料理中など手が離せないときやスマホの画面に触れられないときに、思いついたことを書きとめておきたい。そのような場面ではスマホの音声入力機能が活躍します。音声入力機能は、メモを取るだけでなく、LINE(ライン)やメールのメッセージの入力も可能です。使いこなせれば、フリック入力よりも素早く文章を入力できるようになるかもしれません。
本記事では、iPhoneやAndroidスマホでLINEなどに音声による文字入力をおこなうための設定方法や、うまく音声入力できないときの対処法などについて解説します。
準備:端末の設定で音声入力をオンにする
音声での入力を試そうと思っても、スマホの画面に音声入力を始めるためのマイクボタンが見つからないことがあります。まずは、端末の「設定」で音声入力の機能を有効にする方法を解説します。
iPhoneで設定する手順
![設定アプリを開き、[一般]を選択](/sites/default/files/styles/portrait_lg_1/public/2022/08/31/r-ios-android-how-to-use-dictation-022.jpg)


iPhoneでは「設定」アプリで音声入力の設定をおこないます。[一般]→[キーボード]と進み、「音声入力」のスイッチをオンにして音声入力を有効にしてください。これで、iPhoneの音声入力設定は完了です。


メモアプリを開いてマイクボタンが表示されているのを確認し、音声入力をおこないます。
Androidスマホで設定する手順
Androidスマホでは、機種やAndroid OSのバージョンによって音声入力の設定方法が異なる場合があります。本記事では、Google Pixel 4a(Android 12)で検証をおこなっています。


まずは、スマホの「設定」アプリを開き、[システム]→[言語と入力]と進みます。


続いて、[画面キーボード]→[Gboard]と進み、さらに深い階層に入っていきます。


「Gboard」の設定画面内の[音声入力]を選択し、次の画面で「音声入力を使用」のスイッチをオンにすればOKです。

キーボードの右上に黒色のマイクボタンが表示される(画面はLINEのトーク画面)
音声入力設定をオンすると、キーボードの右上に黒色のマイクボタンが表示されます(画面はLINEのトーク画面)。
本検証で使用しているキーボードアプリは「Gboard」です。他のキーボードアプリでも音声入力に対応している場合は、同様の手順で音声入力の設定ができます。
Galaxyシリーズの場合



スマホの「設定」で[一般管理]→[キーボードリストと初期設定]と進み、「Google音声入力」をオンにします。古いバージョンのアプリでは旧バージョンをオンにする必要があるので、どちらもオンにしておくとよいでしょう。


マイクの周りが青色になっている場合はGoogle 音声入力がオンの状態で、反対に色が付いていない場合はオフの状態です。マイクボタンをタップすることでオンとオフを切り替えられます。
音声入力でLINEのメッセージを作成する
音声入力の設定をオンにしたら、LINEのトーク画面を開いてメッセージを音声で入力してみましょう。なお、音声入力したメッセージを送るには、送信ボタンをタップする必要があります(音声操作での送信はできません)。
音声入力の際は、漢字とカタカナの単語を自動的に変換してくれます。変換の手間が省けて便利なのですが、その反面、あえてひらがなのまま入力するといったことはできません。文面に工夫をこらしたい場合は、音声入力した文章をキーボードで修正する必要があります。
iPhoneで音声入力する手順


LINEの下部に音声入力用のマイクボタンが表示されているのを確認し、タップして音声入力をおこないます。メッセージ入力の右横にもマイクボタンがありますが、それはボイスメッセージ用のマイクボタンとなり、音声入力ではありません。
Androidで音声入力する手順



LINE のスレッド画面の右下にあるキーボードアイコンをタップします。入力方法の選択で、「Google音声入力」を選択し、音声を入力していきます。
句読点・改行・記号なども音声で入力できる

音声入力では、文章の途中に句読点や記号などを挿入できます。
読点(、)を入力したいときは「てん(iPhoneのみ)」か「読点(とうてん)」、句点(。)を入力したいときは「まる(iPhoneのみ)」か「句点(くてん)」と声に出してください。
そのほか、主な記号の音声入力での入力方法を表にまとめました。
入力する記号等 | 発声する言葉 | iPhone | Android |
---|---|---|---|
改行 | かいぎょう | ○ | - |
タブ | タブキー | ○ | - |
/ | スラッシュ | ○ | ○ |
! | ビックリマーク、かんたんふ | ○ | ○ |
? | はてなマーク、クエスチョンマーク、ぎもんふ | ○ | ○ |
× | バツ、かける | ○ | - |
+ | たす、プラス | ○ | 「たす」のみ○ |
= | イコール | ○ | ○ |
「 | かぎかっこ | ○ | ○ |
」 | かぎかっことじ | ○ | ○ |
( | かっこ | ○ | - |
) | かっことじる | ○ | - |
@ | アットマーク、アット | ○ | 「アットマーク」のみ○ |
→ | やじるし | ○ | - |
% | パーセント | ○ | - |
& | アンド | ○ | - |
# | シャープ | ○ | ○ |
上表で取り上げたものは一部で、その他の記号にも対応しています。
音声入力がうまくできないときに確認したい点
スマホの音声入力がうまくいかないときは、以下の点を確認してみましょう。
自分の周囲がうるさくないか
すぐ近くで人が話している状況や人混みの中などで、他人の声が重なると正しく音声入力ができません。スマホのマイクが他の声も拾って入力してしまうためです。自分で声に出した文章に意図しない文字や単語が入ってしまったときは、周りが静かな場所に移動してから音声入力を再開してください。
誤ったマイクボタンをタップしていないか(例:LINEのボイスメッセージ)

LINEのスレッド画面にあるボイスメッセージのボタン

ボイスメッセージを入力中の画面

送信されたボイスメッセージ
LINEの場合、音声入力用のマイクボタンとは別に、「ボイスメッセージ」を録音するためのマイクボタンがメッセージ入力欄の横に表示されています。
ボイスメッセージは、自分の声を録音して音声データを相手に送信する機能なので、音声入力とは異なります。どちらもマイクボタンの形が似ているので、間違えないようにしましょう。
音声入力を使う際によくある質問とその答え
ここでは音声入力の使用に関してよくある質問と答えについてまとめます。
英語入力になってしまうのはなぜ?
音声入力の設定が英語入力になっている可能性があります(詳細)。
音声入力すると、日本語ではなく、英語で入力されてしまうケースがあります。その場合はキーボードが日本語入力ではなく、英語入力になっている状態でマイクボタンをタップしていることが考えられます。



メモアプリなどで英語のキーボードになった状態でマイクボタンをタップし、音声入力すると、日本語で話していても日本語が入力されません。
その場合は、地球儀ボタン
から日本語入力に切り替えることで解決します。文字起こし(録音された音声による入力)はできる?
録音されたデータでも音声入力はできますが、そこまで正確ではない印象です(詳細)。
録音した音声データの文字起こし(テープ起こし)が音声入力でできたら便利です。今回は、試しにYouTube動画の音声を文字起こしできるか調査しました。
iPhoneのメモ帳、AndroidスマホのGmailでそれぞれ同じ音源を使って試してみたところ、どちらも音声入力できました。ただ、ところどころ誤りがみられたり、Androidスマホではスピードが追いつかないことがありました。
iPhoneの場合は音声入力しながらキーボードで直接編集しやすいですが、Androidスマホでは音声入力と直打ちを切り替えるのが操作上やや面倒に感じられます。短い音源ならそれなりに使えると言えるでしょう。
LINEトークやメモのほかに、音声入力ができるアプリは?
GoogleマップやSafariなどのでアプリで音声入力することができます(詳細)。
音声入力ができるアプリは以下のものなどが挙げられます。
- Googleマップ
- Gmail
- Googleドキュメント
- Google Chrome
- Safari
Google系アプリは音声入力に対応していることが多くなっています。このほかにも対応アプリはあるので、普段使うアプリで利用できるか、実際に使って確認してみてください。