|---|---|
サイズ | 247.6×178.5×6.1mm | 280.6×214.9×6.1mm | 281.6×215.5×5.1mm |
重さ | 460g(Wi-Fiモデル) | 616g(Wi-Fiモデル) | 579g(Wi-Fiモデル) |
画面は美しく精細
iPad Air(M3)は、11インチだけでなく13インチが選べるのがポイントです。なお、前モデルも11インチと13インチのラインナップとなっていました。
iPad Air(M3)のディスプレイは、IPS液晶でなかなかの美しさです。普通に使うには十分で、写真や動画を見ても満足できます。最大輝度が600ニトなのも、タブレットとしては十分な明るさと言えます。格安な大画面Androidタブレットに比べると、画面が精細で美しくなります。動画を見る人にも、13インチモデルは精細で大画面なのが嬉しいところです。もちろん、11インチモデルも十分な画質です。
iPad Pro(M4)は2層の有機ELパネルを重ねた「タンデムOLED」で、より美しく明るくなります。ここは、価格差があるので大きく違うところです。さらにiPad Pro(M4)は、Nano-textureディスプレイガラスをオプションで選択できます。映り込みが非常に少ない画面の仕上げで大変使いやすいのですが、価格がかなり高くなるのがデメリット。そのため、多くの人が通常のガラスで満足できるでしょう。

iPad Air(M3)は反射防止のコーティングが施されているものの、それなりに映り込む

iPad Pro(M4)のNano-textureディスプレイガラスは優秀だ
性能は上々でゲームも快適だ
iPad Air(M3)はM3チップを搭載しています。最新はM4チップですが、性能は十分高くヘビーなゲームも問題なくプレイできるでしょう。どんな操作をしても快適です。
無印のiPadが搭載しているA16とは大きな差があります。iPad Air(M3)はCPUが8コア、GPUが9コアですが、無印iPadのA16チップは、CPUが5コア、GPUが4コアで大きな差があります。
ストレージは128GBからとなります。これは無印のiPadも同様で、現在買えるiPadは最低でも128GBなのです。なお、iPad Pro(M4)のストレージは256GBからとなっています。

上:iPad Air(M3)下:iPad Pro(M4)
今回のベンチマークで比較しているiPad Pro(M4)は、1TBストレージモデルなので、CPUとGPUが10コアになります。
普通に使うにはiPad Air(M3)の性能で十分です。iPad Pro(M4)は、4K動画の編集や3Dコンテンツの作成などさらにヘビーな作業を快適にこなしたい人に向きます。
スタンダードモデルとしては十分な構成

スピーカーは左右2つだ
iPad Air(M3)は、スピーカーの穴は左右に2つずつ付いていますが、2スピーカーとなります。iPad Pro(M4)の4スピーカーと比べるとそれなりに違いがあります。YouTubeなどの音を聴いても立体感がだいぶ違います。とはいえ、普通に使っていてiPad Air(M3)は十分に満足できる音質です。

外付けディスプレイも利用可能

電源ボタンは指紋センサーを兼用している
USB Type-C端子は、USB 2.0となります。外付けディスプレイも利用可能なので、普通に使っていて満足できます。さらに、電源ボタンが指紋センサーと一体化しているのも便利なポイントです。

Thunderbolt製品は使えない
ただし、Thunderboltは非対応です。iPad Pro(M4)は、Thunderboltに対応しているので外付けのSSDと高速なデータ転送ができます。大量の4K動画をSSDとやりとりするような用途の場合は、iPad Pro(M4)を選んだほうが良いでしょう。つまり、iPad Pro(M4)はクリエーター向きで、ゲームや動画視聴などを普通に使う程度ならiPad Air(M3)で十分です。

カメラもiPad Pro(M4)と違って1眼となる
Apple Pencil Pro、Magic Keyboardも利用可能

Apple Pencil Proに対応しているのが素晴らしい
iPad Air(M3)はApple Pencil Proに対応しており、iPad Proと同じように利用できるため、手書き機能は非常に優れています。
無印のiPadはApple Pencil Proには対応していないので、ダブルタップでのツール切り換えや、探す機能が使えません。ここに大きな差があります。

Magic Keyboardも利用できる
iPad Air(M3)は、Magic Keyboardに対応しており、パソコンのように作業ができます。ある程度の角度調整が可能でタイピングもしやすく、トラックパッドも使いやすいのですが、4万9800円(11インチモデルは4万6800円)とかなり価格が高いのと、重量が増すのが欠点です。

iPad Air(M3)13インチモデルにMagic Keyboardを取り付けると1.3kgほどになりかなりヘビーだ
まとめ:これからiPadを買う人向けのスタンダードなモデル
iPadを買うなら無印iPadから検討する人が多いでしょう。普通に使うなら十分ですが、Apple Pencilを活用したい人や、ヘビーなゲームも利用したい人ならiPad Air(M3)をおすすめします。iPad Air(M3)はスタンダードモデルと言ってもいいでしょう。3年は余裕で快適に使えるはずです。iPad Pro(M4)は、さらに性能が高く画面もきれいですが、価格もかなり高いのでクリエーター向けになります。
11インチと13インチのどちらを選ぶかは、主な用途で選ぶのがおすすめです。動画編集やイラスト作成などコンテンツを作成するなら13インチのほうが向いています。ゲームや動画を楽しむなど、コンテンツ消費がメインなら11インチのほうが価格も安くて使いやすいでしょう。