ドコモメールのデータをバックアップ・復元・移動する方法【iPhone/Android/PC】

ドコモメールのデータをバックアップ・復元・移動する方法(iPhone・Android・パソコン)

NTTドコモからahamoや他の通信会社に乗り換える場合、注意したいのが「ドコモメール」。というのも、ドコモの解約後はドコモメールのアドレス(@docomo.ne.jp)が停止されるだけでなく、過去のメール履歴も閲覧できなくなってしまうからです。

データを失いたくない場合は、バックアップの取得やGmailなど他のメールアカウントへのデータ移行など、何かしらの対策をとる必要があります。そこで本記事では、Androidスマホ、iPhone、パソコン(Windows/Mac)ごとに最適なドコモメールの退避方法を解説します。

目次

ドコモメールの仕組みと特徴

乗り換え前に知っておきたい、ドコモメールの仕組みと特徴を解説します。

ドコモメールのデータはクラウドに保存される

ドコモメール 移行 バックアップ

スマホの普及に伴って、ドコモメールは受信/送信履歴や添付ファイル、宛先などのメールデータをクラウド(ドコモメールサーバ)上で管理するようになりました。

クラウド化したことで、スマホの破損や紛失といったトラブルからデータを守れたり、マルチデバイスでドコモメールを利用できたり、ログインするだけでメールデータを引き継げたりと、様々なメリットを得られます。

一方、ドコモにすべてのメールデータの管理を委ねることになるため、解約時は注意しなければなりません(詳しくは後述)。

ドコモを解約するとクラウドからメールデータが削除される

ドコモメール 移行 バックアップ

ドコモのSIMカードを抜くとドコモメールにアクセスできなくなる

ドコモメールはドコモユーザーのためのサービスなので、ドコモ回線を解約したり、他社に乗り換えたりすると利用できなくなります。

これは「@docomo.ne.jp」アドレスによるメールの送受信ができなくなるだけでなく、クラウド上に保存されるすべてのメールデータが削除されることを意味します。

FOMA/Xi/5Gサービスの解約、電話番号保管、spモード契約の解約、改番、名義変更を行った場合は、クラウドデータはすべて削除され、復元することができません。ドコモメールアプリでは、事前に端末に全データを保存したドコモメールおよび端末にメール一覧表示用情報のみを保存したドコモメールのメール一覧表示用情報部分を除き、ドコモメールを参照することはできなくなります。

ドコモメールのご注意事項

スマホ本体にメールデータを保存していない場合は、過去のメール履歴を見られなくなってしまいます。

(1)メールアドレスの変更を各所に知らせる、(2)メールデータをバックアップ、もしくは他アカウントへ移行、(3)ドコモの解約という順番で、メールデータを退避した上で乗り換えるのがおすすめです。

ドコモメールは他のメールアプリでも利用できる

ドコモメール 移行 バックアップ

タブレットやパソコンでもドコモメールの送受信が可能

クラウド化したことにより、ドコモメールはサードパーティ製のメールアプリや、パソコンのメールソフトでも利用できるようになりました。

さらに、特定のメールアプリ・ソフトを経由することで、ドコモメールのデータをそのまま別のメールアカウント(GmailやiCloudメール)に移動させることも可能です。事前に別アカウントにデータを移しておけば、ドコモを解約しても過去のメールが消える心配はありません。

ドコモメール 移行 バックアップ

Image:ドコモメールのセキュリティについて

ただし、ドコモメールを他のメールアプリで使う場合、事前にスマホで「IMAP専用パスワード」を発行して認証しなければなりません。IMAP専用パスワードは、dアカウントの不正利用対策のため2018年に追加されたシステムです。

別のメールアプリやソフトでドコモメールを使用する場合は、後述する手順を参考にIMAP専用パスワードの発行を済ませましょう。

方法1:ドコモメールのデータを端末に保存して専用アプリで復元する(Androidスマホ)

ドコモメール 移行 バックアップ

Androidスマホで使える「ドコモメール」アプリには、クラウド上にあるメールデータを端末本体にバックアップする機能が標準で搭載されています。

ただ、ファイルは「vmg」という特殊な形式で端末に保存されるため、通常のファイルアプリやビューワーではデータを復元(閲覧)できません。そこで今回は、vmgファイルをテキストに自動変換してくれる「携帯シンク メールビューア」アプリを使って、見る方法を紹介します。

アプリ「携帯シンク メールビューア」をダウンロード
携帯シンク メールビューア

1ドコモメールで本文保持件数設定を「すべて」に変更してメールデータを取得

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

左:ドコモメールを起動し、右下の[その他]→[メール設定]をタップ右:[本文保持件数・通信設定]をタップ

ドコモメールアプリでバックアップできるのは、端末でデータを取得・保存しているメールに限られます。事前に本文保持件数設定を「すべて」に変更し、ドコモメールサーバと同期を完了させておきましょう。

なお、大量のモバイルデータ通信が発生する可能性があるため、Wi-Fi環境で作業することをおすすめします。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

「本文保持件数設定」を開き、選択画面で「すべて」にチェックを入れてください。すぐに本文データの取得が開始され、しばらく待つと終了します。

2保存したいフォルダを選んで「メール保存」をタップする

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

左:保存したいフォルダにチェックを付けて[その他]をタップ右:[メール保存]をタップ

続いて、保存したいフォルダにチェックを付けましょう。フォルダの一括選択はできないため、「受信BOX」「送信BOX」「未送信BOX」とフォルダごとに同じ作業を繰り返す必要があります。

3保存先を確認してメールを端末にダウンロードする

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

最後に確認メッセージが表示されるので、[はい]をタップ。これで端末の内部ストレージ(ダウンロードフォルダ)にメールデータが保存されます。

4「携帯シンク メールビューア」アプリでvmgファイルを読み込む

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

左:アプリ起動すると保存したvmgファイルが表示される右:保存したメールの一覧(件名や宛名)が一覧で表示される

最後に、保存したメールのデータを「携帯シンク メールビューア」アプリを通して確認(復元)しましょう。

携帯シンク メールビューアを起動すると、自動的にスマホ内部に保存された「vmg」ファイルが読み込まれ、テキストに変換してくれます。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

左:添付ファイルは端末へダウンロードも可能右:画像ファイルも問題なく表示された

メールをタップすると、本文を確認できます。絵文字、添付ファイル、添付画像なども復元されました。

インスタグラム ログアウトインスタグラム ログアウト

文字化けしてしまう場合は、右上のメニューボタン[]から[携帯電話文字コード]をタップして[UTF-8]に設定してみてください。

方法2:メールアプリを通してドコモメールのデータをGmailなどの別アカウントに移動させる(iPhone)

ドコモメール 移行 バックアップ

iPhoneの場合、標準搭載されている「メール」アプリを通して、ドコモメールのデータを「Gmail」や「iCloudメール」など別アカウントに移動できます。過去のメールデータ(受信トレイ・送信済みトレイ・下書き・ゴミ箱など)を丸ごと移せるので、ドコモ解約後もスムーズに別アカウントに移行できるはずです。

1ドコモメールとは別にメールアカウントを用意する

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

左:「設定」アプリを開き[メール]をタップ右:→[アカウント]をタップ

まずは、ドコモメールのデータを移したいメールアカウントを用意しましょう。

iCloudメールアドレスを取得している場合は、iCloudメールを使っても構いません。そのほか、簡単な登録ですぐに取得できる「Gmail」や「Yahoo!メール」もおすすめです。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

[アカウントを追加]をタップし、任意のメールサービスを選択します。各サービスの案内に従ってメールアカウントの登録を済ませましょう。ここでは例として、Googleの提供する「Gmail」アカウントを使います。

ドコモメール 移行 バックアップ

上の画像のように、「メールボックス」画面にドコモメールと任意のメールアカウントが表示されていれば、準備は完了です。

2ドコモメールで移動したいメールを選択

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

さっそく、ドコモメールの各フォルダのデータを別アカウント(ここではGmail)に移していきます。

まずは、受信フォルダのデータを移動させます。メールボックス画面で[ドコモメール]をタップ。「受信」画面が開いたら、右上の[編集]ボタンをタップしてください。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

移動したいメールにチェックを入れましょう。受信メール全部を移したい場合は、左上の[すべてを選択]ボタンをタップしてください。メールが選択できたら、画面下部の[移動]ボタンをタップします。

3移行先のアカウント・フォルダを指定してメールを移動する

ドコモメール 移行 バックアップ

[移動]ボタンを押すとドコモメール内のフォルダが表示されますが、ここはスルーして[戻る]ボタンや[<]ボタンをタップします。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

アカウント画面に移動するので、任意のメールアカウントを選択してください。ここでは[Gmail]を選びました。

最後に、メールを移動させたいフォルダを選択すれば、受信フォルダのデータ移動は完了です。同じ手順で「送信」「未送信」「ごみ箱」も移動させましょう。

なお、移動させたメールはドコモメールのフォルダ上から消え、別アカウント(GmailやiCloudメール)からのみ確認できるようになります。iPhone以外のデバイス(パソコンやタブレット)と同期させている場合は、すべてのデバイス上で移動したメールデータが反映されているはずです。

方法3:PCのメーラーを通してドコモメールのデータをGmailなどの別アカウントに移動させる(パソコン)

ドコモメール 移行 バックアップ

パソコンのメールアプリやメールソフト(メーラー)でも、iPhoneと同じようにドコモメールを別アカウントに移動させられます。

今回はWindows、Macともに使えるメーラー「Thunderbird」を使って、ドコモメールのデータをGmailアカウントに移す方法を紹介します。

1ドコモメールとは別にメールアカウントを用意する

まずは、ドコモメールのデータの移動先のメールアカウントを用意します。ドコモメールのデータをすべて移すことになるので、スマホと同期できるメールアカウントを設定するとよいでしょう。

2「my docomo」でIMAP専用パスワードを発行する

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

左:ドコモ回線を利用できるスマホで「my docomo」にアクセス右:「設定」タブのメール設定項目の[設定を確認・変更する]をタップ

続いて、ドコモのスマホでIMAP専用パスワードを発行します。前述したように、パソコンのメールソフトでドコモメールを利用する際には必ずIMAP専用パスワードで認証しなければなりません。

「my docomo」にアクセスし、[設定を確認・変更する]をタップ。ネットワーク暗証番号やspモードパスワードを入力してログインしてください。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

メールの設定画面が開いたら、下にクロールして[dアカウント利用設定の確認/変更]をタップ。「dアカウントでドコモメールを利用」の項目で[利用する]にチェックを入れます。

ドコモメール 移行 バックアップドコモメール 移行 バックアップ

[設定を確定する]をタップし、[IMAP用ID・パスワードの確認]を押してください。

ドコモメール 移行 バックアップ

最後に「ユーザーID(ドコモメールのアドレス)」と「IMAPパスワード」が表示されるので、これをメモなどに控えておきましょう。メールソフトにドコモメールを設定する際に、これらの情報の入力が求められます。

3メーラーの「Thunderbird」をインストールする

ドコモメール 移行 バックアップ

続いて、メーラー「Thunderbird」を以下の公式サイトからインストールします。

Thunderbird公式サイト

Thunderbirdは、「Firefox」の開発元であるMozilla(モジラ)社が開発・提供している無料のメールソフトです。アカウント間のメール移動のほか、複数メールアドレスの一括管理や、カレンダーやチャット機能など、多くの機能を搭載しています。

ドコモメール 移行 バックアップ

Macに標準搭載されているメールアプリ

なお、Macユーザーの場合は、標準で搭載されている「メール」アプリでも同様の作業ができます。どちらでも好きなほうを選んでください。

4Thunderbirdでドコモメールにログインする

ドコモメール 移行 バックアップ

Thunderbirdを起動すると、すぐにメールアドレスのセットアップ画面が表示されるので「名前(好みの名前)」「メールアドレス(ドコモメールのアドレス)」「パスワード(手順2で発行したIMAPパスワード)」をそれぞれ入力してください。

ドコモメール 移行 バックアップ

「あなたのアカウントを見つけられませんでした」と表示されたら、画面の下にある「受信サーバー」「送信サーバー」に以下の情報を入力します。これでドコモメールにログインできるはずです。

ドコモメールサーバーの設定情報
受信サーバー 送信サーバー
プロトコル IMAP SMTP
サーバー imap.spmode.ne.jp smtp.spmode.ne.jp
ポート番号 993 465
SSL SSL/TLS SSL/TLS
認証方式 通常のパスワード認証 通常のパスワード認証
ユーザー名 あなたのドコモメールアドレス あなたのドコモメールアドレス

5Thunderbirdに別アカウントを追加する

ドコモメール 移行 バックアップ

次は、手順(1)で用意したメールアカウントを、Thunderbirdに追加します。右上のメニューボタン[]をクリックし、[新規作成]を選択してください。

ドコモメール 移行 バックアップ

[既存のメールアカウント…]をクリックすると、手順(4)と同じログイン画面が表示されるので、別アカウントのメールアドレスやパスワードを入力してログインします。

なお、GmailなどのWeb上で利用できるフリーメールなら、メールサーバーの設定情報を入力せずにパスワードのみでログインできるはずです。

6ドコモメールから別アカウントにメールを移動させる

最後に、ドコモメールのデータ(受信トレイ・送信済みトレイ・下書き・ゴミ箱など)を、別アカウントの任意のフォルダに移動させます。

ドコモメール 移行 バックアップ

(1)ドコモメールの受信フォルダを開き移動したいメールを選択、(2)選択したメールを右クリック→[メッセージを移動]をクリック、(3)移動先のメールアカウントとフォルダを選択

ドコモメールのフォルダを開き、移動したいメールを選択してください。Macは[command] キーを押しながら [A]、Windowsは[Ctrl]キーを押しながら[A]を押すと、全選択ができます。

選択したメールを右クリックし、メニューから[メッセージを移動]を選択。移動先のメールアカウントとフォルダを指定すれば、移動完了です。ドラッグ&ドロップで移動させることもできます。

iPhoneのケースと同様、移動させたメールはドコモメールのフォルダ上から消え、別アカウントからのみ確認できるようになります。メールアカウントをスマホと同期させている場合は、ドコモメールのデータが反映されているはずです。

検証端末:ドコモ Galaxy A20(Android 10)、ドコモ iPhone XS(iOS 14.3)、MacBook Air(mac Big Sur 11.1)、Surface Laptop(Windows 10)

EDITED BY
MOEGI