ソフトバンクから他社に契約を乗り換え、もしくは解約する際にネックとなるのが2年定期契約、俗にいう2年縛りの契約解除料(解約金/違約金)です。「更新月がしばらく先でなかなか解約できない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
その点、ソフトバンクでは新プランに変更することで、更新月以外でも解約金なしで乗り換え・解約が可能になります。ただ、タイミング次第では解約金が発生してしまったり、ひと月分余計に料金が請求されてしまったりするので注意が必要です。
そこで本記事では、ソフトバンクにおける解約金の仕組みを解説した上で、実際に解約金を発生させずに他社に乗り換える方法を紹介します。
ソフトバンクの解約金はいくらかかる?
現在、ソフトバンクにおける2年定期契約の解約金は、2019年9月13日以降に提供された新プランと、9月13日以前に提供されていた旧プランで異なります。
- 2019年9月13日以前の提供プラン:1万450円(税込)
- 2019年9月13日以降の提供プラン:0円
2年単位で契約することで、月額料金が安くなったり、キャンペーンや特典が適用されたりといったメリットを受けられる「2年定期契約」。ソフトバンクに限らず、他のキャリアでも一般的に提供されてきたシステムです。
しかし、1万450円(税込)という高額な解約金や囲い込みが総務省に問題視され、省令改正案で解約手数料を1000円以下にすることが要請されました。これを受けてソフトバンクは、2019年9月に解約金および2年契約そのものを廃止した新プランを発表します。
“ソフトバンク”、契約期間も契約解除料もない料金プランに刷新 | ソフトバンク
ただ、ソフトバンクは解約金制度自体を廃止したわけではありません。解約金が廃止されたのは新プランのみで、2019年9月13日以前に提供されていた旧プランの場合、更新月以外に解約すると解約金が請求されます。
こういった経緯から、2019年9月13日を境に旧プランと新プランで解約金が異なっているというわけです。
ソフトバンクを解約する際に注意したい4つのポイント
まずは、ソフトバンクを「無料」で解約するときに注意したい4つのポイントを紹介します。
- 新プランへ移行しないと更新月以外は解約金が発生する
- 新プランが反映されるタイミングは締日により異なる
- 解約日に対して「日割り計算」がない
- 新プランに変更すると「月月割」が適用されなくなる
新プランに変更しないと更新月以外は解約金が発生する
Image:ソフトバンク
解約金を発生させないためには、解約の時点で新プラン(スマホは「基本プラン(音声)」、iPadやタブレットは「基本プラン(データ)」)を契約している必要があります。
その点、「メリハリ無制限(メリハリプラン)」「ミニフィットプラン」は2019年9月13日の刷新後に提供開始されたプランなので、2年定期契約や解約金を気にする必要はありません。
一方、「ミニモンスター」や「ウルトラギガモンスター+」は、プランを申し込んだ日によって2年定期契約および解約金のシステムが残っている可能性があります。
新プランに変更しないまま更新月以外に解約すると、従来どおり1万450円(税込)の解約金が請求されてしまいます。必ず乗り換えや解約の前に自身の契約プランを確認し、必要に応じて変更してください。
ソフトバンクからY!mobile(ワイモバイル)およびLINEMO(ラインモ)へ乗り換える場合、無条件で解約金が無料になります。また、乗り換え時に発生する手数料(番号移行手数料、新規契約事務手数料)も発生しません。
端末さえ用意すれば0円で乗り換えられるので、初期費用を抑えたい人にはおすすめです。
プラン変更が反映されるタイミングは締日により異なる
プラン変更の画面で新プランが適用される日を確認できる
新プランに変更したからといって、すぐに解約・乗り換えが可能になるわけではありません。
ソフトバンクの場合、プラン変更は締め日をまたいでから適用される仕組みです。締め日は「月末」「10日」「20日」の3通りで、自分がどの締め日なのかによって、新プラン(解約金なしで解約できる日)の反映タイミングが異なります。
請求締め日 | プラン変更申込日 | 適用される日 |
---|---|---|
月末 | 月末まで | 翌月1日から |
10日 | 10日まで | 当月11日から |
11日以降 | 翌月11日から | |
20日 | 20日まで | 当月21日から |
21日以降 | 翌月21日から |
たとえば締め日が月末だった場合、4月中にプランの変更手続きをすれば5月1日から解約金なしで解約が可能になります。旧プランのまま解約しないよう、反映日は必ずチェックしてください。
解約日に対して「日割り計算」がない
新プラン適用後、いつソフトバンクを解約するかも重要です。
というのも、ソフトバンクは解約日に対して「日割り計算」がありません。たとえば末日締めの場合、1日に解約しても全額が請求されるので、なるべく請求締め日直前に解約したほうがお得なのです。
このとき注意したいのが、MNP転入(電話番号を引き継いでの乗り換え)を予定している場合、次の回線が開通しないとソフトバンクが解約されないこと。MNP転入をする際には、通信会社間で電話番号の引き継ぎが必要なため、「新回線の開通日」と「旧回線の解約日」が同じになるのです。
- ソフトバンクでMNP予約番号を発行:数分
- 申込完了してからの審査:1日〜2日程度
- SIMカード到着:地域によって2~3日程度
- 回線の切り替え:数分
通信回線は、申し込み後すぐに開通するわけではありません。実際に開通するまで、3日間〜長くて7日程度の期間を要します。
そのため、請求締め日ギリギリに他社回線へ申し込むと、回線の開通(=ソフトバンク解約)が締日をまたいでしまうことになりかねません。余裕をもって、10日前までには新しい通信会社への申し込みは済ませましょう。
新プランに変更すると「月月割」が適用されなくなる
Image:ソフトバンク
「月月割」とは、新しく端末を購入する場合に、24ヶ月にわたり通信料や通話料が割引されるサービス。新規受付は2019年9月12日に終了していますが、まだ適用中の人も多いでしょう。
解約金が発生しない新プラン(基本プラン)に変更すると、月月割の適用は終了し割引が適用されません。そのため、最終請求月だけ料金が上がってしまうといったケースが起こりうるので注意が必要です。
「月月割」が適用されている場合、「基本プラン」に変更すると「月月割」の適用は終了します。
解約金を発生させずに他社に乗り換える手順
ここからは、実際にソフトバンクから解約または乗り換える手順を、注意点なども踏まえながら詳しく解説します。
1My SoftBankにアクセスして2年定期契約をしているか確認
左:アプリまたはブラウザからMy Softbankにアクセス右:トップ画面で[契約確認]をタップ
そもそも自身がどのプランを契約しているか、また2年定期契約を結んでいるか、把握していない人も多いでしょう。まずは上の手順で「My Softbank」にアクセスし、自身の契約しているプランを確認してください。
ここから、契約中のプランを確認できます。2年定期契約をしている場合、プランの項目に「更新期間」が記載される仕組みです。
そもそも2年定期契約をしていない人や、すでに新プランに移行済みの人は「更新期間」が表示されません。解約金は請求されないので、いつ乗り換え・解約をしてもOKです。
2請求締日を確認してスケジュールを立てる
自身の請求締め日を確認し、締め日ごとに解約までのスケジュールを立てましょう。下表は、5月に他社への乗り換え(MNP転入)を検討し始めた場合のスケジュールの一例です。
請求締め日 | 新プラン変更申請 | 新プランの適用日 | MNP予約番号の発行&他社回線の申し込み(目安) | 回線の切り替え日(目安) |
---|---|---|---|---|
月末 | 5月末までに申し込み | 6月1日から | 6月18日 | 6月28日 |
10日 | 5月10日までに申し込み | 5月11日から | 5月30日 | 6月8日 |
5月11日以降に申し込み | 6月11日から | 6月29日 | 7月8日 | |
20日 | 5月20日までに申し込み | 5月21日から | 6月8日 | 6月18日 |
5月21日以降に申し込み | 6月21日から | 7月8日 | 7月18日 |
新プランに変更してから解約する場合、新プランに切り替わるタイミングを必ずチェックしてください。
前述したように、請求締め日をまたぐと1カ月分の料金が余計に請求されてしまうので、余裕を持って請求締め日の1〜2日前に解約(他社回線の開通)を済ませておくのがおすすめです。
請求締め日を確認するには、My SoftBankのトップ画面で[○月ご請求]をタップし、続けて[支払い方法を確認する]を押します。
ここで請求締め日を確認できます。ソフトバンクの請求締め日は「月末」「10日」「20日」の3通りです。
3「基本プラン(音声)」がベースのプランに変更する
左:「My Softbank」にアクセスして[料金プラン変更]をタップ右:料金の内訳を見ると「基本プラン(音声)」が入っていることが確認できる
「更新期間」が記載されていた人は、解約金の発生しない「基本プラン(音声)」にプランを変更しましょう。プラン変更は、先ほどアクセスしたMy Softbankから無料で簡単におこなえます。
料金のプラン変更画面には「メリハリ無制限」や「ミニフィットプラン+」などが表示され混乱しますが、すべて解約金が発生しない「基本プラン(音声)」をベースに構成されています。使えるデータ量によって名称が変わっているだけなので、どれを選んでも構いません。
なるべく安く済ませたいなら、最安の「ミニフィットプラン+」を選ぶといいでしょう。
単に解約するだけ(MNP転入なし)なら、この先の工程は必要ありません。新プランが反映されたことが確認できたら、ソフトバンクショップに行って解約手続きをしましょう(単なる解約はWeb上ではおこなえません)。
4解約したい日の8〜10日前にMNP予約番号を発行する
Image:ソフトバンク
MNP転入する場合は、電話番号の引き継ぎに必要な10桁の「MNP予約番号」をソフトバンクで取得します。
ただ、このMNP予約番号には15日間の有効期限があり、15日以内に他社回線の開通が完了しなければ、その番号は無効になってしまいます。回線の切り替え(=ソフトバンクの解約)の8〜10日前を目安に発行しておくとスムーズでしょう。
My SoftBankにアクセスし、トップ画面の検索欄に「MNP」と入力します。検索結果から[MNP予約番号を発行する]を選択してください。
MNP予約番号は、ソフトバンクショップ・電話・Webサイト(My Softbank)のいずれかから発行可能です。今回は、Webサイトからの申し込み方法を紹介します。
なお、「MNP予約番号の発行=ソフトバンクの解約」とはならないので、新プランが反映されていない状態でおこなってもOKです。
解約の画面に進むので、下にスクロールして[MNP予約番号の発行方法]をタップ。予約方法が表示されるので、[My Softbankでお手続き]を選択してください。
MNP予約番号の発行にチェックを入れて[次へ]をタップ。注意事項が表示されるので、一読して問題なければ[次へ]を押して進みましょう。
最後に確認画面で[次へ]をタップしたら、MNP予約番号が発行されます。同時に同じ内容が記載されたSMSが届くので、この画面を閉じても問題ありません。
5他社回線の申し込みをする
例:楽天モバイルのMNP予約番号入力画面
MNP予約番号が発行できたら、乗り換え先の回線を申し込みます。前述したようにMNP予約番号は15日で期限が切れてしまうので、取得でき次第なるべく早く申し込みを開始しましょう。申し込みする際には新規契約ではなく、必ず「MNP転入」を選択し、ソフトバンクで発行したMNP予約番号を入力してください。
一般的に、MNP転入では回線が開通した時点で使用料金が発生するので、ソフトバンクと他社回線の料金を2重に支払う心配はないでしょう。ただし、まれに申し込んだ時点で使用料金が発生する場合もあるので、申し込み時には必ず料金の発生スケジュールを確認してください。
6新プランに変更されているか確認し、回線の切り替え(MNP転入手続き)をおこなう
回線の切り替えをおこなう前に、My Softbankにアクセスし、新プランが反映されているか確認しましょう。
「プラン」の項目に「基本プラン(音声)」が表示されていれば変更は完了しており、解約金なしで解約できる状態です。
楽天モバイルの例
新プランに変更されていることが確認できたら、各サービスの案内に従ってMNP転入・開通手続きをおこなってください。他社回線への切り替えが完了し次第、ソフトバンクが解約されるはずです。
解約後90日以内ならMy SoftBankへアクセスできるので、解約月の請求金額に契約解除料が入っていないことを確認してみましょう。なお、機種の分割支払い残額が残っている場合は、解約後もその支払いは続きます(一括請求されることはありません)。
検証した端末:ソフトバンク Xperia 5