「Galaxy S23」「Galaxy S23 Ultra」レビュー、前モデルから進化したポイントは？

2023年4月、Samsung製のAndroidスマホ「Galaxy」の上位モデル「Sシリーズ」がリリースされました。今回は「Galaxy S23」と「Galaxy S23 Ultra」の2モデルが登場し、NTTドコモとau（KDDI）、楽天モバイルで販売されています。

本記事ではGalaxy S23とGalaxy S23 Ultraについて、Galaxy S22 Ultraと比較を交えながらレビューします。

Androidスマホの中でも最高性能となっている最新モデル「Galaxy S23シリーズ」は、価格も最高クラス。NTTドコモのオンラインショップでは、「Galaxy S23 Ultra（512GB）」が23万6500円（税込）で販売されています。

驚くほど高額ですが、最近は多くのスマホの上位機種でも販売価格が20万円前後となっており、ライバルと比べると妥当と言えます。

「Galaxy S23」は、NTTドコモとau（KDDI）、楽天モバイルで販売されています。

「Galaxy S23 Ultra」は、NTTドコモとau（KDDI）から買うことができ、楽天モバイルでの取り扱いはありません。またau（KDDI）でのみ、1TB（税込25万3440円）を購入できます。

「Galaxy S23」は、6.1インチディスプレイを搭載するスタンダードなサイズのモデルです。「Galaxy S23 Ultra」とはデザインも異なり、画面は完全にフラットで正面から見るとカドを落としたような丸みを帯びた外観です。

サイズは、約146x71x7.6mmとスタンダードで168gと片手でも使いやすい重量です。

ディスプレイの解像度は2340×1080と一般的である一方、ピーク輝度が1750ニトととても明るく、リフレッシュレートも120Hzなのでゲームにも向きます。本体カラーは、ラベンダー、クリーム、ファントムブラックの3色です。

「Galaxy S23」と「Galaxy S23 Ultra」は、同じシリーズながら実はまったく別物と考えたほうがよいでしょう。デザインも大きく異なり、正面から見るとカドが角張っているためより四角形に近い印象です。ディスプレイの左右はラウンドしているタイプで、額縁がより細く見えます。

サイズは、約163×73×8.9mmとかなり大ぶりです。手の大きな人でも片手で持って入力するのは厳しいでしょう。基本的には両手で使う製品と考えたほうが無難です。

重量も234gとかなりのヘビー級なので、長時間手に持って動画を撮影するような使い方では負担に感じる人もいそうです。また、ジンバルなどに取り付ける際にも、大きすぎて装着するのが厳しいケースも想定されます。

ディスプレイは6.8インチで3088×1440と大画面で高解像度です。さらに、最大1750ニトとかなり明るく、写真や動画を見てもハッとするほど美しく感じます。本体カラーは、グリーン、クリーム、ファントムブラックの3色です。

ここからは主に両モデルに共通のポイントを紹介していきます。どちらも、搭載するプロセッサーはSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxyです。今シーズン最高性能のチップをさらにこの機種専用にカスタマイズしています。

ベンチマークのスコアも素晴らしく、Geekbenchでは過去最高のスコアを記録しました。もちろんヘビーなゲームにも向いています。

前モデルのGalaxy S22 Ultraと比べてもスコアは少し伸びています。ただし、実際に使い比べてもあまり差はわかりません。ヘビーなゲームをプレイすれば違いが感じられるでしょう。多くの人にとって、現時点では過剰な性能かもしれませんが、高性能なスマホは長期間快適に使えるメリットがあります。つまり、2年後や3年後にはGalaxy S23 Ultraのほうが確実に快適に感じられるはずです。

両モデルとも、nanoSIMとeSIMに対応しています。eSIMに対応していれば、別のキャリアと簡単に契約して利用可能。海外でも現地のSIMをオンラインで契約できます。今後は海外旅行でeSIMを使うのが主流になるはずです。

どちらのモデルもディスプレイ内蔵の指紋センサーを採用しています。指紋センサーは本体の側面や背面などさまざまなパターンがある中で、画面内蔵のタイプが最も使いやすいでしょう。アダプターを使って車などに取り付けても、干渉して使えないことがありません。

画面内蔵の指紋センサーの製品をいくつか利用してみた経験から、Galaxy S23シリーズの反応はとてもよく高速だと感じます。ただし、画面内蔵の指紋センサーは、フィルムを貼ると反応が悪くなって使えなくなるケースもあります。フィルムを貼る際には、対応製品を選んでください。

両モデルともおサイフケータイを搭載し、IPX5/IPX8・IP6Xの耐水対応となっています。上位モデルらしく、不足している機能はありません。

なお、バッテリー容量はGalaxy S23 Ultraが5000mAh（最大26時間駆動）、Galaxy S23が3900mAh（最大22時間駆動）となります。45Wの急速充電に対応しますが、こちらはXiaomiなどの超急速充電と比べると見劣りします。また、ワイヤレス充電は最大15Wです。

Galaxy S23 Ultraは、Sペンに対応しています。本体内蔵のペンを取り出して手書きで端末にメモなどを記録できるわけです。小さいメモパッドに近いサイズで、立ったままでも手軽に手書き入力が可能です。

また、カメラを起動している最中はSペンについているボタンがシャッターとして機能し、リモコン代わりになります。

Sペンは一般的なスタイラスとは違い、電磁誘導方式のペンで電池を内蔵する必要もなく、快適に筆記できます。スマホのペンとしては最高の書き心地です。

ここからは主にGalaxy S23 Ultraのカメラについて説明していきます。メインの広角カメラはなんと2億画素、超広角カメラが1200万画素、望遠カメラは1000万画素×2となり、光学ズームは3倍、10倍、デジタルズームは100倍となります。

なお、Galaxy S22 Ultraは1億画素ですが、最大100倍のデジタルズームは変わりません。写真からは違いがわかりづらいですが、両者を並べてみると、Galaxy S23 UltraのレンズのほうがGalaxy S22 Ultraのレンズより大きくて高さも増していることがわかります。

今回は、Galaxy S23 Ultraと前モデルのGalaxy S22 Ultraの画質などを実際に撮影して比較してみました。

広角、超広角、3倍ズームで撮影した写真では、あまり違いはわかりませんでした。どちらも非常に美しく撮れています。

ズームで撮った写真を比較しました。標準、10倍、30倍、100倍で撮影しています。天気が悪かったのが残念ですが、どちらもよく撮れています。ただし、30倍、100倍などはよく見るとGalaxy S23 Ultraのほうがくっきりと写っています。

1億画素のカメラ（Galaxy S22 Ultra）と2億画素のカメラ（Galaxy S23 Ultra）でそれぞれ2枚ずつ撮影してみました。こちらは違いが明確で、Galaxy S23 Ultraのほうが確実にくっきりしています。

拡大していくと、どちらも素晴らしい解像度ですが、ある程度のサイズを超えると1億画素ではジャギーを感じます。

Galaxy S23 Ultraでは、夜景も撮影してみました。肉眼では色もあまりわからない真っ暗な公園で撮影しましたが、かなり明るく撮れており、ノイズがほとんど気にならないことに驚かされます。

Galaxy S23 Ultraは、最高性能のスマホとして素晴らしい進化を遂げています。カメラもなんと2億画素に到達しました。ただし、Galaxy S22 Ultraと比べると、積極的に買い換えるほどの差はないと思う人が多そうです。

性能が向上して写真が美しくなっても、1年前のモデルですでにお腹いっぱいと思っている人もいるでしょう。もちろん、3～4年前のモデルから買い換えると圧倒的な差があるのでおすすめです。

どちらのモデルも非常に高価ですが、このクラスのスマホは思い切って購入したら3～4年は使うのが正解といえそうです。

なお本記事に関連して、Galaxy S23シリーズのレビューを下記動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。