最近は、スマホの起動時にパスコードや指紋認証でロック解除をするのが当たり前になってきました。
ただ、スマホにロックがかかっていても100%安全とはいえません。たとえば友だちにスマホを貸す際は、ロックを解除した状態で渡すのでアプリは勝手に操作できてしまいます。また、実は家族や恋人にロック解除のパスコードがバレている……という可能性も否めません。
セキュリティをより強固にするためにも、アプリ自体にロックをかけたい人は多いはずです。そこで本記事では、アプリ単位でロックをかける方法を4つ紹介します。利用しているOSやニーズにあわせて確認してください。
方法1:標準で搭載されているアプリロック機能を使う(一部の機種のみ)
一部のAndroidスマホには、端末自体にデフォルトでアプリロック機能が搭載されています。
同様の機能が搭載されているのは「OPPO」シリーズをはじめ、Samsung「Galaxy」シリーズ、ASUS「ZenFone」シリーズ、Xiaomi「Mi」「Redmi」シリーズなどです。

これらのスマホを使っているなら、端末の「設定」から各アプリにパスコードやパターンでのロックをかけられます。自身の使っているスマホの公式サイトなどをチェックし、アプリロック機能が搭載されていないか確認してみてください。
本記事では、標準搭載されているアプリロック機能の一例として「Galaxy A20(Android 10)」と「OPPO Reno3 A(Android 11)」での設定方法を紹介します。
OPPOでアプリロックを設定する方法


OPPOの設定アプリを開いたら、
→ の順に進みプライバシーパスワードを設定します。続いて、パスワードを忘れたときのためにカスタム質問を指定したら準備は完了です。プライバシーパスワードは、なるべく端末のロック解除パスワードとは別のものを設定するとよいでしょう。

あとは、アプリ一覧の中から鍵をかけたいアプリを選択すればOKです。設定したアプリを起動する時にパスコードの入力が求められるようになります。
Galaxyでアプリロックを設定する方法
Galaxyにも、アプリロックと類似の機能が搭載されています。ただ、こちらはアプリ単位でロックをかけられるわけではなく「セキュリティフォルダ」という鍵のかけられる場所にアプリをおいておける機能です。


セキュリティフォルダを開くためにパスワード入力が必要
使い方に少々癖がありますが、最初に設定さえ済ませれば難しいことはありません。
セキュリティフォルダのパスワードを設定する



端末の「設定」を開き、
→ の順にタップして進みます。すると「セキュリティフォルダへようこそ」の画面が表示されるので、利用規約を一読して問題なければ を押しましょう。続いて、Galaxyアカウントでのログインが求められます。アカウントを持っている場合はIDとパウワードを入力し、持っていない場合は案内にしたがってその場で作成してください。


続いて、ロックの種類を選択します。パターンは「図形」、PINは「数字」、パスワードは「英数字」での認証です。なるべく、端末のロック解除とは別のものを選択するといいでしょう。
続く画面で、実際に解除に使うパターン、暗証番号、パスワードを決めて
を押してください。セキュリティフォルダにロックをかけたいアプリを追加する


セキュリティフォルダが開くので、下部にある
ボタンをタップ。もしくは右上のメニューボタン からアプリを追加を選択してください。すると端末にインストールされているアプリがすべて表示されるので、鍵をかけたいアプリにチェックを入れて
ボタンをタップします。

セキュリティフォルダ内にアプリが追加できたら、使いたいアプリをタップして起動します(ここでは「Twitter」を選択)。
すると、インストールした直後の画面が表示されます。各アプリの案内に従って、普段使っているアカウントでログインしてください。
必要に応じてホーム画面上のアプリを削除する

最後に、右上のメニューボタン
から をタップすればホーム画面に戻れます。現状、セキュリティフォルダとホーム画面に同じアプリが2つ存在していることになります。ホーム画面上のアプリにはロックがかかっていないので、気になる人はアンインストールしてください。
なお、同じアプリ2つを同時に使うことも可能です。たとえば、ホーム画面にインスタには本アカウントでログインし、セキュリティフォルダのインスタに裏アカでログインしておけば、より安全かつ便利に2つのアカウントを使い分けられるでしょう。
方法2:iPhoneのスクリーンタイム機能をアプリロックとして活用する
iPhoneでは、前述したような標準搭載のアプリロック機能はありません。しかし、「スクリーンタイム」をアプリロックに類似した機能として応用することは可能です。

アプリを起動させるごとにロックがかかるまでの時間の延長ができてしまう
しかし、アプリにロックがかかるまで最短でも15分間、アプリを使用する必要があります。
多くの人がイメージするような「アプリを起動する度にパスコードを入力」といった使い方はできません。アプリにロックをかけるという目的は一応達成できますが、あまり使い勝手がよいとはいえないのが現状です。
スクリーンタイムのパスコードを設定する


iPhoneの「設定」アプリを開き、
→ の順にタップします。

4桁の数字で解除に使うパスコードを入力してください。端末のロック解除に使用しているものとは別のものを指定するのがおすすめです。
続いて、パスコードを忘れでの復旧時に使うApple IDの入力が求められます。普段使用しているものを設定しておくと安心ですが、忘れる心配がないなら
を押してパスしてもOKです。対象のアプリの使用制限時間を1分に指定する


パスコードを設定できたら、再びスクリーンタイムの設定画面に戻ります。メニューでApp使用時間の制限をタップし、ロックをかけたいアプリを選んでください。
なお、「SNS」や「ゲーム」などのジャンルをタップすると、該当するアプリが表示される仕組みになっています。

ロックされるまでにかかる時間を指定します。今回は最初からアプリを使えないようにすることが目的なので、一番短い「1分」に設定してください。
同じ画面で「使用制限終了時にブロック」のスイッチをオンに切替えましょう。これで選択したアプリを1分使用すればその後はロックがかかるようになりました。
対象のアプリを「15分間」使用するとロックがかかる


ホーム画面に戻り、スクリーンセーバーに指定したアプリを1分間使用してください。すると、左上の「時間制限」画面が表示されるので
をタップします。のポップアップが表示されるので、これを押すと再びアプリが起動します。そのまま、1分間アプリを使用しましょう。


再び、上の「制限時間」画面が表示されます。
→ の順にタップし、設定したパスコードを入力します。「15分」「1時間」「終日」と延長する時間の選択を求められたら、最短の「15分」を選びます。これを繰り返せば、15分操作するごとにアプリロックがかかり、起動時にパスコード入力が求められるというわけです。
ただ、当然ロックを解除してから15分間は何回起動してもパスコード入力は求められないので、誰でも操作できてしまう状態となります。自分で操作する際も15分経過ごとにパスコードを入力しなければならないので、日常使いするのは現実的ではないかもしれません。
方法3:アプリにロックをかけられるアプリを使う(Android限定)
Google Playストアでは、アプリ単位でパスワードかけられるアプリがいくつか提供されています。これらのアプリを使えば、初期設定だけで全アプリに一括でロックをかけられるので大変便利です。
ただし、サードパーティ製アプリを使用する場合はいくつかの注意点があります。
強いアクセス権限が求められる

まず、すべてのスマホで安定して動作するとは限りません。機種やOSバージョンとの相性が悪いと、正常に動作しない可能性があります。
また、これらのアプリをインストールしたら、アプリを実行するためにいくつかのアクセス許可が求められます。なかでもよく考えてほしいのが「デバイスのフルコントロール」。この権限は、スマホ上でのあらゆる動作を見られてしまうだけでなく、操作を代行させることも許す極めて強い権限です。
これを承知したうえで、なお使いたい場合に限りアプリをインストールしてください。
数あるアプリのなかで筆者がおすすめしたいのが「ノートンアプリロック」。パターン・パスコードのほか、対応機種では指紋認証でのロック解除も可能です。
世界的にも有名なウイルス対策ソフトウェア「ノートン」シリーズを提供している会社のアプリなので、セキュリティ的にも安心できます。
アプリをロックできるアプリの使い方



アプリをインストールし起動すると使用許諾契約とプライバシー声明が表示されます。一読して問題なければ、[同意して起動する]をタップしてください。
続いて、各種アクセス権限の許可が求められるので、許可していきましょう(許可しないとアプリを使用できません)。

続いて、アプリロックを解除するパターンを決めます。なるべく端末のロック解除とは別のものを設定するのがおすすめです。
パスコード(暗証番号)で解除したい人は、右上の
をタップして4桁の数字を指定してください。
インストールしているアプリが一覧で表示されます。ロックしたいアプリの横にある鍵マークをタップしましょう。
これで、指定したアプリにロックがかかった状態になりました。

なお、対応機種ではデフォルトで指紋認証がおこなわれるようになっています。
指紋認証をしたくない人は「ノートンアプリロック」アプリを開き、トップ画面左上のメニューボタン
をタップして「指紋を使用してロックを解除する」をオフに切り替えてください。方法4:ロック機能がついているアプリを使う
LINEアプリにパスコードを設定できるのは多くの人が知るところでしょう。また、銀行の通帳アプリをはじめ、PayPayやd払い、楽天ペイなどの「お金」に関わるアプリにもたいていアプリロックが搭載されています。
このように、デフォルトでロック機能がついているアプリも数多くあります。特にiPhoneユーザーは、パスコード設定ができるアプリを優先的に利用するのも手です。
ロック機能が搭載された「写真・アルバム」アプリ
スマホに保存されている写真や動画の中には、他人に見られたくないものも多いはず。「鍵付きアルバム - さくっとシークレット」を利用すれば、見せたくない写真や動画にロックをかけて保存できます。

端末の写真アルバムにロックをかけるのではなく、選択したファイルをこのアプリの中に保存し、ロックをかけて管理するというもの。
起動時に毎回パスワードの入力やTouch IDやFace IDによる認証が求められるので、第三者にアルバムを盗み見られる心配がありません。
Androidスマホユーザーには、ほぼ同様の機能が使える「LockMyPix」をおすすめします。


使い方はシンプルで、最初にパスワードを設定してアプリに保存したい画像を選ぶだけ。アプリに保存済みのデータは自動で端末のアルバムから削除できるため、このアプリからのみ確認できるようになります。
ロック機能が搭載された「メール」アプリ
メールには会社の機密情報や個人情報などが含まれていることが多いので、よりセキュリティを強化したいところです。ただ残念ながら、iPhone標準のメールアプリやGmailにはロック機能は搭載されていません。

そこでおすすめしたいのが、ロック機能付きの無料メールアプリ「Blue Mail(ブルーメール)」です。
GmailやYahoo!メール、iCloud、Outlookなど、複数プロバイダのメールボックスを統合して一括管理できます。作業を整理するタスク管理ツールや、スケジュールアプリとしても活用できる優れものです。



パスコードを設定するには、画面下部のメニューで設定ボタン
をタップ。 → の順に進み、4桁の数字を設定しましょう。タイミングを「直ちに」に指定すれば、アプリの起動時にパスコードが要求されるようになります。
ロック機能が搭載された「メモ帳」アプリ
あまり知られていませんが、iPhone標準搭載のメモアプリにはロック機能が搭載されています。

メモ単位で鍵をかけられる仕様になっており、データを開くときにパスコードが要求されます。
サードパーティ製のアプリを利用したい場合は、Android版も提供されている「Notebook」がおすすです。または、LINEにパスコードをかけた上でKeepメモを利用するのもよいでしょう。


iPhone標準搭載のメモアプリでロックをかけたいメモを開き、右上の
をタップ。展開したメニューから を選択してください。続く画面でパスワードを設定し、
ボタンを押せばロックがかかります。ロック機能が搭載された「スケジュール・カレンダー」アプリ
プライベートからビジネスまで、アプリ上で予定管理している人も多いでしょう。スケジュールには個人情報がぎっしり詰まっているので、セキュリティ対策は必須です。

ロック機能付きのカレンダーアプリでおすすめなのが「シンプルカレンダー」。アプリ起動時にパスコード入力を要求できるので、より強固にプライバシーを守れます。
もちろん、カレンダー・スケジュール管理アプリとしての機能も申し分ありません。リマインダーや色分け、予定の共有、検索など機能性は十分。シンプルで分かりやすいデザインも好評です。


パスコードを設定するには「シンプルカレンダー」アプリを開き、下部のメニューから設定ボタン
をタップ。「パスコードロック」のスイッチをオンに切り替えて4桁の番号を設定します。