サムスンのGalaxyシリーズは年に1回、新モデルをリリースしています。2018年も大画面の最上位モデル「Galaxy Note9(ギャラクシーノートナイン)」が登場したので、詳しくレビューしていきます。
発売はNTTドコモとauからとなっており、今回はドコモ2018-2019年冬春モデルの「Galaxy Note9 SC-01L」を取り上げます。気になる価格は、新規契約の一括払い(ドコモオンラインショップ)で12万1176円と最高クラス。iPhone XSシリーズともライバルになる、押しも押されもせぬ最上級モデルというわけです。
本体は思ったより小さく感じる
Galaxy Note9のディスプレイは6.4インチです。言うまでもなく大画面モデルなのですが、Galaxy Note edgeなどが登場した頃よりは小さく感じるかもしれません。これは、サイズが小さくなったということではなく、他のスマホに大画面モデルが増えた結果、「すごく大きい」という印象が薄れてきたためです。
ディスプレイ | サイズ | 重量 | |
---|---|---|---|
Galaxy Note 9 | 6.4インチ | 76×162×8.8ミリ | 201グラム |
iPhone XS Max | 6.5インチ | 77.4×157.5×7.7ミリ | 208グラム |
iPhone XS Maxは6.5インチですから、サイズでは上回っています。実際に両者を比較してみると、ボリューム的には同じくらいの印象です。iPhone XS Maxは4方向の額縁をギリギリまで削り込んでいます。Galaxy Note9は、上下の額縁が少し残っているのが残念ですが、ディスプレイの左右が曲がっているために、サイズの割にはスリムです。
iPhone XS Maxに比べると、ややスリムですが厚みがあります。実際に手にした状態では、持ちやすさは引き分けといった感じです。どちらもディスプレイサイズの割にはコンパクトな設計ですが、手の小さな人には持ちやすいとは言えません。
ディスプレイの左右が丸みを帯びたGalaxy Noteらしいスタイル
iPhone XS Maxのほうがスリムでディスプレイの割合も大きい
高級感はあるがデザインはごく普通だ
Galaxy S8やNote8が登場した時には、左右の狭額縁に加えて上下の縁(フチ)も程々に細いために、とても目を引きました。
ところが、最近は狭額縁のデザインが当たり前になり、2万円台の格安スマホでさえ採用しています。結果、Galaxy Note9の外観が特に目立つスタイルとは言えなくなりました。もちろん高級感は抜群ですし、左右のフチを曲げたディスプレイも素敵です。
個人的に少々残念なのが、背面のデザインです。各社が背面の仕上げにこだわっているのと比べると、外観がとても普通なのです。メタルのフレームとの組み込みも素晴らしい精度の高さですが、こちらも地味なのでパッと見てごく普通にしか感じません。さらに、デュアルカメラと指紋センサーの配置があまり美しくありません。
カメラは出っ張りが少なく設計されていますが、それでも大きな縁取りがあるために存在感があります。指紋センサーは使いやすい位置にあるものの、カメラと近いために、レンズに指紋が付いてしまいそうです。指紋が付くと画像が美しくなくなる可能性があります。もちろん顔認証、虹彩認証にも対応しているので、好みのものを使えばよいでしょう。
背面のデザインはごく普通。カメラなどがちょっとごちゃごちゃしている
金属製のボディはダイヤモンドカットで美しく仕上げられている。前後パネルの組み込みの精度も高い
機能は“全部入り”の配慮が嬉しい
Galaxy Note9は、いわゆる“全部入り”のモデルです。防水、テレビ、おサイフケータイに対応します。特にテレビは、2020年のオリンピックを逃さず観たいユーザーには欠かせません。ワンセグ、フルセグに対応しており、視聴には同梱のアンテナケーブルが必要になります。
同梱物はかなり多く、他にもSペンのペン先交換キット、microUSBケーブル、USB-C変換アダプター、AKGイヤホンなどが付属します。ただし、充電器やUSB-Cケーブルは付いてこないのが残念です。充電するためには自分で用意する必要があります。
なお、バッテリーは4000mAhの大容量で、ワイヤレス充電にも対応します。バッテリーの急速充電は15WまでのPower Delivery(PD)対応で、18WのACアダプターやバッテリーを買っておけば、短時間で充電できるでしょう。ワイヤレス充電は9Wです。
付属品は盛りだくさん
おサイフケータイのマークがプリントされている
ディスプレイは高解像度だが明るさでiPhoneに及ばず
サムスンは有機ELを自社で製造しており、早くからこだわって搭載してきました。Galaxy Note9にも「Super AMOLED」という有機ELディスプレイを採用しています。
解像度は1440×2960ドットと非常に精細。iPhone XS Maxの2688×1242ドットと比べても上回っています。緻密さを示す1インチあたりのドット数の値は、iPhone XS Maxが458ppiなのに対し516ppiとなっています。現在のスマホの中でも、ずば抜けて緻密できれいなディスプレイなのです。
ただ、明るさはiPhone XS Maxに及ばないのが残念でなりません。実際に最高輝度で使い続けることは多くありませんが、明るい日中の見やすさが違います。また、暗いシーンが多い映画を観る時にも美しさで差が付きます。
Galaxy Note 9は切り欠きがないディスプレイなので、見た目にスッキリしています。そのぶん本体はiPhone XS Maxより縦に長くなる点が、好みの分かれるところです。また、左右が彎曲したディスプレイは、スペック上のサイズよりも見た目は小さく感じます。
チップの性能は文句なしで、メモリも6GB搭載しています。ヘビーなゲームも余裕で楽しめるのは嬉しい限りです。ただし、ライバルとなるモデルはほぼ同様のスペックなので大きな差が付くわけではありません。
右のiPhone XS Maxのほうが明るい
左:Galaxy Note9、右:iPhone XS Max。斜めから見ても明るさがわかりにくいのは有機ELの特徴
性能は大満足だが、ライバルに比べて秀でているわけではない
Sペンはオリジナル機能でライバル不在
Galaxy Note 9の最大の特徴は、「Sペン」が付属することでしょう。本体に内蔵できるコンパクトなペンは、電磁誘導方式で非常に書き味がよく、緻密な文字も気持ちよく書けます。ペンのデザインも大きく変わり、カラフルになりました。本体がブルーのモデルはペンが黄色です。画面オフメモの文字も黒地に黄色へと変わりました。ペン好きな人にはとても嬉しいポイントです。
そもそも純正のペンが付いているスマホは、他にはほとんど見当たらないのでライバルはいません。機能はどんどん進化しており、メモやノートを書くだけではなく、リモコン代わりにカメラをコントロールできるようになりました。ペンのボタンを長押しするとカメラを起動し、シャッターを切れます。また、PowerPointや音楽のコントロールも可能です。
Sペンは本体に内蔵できる
ペンのデザインも斬新に変わり、とても目立つようになった
画面オフメモのペンの色がペンと同じカラーに
ペンの設定項目も非常に多い
ボタンの操作もカスタマイズできる
カメラはiPhone XS Maxとほぼ引き分け
Galaxy Note9のカメラは、1200万画素のデュアルカメラです。暗い場所ではF1.5、明るい場所ではF2.4に自動で切り替わり、美しく撮影できるのが特徴。2つ目のレンズは望遠としています。今回もiPhone XS Maxと比較してみましたが、全体的な印象としては引き分けと言ったところです。どちらも満足でき、普通の感覚で比較して大きな差は感じません。
普通に撮った公園の写真では、Galaxy Note9がやや明るすぎて背景が白飛びしています。このほかはさほど違いがなく、好みの差といっていいでしょう。背景をぼかす機能もどちらも美しく処理できました。カメラの画質で購入を決めるほどの差ははっきり言ってない、と考えたほうがよいでしょう。
通常撮影

Galaxy Note9は背景の空が白飛びしているほか、全体にやや明るい
近接撮影

花をアップで撮影した。どちらも文句なしの美しさで、ぼけ具合も素晴らしい
暗所撮影

やや暗い部屋で撮影。実際の色合いに近いのはiPhone XS Maxだが、好みの差と言ったところ
背景ぼかし

両モデルとも、ぼけ具合の調整ができるので好みに仕上げられる
まとめ
Galaxy Note9は非常に魅力的なモデルです。最大の特徴はSペンで、これに魅力を感じるならライバルはいません。しかし、他のポイントはライバルとさほど違いはありません。10万円を超えるスマートフォンは多くのモデルの完成度が高く、差がなくなっているのです。
少し前までGalaxy NoteやGalaxy Sシリーズは、有機ELディスプレイが美しいという大きなアドバンテージがありました。ところが今や、上位モデルはほぼすべてが有機ELを搭載しています。また、Galaxy Note9の大画面という魅力もやや薄れてきています。多くのモデルが大画面になったからです。
もちろんGalaxy Note9は素晴らしい完成度で、購入しても大満足できるはずです。ライバルが近づいているというのが実情でしょう。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部