道路が混みがちな都心部や、観光地めぐりを楽しみたい旅先では、スムーズな移動手段がほしいところ。小回りが利く自転車を気軽にレンタルできれば、ちょっとした移動に重宝します。
東京都心部では最近、赤い電動のレンタサイクルを見かける機会が増えてきました。NTTドコモが全国で提供しはじめている自転車シェアリングサービス「ドコモ・バイクシェア(docomo bike share)」の自転車です。その存在が気になっている人は少なくないでしょう。ただ、ちょっと使い始めるのにハードルを感じている人もいるはず。
そこで本記事では、ドコモ・バイクシェアの利用プランや使い方について徹底解説します。手順は詳しく説明しているので心配不要。自転車シェアリングの快適さを一度体感してみてください。
ドコモ・バイクシェアとは
そもそも自転車シェアリングサービスとは、ちょっと自転車を利用したいときに、街中に設置されている駐輪ポートから自転車を借りられるサービス。一種のレンタサイクルですが、スマホさえあれば簡単な手続きで24時間いつでも気軽に借りられたり、借りたポートとは別のポートに返すことができたりと、非常に使い勝手のよいサービスとなっています。
都内で見かける機会が増えたドコモ・バイクシェアの駐輪ポート
今回紹介するドコモ・バイクシェアは、東京10区と横浜や仙台、広島で利用できるほか、同サービスのシステムがさまざまな観光地などの自転車シェアリングサービスに導入されています(2017年12月時点)。ちなみに自転車シェアリング広域実験が実施されている東京7区では、区をまたいでサービスを利用できます。
自転車シェアリング広域実験が実施されている東京7区のポートマップ
ポートが設置されている場所は、ポートマップ(例:東京7区のポートマップ)や専用アプリ「ドコモ・バイクシェア ポートナビ」などから確認できます。
子ども用の自転車は用意されていません。身長145cm以上の人しか利用できず、チャイルドシートもないので、子連れでの利用には向きません。
ドコモ・バイクシェアの料金プラン
ドコモ・バイクシェアの利用プランは、基本的に以下の3パターンが用意されています(料金はすべて税抜表記)。
- 1回会員…利用時間単位で清算する
- 月額会員…月額料金を支払うことで最初の30分が無料になる
- 1日パス…1日分の料金を支払って1日使い放題になる
本記事では東京7区の場合を解説します。プラン名や料金設定は、提供エリアやドコモ・バイクシェアのシステムを利用しているサービスによって異なる場合があるので注意してください。
1回会員
1回会員の場合、最初の30分で150円、以降30分ごとに100円の料金が発生します。
支払い方法は、クレジットカード払いかドコモケータイ払いのみ。現金や電子マネーは使えません。
月額会員
通勤や通学などで毎日使う人は、月額会員になってもよいでしょう。基本料金として月額2000円を払えば、最初の30分は無料で何回でも利用可能です。30分以降の延長料金は1回会員と同じで、30分ごとに100円が加算されていきます。
支払い方法は、クレジットカード払いかドコモケータイ払いのみ。現金や電子マネーは使えません。
1日パス
1日パスは、料金定額で当日中使い放題となるプラン。利用料金は、有人窓口購入では2000円(専用ICカード発行料500円含む)、無人登録機購入では1500円となっています。
1日パスでは、有人窓口だと現金、無人登録機だとクレジットカードか交通系ICカードで決済します。有人窓口で購入する場合は、顔写真入りの証明書が必要です。
ドコモ・バイクシェアの使い方
1回会員/月額会員と1日パスとでは、自転車を借りるまでの手順に大きな違いがあります。
1回会員/月額会員の場合
1. 利用登録(初回)
1回会員か月額会員で利用するには、最初に会員登録をおこないます。グループで利用する場合であっても、誰か一人が代表で複数台を借りることはできず、利用者全員が会員登録をする必要があります。
まず、ブラウザから下記公式ページにアクセスしてください。
トップページを下にスクロールすると「ご提供エリア」と「システム提供」が表示されているので、利用したいサービスをタップしてください。さらに移動先のページで[会員登録/ログイン]のような会員登録ボタンを探し、タップします。
東京7区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・江東区・渋谷区)は共通IDとなります。
ログインページに移動するので、[会員登録する]をタップし、利用規約に[同意]した上で、基本情報(希望するユーザーIDとパスワード、氏名)や連絡用メールアドレス、会員プラン、属性情報(携帯電話番号、生年月日、性別、郵便番号)など、会員登録に必要な情報を入力します。最後に[登録する]をタップしてください。
dアカウントを使った会員登録も可能です。
「会員証登録」とは
会員登録の途中で「会員証登録」の有無を選択するメニューがあります。ここで[登録する]を選択しておくと、会員証登録用パスコードが発行されます。後ほどマイページで発行することもできます。
会員証登録用パスコードがあれば、FeliCa対応のICカードやおさいふケータイ、iPhone(iPhone 7以降)を自転車の鍵代わりに使えるようになります。
この会員証登録用パスコードは、登録メールアドレス宛てに送られてくるメールかマイページにて確認できます。メールが届かない場合はゴミ箱に振り分けられていないか確かめてみましょう。
続けて、支払い情報を入力します。「クレジットカード払い」か「ドコモケータイ払い」を選択できますが、今回は「クレジットカード払い」を選択することにしましたが、ドコモユーザーであれば「ドコモケータイ払い」でも構いません。
クレジットカード番号と有効期限を入力して、[決定する]をタップしてください。支払い情報登録が完了したら[次へ]をタップ。会員登録が完了するので、もう一度[次へ]をタップすると、マイページに移動します。
2. 自転車を借りる
1回会員/月額会員の場合、自転車の借り方は以下の2種類の方法があります。
- 登録したICカード/スマホをかざして借りる
- 登録したFeliCa対応のICカード(SuicaやPASMOなど)やおさいふケータイ、iPhone(iPhone 7以降)を鍵代わりにできる
- 毎回のパスコード発行が不要で便利
- 予約不可
- パスコードを発行して借りる
- 毎回パスコードを発行し、自転車にパスコードを入力して借りる
- 駐輪ポートと自転車を指定して事前に予約する(借りなければ20分でキャンセル扱い)
日常的にドコモ・バイクシェアを使うのであれば「登録したICカード/スマホをかざして借りる」方法のほうが便利でしょう。初回登録時の登録手順と登録後の借り方は以下のとおりです。
- 初回登録時の登録手順
- マイページで会員証登録用パスコードを発行する
- 自転車の操作パネルで「START」ボタン→「ENTER」ボタンの順に押し、会員証登録用パスコードを入力する
- カードリーダー部にICカードなどをかざす
- 登録後の借り方
- 自転車の操作パネルで「START」ボタンを押す
- カードリーダー部に登録したICカードなどをかざすと電子錠が開錠する
このICカードなどをかざして借りる方法は、条件さえ整えば非常に使い勝手に優れています。ただ、ICカードなどの所有が必須となるので、誰でもが使える方法ではありません。
そこで今回は、誰でも利用しやすく予約もできる「パスコードを発行して借りる」方法を使って自転車を借りてみました。以下、パスコードを発行して利用する手順を紹介します。
まず、マイページを開き、[駐輪場から選ぶ]で地域(エリア)と場所をリストから選択して、ポート(駐輪場)を選びます。
利用できる自転車の車両番号が表示されるので、いずれかを選択。この時点で利用予約が完了します。なお、自転車が空いていないと、車両番号が表示されず、そのポートでは予約ができません。
画面には、予約した自転車の番号とロックを解除する開錠パスコードが表示されています。開錠パスコードは登録メールアドレス宛てにも送信されています。
自転車は予約してから20分以内に借りないとキャンセル扱いになります。観光での利用のよううにレンタル時刻を特定しづらいような場合は、利用する地域に着いたら周辺のポートで空いている自転車を探して予約するとよいでしょう。
ポートに移動し、予約した自転車を利用してみます。各ポートには複数台の自転車が置かれているので、予約した自転車を探します。車両番号は、サドル下部にある自転車操作パネルの下に書かれています。
自転車操作パネルの「START」ボタンを押して、開錠パスコードを入力すると、ロックが解除されます。
自転車には前カゴがついていて、サドルの高さも変えられます。左ハンドルには電動アシスト機能の操作パネル、右ハンドルにはグリップタイプの変速機が付いています。
今回は新宿で借りました。周辺は意外と坂が多い場所でしたが、電動アシストがあるので快適に走れます。適度にギアを変えると快適さが増します。
電動自転車でのギアチェンジは、自転車をこいでいない状態でおこないます。
お店に入るときなど自転車を一時的に駐輪したい場合は手動で施錠。施錠確認メールが届きます。
再び利用するには、借りたときと同じように操作パネルから開錠パスコードを入力すればOKです。
3. 自転車を返す
使い終わった自転車を返却します。借りたポートだけでなく、同じエリア内の別ポートでも返却できます。
また、同一の会員IDで利用できる東京7区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・江東区・渋谷区)であれば、7区のエリア内のポートに返却可能です。
自転車を停めたら手動でロックし、忘れずに操作パネルの「ENTER」ボタンを押してください。「ENTER」ボタンを押さないと利用カウントが止まらず、料金が延々と発生するので注意してください。
これで返却は完了です。再度借りたい場合は、同じ手順で予約をします。
もし、自転車の故障や盗難、事故にあうなど、突発的なことでポートに返却できない場合は、その場で運営事務局に電話をすれば、状況に応じて自転車を回収するなど対応をしてくれます。連絡先は(0120-116-819)で、マイページからも確認できます。利用者の過失がある場合は実費を請求される可能性もあるので、自転車の取り扱いや駐輪場所には注意しましょう。
利用金額はクレジットカードから決済されます(ドコモケータイ払いであれば携帯料金と合算で支払い)。金額はマイページの「請求予定額」から確認可能です。
1日パスを使う場合
1. 1日パスを購入する
今回はついでに、1日パスを買ってドコモ・バイクシェアを利用する方法も試してみました。1日パスを購入すること以外は、1回会員や月額会員とほとんど同じ感覚で使えます。
東京自転車シェアリング1日パス販売所
1日パスを利用する場合、会員登録は不要。有人窓口か無人登録機で1日パスを購入すれば、ドコモ・バイクシェアの自転車を使えるようになります。
購入場所は、一部ドコモショップの他、オフィスビルや商業施設など、さまざまな場所が登録されています。今回は新宿のホテルで購入しました。
ホテルの受付で1日パスがほしい旨を伝えて料金を支払うと、専用ICカードとポートマップをもらえました。
2. 自転車を借りる
これが専用のICカード。1日パスの場合は事前に予約できないので、直接ポートに向かいます。
自転車の操作パネルで「START」ボタンを押して、操作パネル左のカードリーダー部にICカードをかざせばロックが解除されます。
一時的に駐輪したい場合は、手動で施錠しておきます。開錠するには、借りた時と同じ要領でICカードをかざすだけです。
なお、1日パスのICカードをかざして借りた自転車は、別の自転車に乗り換えられません。一時的に駐輪するときは、自分が借りた自転車の車両番号を覚えておきましょう。
3. 自転車を返す
返却時は、ポートに自転車を停め、手動でロックをかけたあと「ENTER」を押すだけ。これで返却完了です。
構成・文:藤原達矢
編集:アプリオ編集部