高性能なAndroidタブレットがサムスンのGalaxyから登場しました。Androidタブレットは格安な製品が目立っていましたが、高性能なモデルの登場でより選択肢が広がっています。
今回は「Galaxy Tab S8+」と「Galaxy Tab S8 Ultra」の2モデルをまとめてレビューします。
非常に美しい有機EL大画面モデル
両モデルともディスプレイは有機EL(Super AMOLED)を採用しています。現在発売されているタブレットの中でもダントツの明るさ、美しさと言っても過言ではないでしょう。
- Galaxy Tab S8+:12.4インチ(2800×1752)
- Galaxy Tab S8 Ultra:14.6インチ(2960×1848)
画面の縦横比は約16:10となります。コンテンツを視聴するには最適に近い縦横比といえるでしょう。iPad Pro(12.9インチ)が約4:3なのと比べると、より長方形に近いわけです。動画を見るにはGalaxy Tab S8シリーズのほうが適しています。
画面の面積をiPad Pro(12.9インチ)と比べると、Galaxy Tab S8+より大きく、Galaxy Tab S8 Ultraよりは小さく感じます。Galaxy Tab S8 Ultraは画面がかなり大きく、これまでのタブレットではあまり体験したことのないサイズです。なお、指紋センサーは画面に内蔵されており、顔認証にも対応します。

両モデルとも有機ELディスプレイを搭載。非常に美しい表示が特徴

Galaxy Tab S8 UltraとiPad Pro(12.9インチ)を比較。さすがに14インチを超えるだけあって、面積は明らかに大きい

Galaxy Tab S8+とiPad Pro(12.9インチ)の比較。あまりサイズ感は変わらないが、縦横比が違うので面積はiPad Pro(12.9インチ)のほうが広く感じる
広い画面を有効利用してマルチタスクができる
両モデルとも、複数のアプリを同時に利用できるように考えられています。画面は分割で表示できるほか、フローティング表示にも対応します。キーボードをつけているとかなりPCに近い使い方ができると考えてもよいでしょう。ただし、PCほど柔軟には画面サイズを変更できません。
Galaxy Tab S8 Ultraで画面を2分割して表示しても、それぞれのサイズは十分に大きいので作業のしやすさは上々です。ブラウザを見ながらメモを書くなど、マルチタスクが快適にできます。
また、PCの画面をワイヤレスで表示可能で、PCのサブディスプレイとしても利用できます。この機能を使うには、PCがミラキャストに対応している必要があります。

画面を2分割して表示した

こちらはフローティング表示

PCのセカンドモニターとしても利用できる
大画面ながら軽量
両モデルとも大画面ながら額縁が細く、本体はギリギリまで小さく薄く設計されています。また、重量もなかなか軽いのが素晴らしいポイントです。特にGalaxy Tab S8 Ultraの薄さには驚きを感じるでしょう。サイズが大きいだけに、まるで板のような印象を受けます。
Galaxy Tab S8+ | Galaxy Tab S8 Ultra | |
---|---|---|
本体サイズ | 185×285×5.7mm | 208.6×326.4×5.5mm |
重さ | 567g | 726g |
ただし、Book Cover Keyboardを取り付けるとかなり重くなります。致し方のないところではありますが、荷物としては同じ画面サイズの軽量パソコンに負けてしまいます。


両モデルに標準のBook Cover Keyboardを取り付けてキッチンスケールで計測。かなり重くなるのが残念

薄さは素晴らしく、Galaxy Tab S8 Ultraは板のようだ
高速チップを搭載、性能は素晴らしい
両モデル共にプロセッサはSnapdragon 8 Gen 1を搭載しています。現時点で最速のチップなので、文句なしの高性能です。
また、Galaxy Tab S8 Ultraは、RAMが12GBでストレージが256GB、Galaxy Tab S8+は、RAMが8GBでストレージが128GBとなります。どちらも、microSDカードによる増設が可能ですが、価格や性能を考えるともう少しストレージの容量を増やしてほしいところです。
大変残念なことに、LTEや5Gの通信を内蔵するモデルはありません。このあたりはiPadにかなわないポイントです。

性能は文句なしだ
キーボードはなかなか打ちやすい、Sペンにも対応
別売のBook Cover Keyboardは、質感が良く使い勝手も良好です。ただし、US英語配列に限られるのは残念としか言いようがありません。ライバルのiPadは日本語配列キーボードを用意しています。
Book Cover Keyboardは角度調整ができるスタンドを内蔵しており、本体とは磁石でくっつけます。キーボードを裏返してSペンを使うこともできます。
Sペンは標準で付属しており、本体の裏部分に取り付けて充電します。Book Cover Keyboardは背面が出っ張っており、その部分にSペンを搭載できます。Sペンの書きやすさは文句なしで、筆記が遅れるようなことはありませんでした。視差も少なく使い勝手は上々です。


Book Cover Keyboardは角度調整ができるスタンドを内蔵

タブレットの背面にSペンを取り付ける部分があり、Book Cover Keyboardもマッチした形状になっている


キーボードはなかなか打ちやすいが、残念ながら英語配列のみだ

Sペンはとても書きやすかった

両モデル共に13MPと6MPのカメラを搭載
まとめ:Android好きにはおすすめ
Galaxy Tab S8+とGalaxy Tab S8 Ultraは、最高性能のタブレットで画面の明るさやくっきりさはiPadを上回っていると感じます。Androidが好みで、大画面でゲームを楽しみたい人にはおすすめのタブレットといえます。動画を楽しむのにも最適です。ただし、動画を見るだけならややオーバースペックでしょう。
特徴のひとつであるSペンの書き味も文句なしですが、残念ながらiPadほど対応アプリがありません。手書きが主目的ならiPadを推奨します。また仕事に使う際にも、iPadのほうがタブレットに最適化されたアプリが充実しています。Androidタブレットもこのモデルの登場を機に盛り上がって、アプリが増えてほしいところです。