在宅勤務(テレワーク)が急速に普及してきていますが、自宅にプリンターがなくて印刷に困っている人が少なくありません。ごく稀に使うならコンビニに走ってもいいのですが、仕事が止まり、雨の日など外に出たくないときもあるはずです。
基本的にどのプリンターもパソコンからは普通に印刷できますが、その上でiPhoneから印刷もできるととても捗るでしょう。たとえば、届いたメールをiPhoneでチェックし、添付されてきた書類をそのまま印刷できます。OneDriveなどクラウドストレージに保存した書類もiPhoneから印刷可能です。
そこで本記事では、iPhone向けのプリンターの選び方と使い方について紹介します。なお、今回は写真印刷ではなく、仕事の書類印刷にフォーカスして話を進めていきます。
印刷コスト重視なら本格据え置きモデルがおすすめ
置き場所があるなら、据え置いて使う一般的なプリンターがおすすめです。本体価格も手ごろで、印刷速度が速いなどメリットは数多くありますが、コピー機としても使えるのがいいところです。
大きめの据え置きプリンターを選ぶ際には、自分の印刷枚数に留意するべきです。大量に印刷するなら、印刷コストの安さを特徴にした製品が魅力的です。
たとえば、今回紹介するエプソンの「EP-M552T」はエコタンク方式を採用しており、カタログ値でA4カラー文章が約2.7円、モノクロが1.2円です。紙も100枚までセットできます。モノクロのA4資料を100枚印刷しても、紙代+120円程度で収まります。これなら、コンビニと比べても相当安く上がります。
他のモデルでも、大量に印刷するなら印刷コストを重視して選びましょう。本体が安くても、印刷コストが高いとあっという間に価格が逆転してしまいます。
「EP-M552T」は据え置きタイプのプリンター
利用時にはこのようにパネルが開き、それなりに置き場所を取る
用紙のセットはこのようになる
エコタンク方式でランニングコストの安さが魅力
置き場所がない人には片付けやすい小型モデルを推奨
自宅に設置場所がないなら、普段は押し入れやクローゼットにしまっておき、使う時だけ出せばよいコンパクトなプリンターがおすすめです。
キヤノンのビジネス向けインクジェットプリンターの「TR153」は、その気になればカバンに入れて持ち歩けるコンパクトなサイズで人気です。価格は2万円台後半と安くはありませんが、置き場所を取らないメリットが絶大です。
ただし、大量印刷には向きません。用紙のセットはA4で50枚まで。またランニングコストは、A4のモノクロが1枚あたり約6.3円、カラーが1枚あたり約12.2円となっています。コンパクトなプリンターは、印刷スピードやランニングコストが劣っているものが多くなり、この点は置ける場所とのトレードオフになります。
なお、TR153はビジネス向けのモデルなので、黒に顔料インクを採用し、ラインマーカーでのにじみが気になりません。オプションのバッテリーを利用しても印刷できます。
キヤノンの「TR-153」はコンパクトなモデルで、普段は棚などに置いておける
インクは2つのカセットを利用する
印字品質は文句なしだ
iPhoneからプリンターで印刷する3つの方法
iPhoneから印刷する場合、手軽さを考えるとiPhoneの標準印刷機能である「AirPrint」に対応している製品がおすすめです。上記の「EP-M552T」「TR153」はどちらも対応しています。ここでは、この2機種を取り上げて印刷方法を簡単に紹介します。
1. iPhoneと連携して印刷する
iPhoneからのセットアップはどちらの機種も可能です。EP-M552Tは、専用アプリをインストールして少し待っていると認識できます。TR-153も専用アプリのインストール後に、スマホのWi-Fi設定でプリンターを選択します。
左:「EP-M552T」は、専用アプリでプリンターを選択したらWi-Fiのパスワードを入力する右:接続できるとインク残量などがわかる
「TR-153」もセットアップは簡単だ
2.「AirPrint」で印刷する
iPhoneから印刷するなら、AirPrintを使うのが最も簡単です。まず、印刷したいアプリから書類を開きます。たとえば、WordやExcelでも印刷可能です。
それぞれのアプリから印刷メニューを開き、[AirPrint]を選びます。あとは機種を選んで印刷するだけ。もちろん、1台しか接続していなければ1台のみ表示されます。
画面はiOS版のWordアプリ。書類を開いて右上の[…]をタップする
メニューから[印刷]をタップする
[AirPrint]を選ぶ
印刷する機種をタップする。普通は1台のみ表示される
あとはプレビューを確認して印刷すればいい
3. 専用アプリから印刷する
キヤノン、エプソンともにプリンターの専用アプリから印刷できます。ただし、AirPrintを利用していれば、あえて使う必要はないでしょう。
それぞれのアプリからファイルを選択して印刷したり、他のアプリから送るメニューで利用できます。
画面は「Epson iPrint」。クラウド印刷でOneDriveやGoogleDriveなどの印刷も可能
まとめ
仕事で印刷が必要なら、自宅にもプリンターがあると便利です。安価な製品であれば1万円程度から買えるので、自分に合ったモデルを選んでください。最近のモデルならビジネス文書の印字品質はほぼ満足できるはずです。
あとは、自分がどの位の枚数を印刷するか考えましょう。数十枚単位で印刷することが多いのであれば、本体価格よりもランニングコストを重視して選んでください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部