スマートフォンの実質負担金と料金プランの仕組み—docomo、au、SoftBank

スマートフォンの実質負担金と料金プランの仕組み—docomo、au、SoftBank

スマートフォンを購入する際、誰もが少しでも安く買いたいと思うだろう。だが、端末を大幅な安値で購入することは、キャリアのポイントで割り引く場合を除いて困難だ。

ただし、通信料を含む「月々の利用料金」に割引を適用させることで、負担を大幅に減らすことは可能だ。端末と条件次第では、端末購入価格と同じ金額を割り引くこともできる。

しかし、「割引」に関する仕組みが複雑で分かりにくい。そこで、大手3キャリアの仕組みについて解説する。

スマートフォンの「実質負担金」とは

店頭でスマートフォンが販売されている場合、「本体価格」と「実質負担金(額)」という表記が記載されている。ときには「実質0円」と大きくアピールされていることもあり、本体価格との違いが分からず戸惑う人もいるだろう。

「本体価格」とは、文字通りスマートフォンの価格のこと。「実質負担金」とは、「本体価格(販売価格)」から「最大割引時の総額」を引いた金額のことを言う。

ただし、ドコモオンラインショップのように、「本体価格(販売価格)」に「頭金」を合わせた「割引前価格」から「最大割引時の総額」を引き、「実質負担金」を計算するパターンもある。

一方で、auのオンラインショップでは、「頭金」を入れずに「実質負担金」を計算している。

「頭金」については、「頭金とは」で後述する。

「実質負担金」の計算方法

「実質負担金」について、実際の価格に当てはめて解説する。

例えば、「本体価格(販売価格)」が68,670円で、一定の条件を満たした場合の「月々の割引額」が1680円で、最大で割引が2年間継続するケース。このとき、「最大割引時の総額」は「1,680 円×24回」で40,320円となる。

「本体価格(販売価格)」である68,670円から「最大割引時の総額」である40,320円を引くと、28,350円。この28,350円という金額が「実質負担金」だ。

つまり「実質負担金」とは、様々な条件をクリアした場合の割引総額(2年分)がどれだけお得かをイメージしやすいよう、端末の本体価格から引いて表現された価格を表す。実際は、通信料を含む「毎月の利用料金」に割引が適用されるシステムで、端末の本体価格そのものが安くなるのではない。

実質0円の仕組み

「実質0円」とは、「実質負担金が0円」という意味だ。例として、auで「iPhone5(16GB版)」を購入するケースを取り上げる。

auの「iPhone5(16GB版)」の「本体価格(販売価格)」は、61,680円。一定の条件を満たした場合の「月々の割引額」は2,570円。

割引期間は2年間(24カ月)。月々の支払い額「2,570円」x24で、2年間の割引総額61,680円になる。

よって、「iPhone5(16GB版)」の「本体価格(販売価格)」は「割引総額」によって相殺され、0円になる。

「機種代金、実質0円から。」というキャッチコピーは、このような計算から成り立っている。

実際は端末価格そのものが安くなるわけではないが、割引適用により、支払う金額は端末を安く購入したことと同じような金額になる。このような仕組みを分かりやすくユーザーに伝えるために、「実質負担金」という言葉が生まれたのではないだろうか。

ドコモの「月々サポート」とは

月々サポート

ドコモでは、「機種ごとに設定した一定額」を「毎月の利用料金から割引く」サービスを「月々サポート」と名付けている。割引適用期間は最大で2年間(24カ月)。

ドコモの実質負担金は、「本体価格(販売価格)」-「月々サポート(最大割引時)」という計算式によって導き出される。

スマートフォン購入時に「月々サポート」のサービスを受けるには、「対象の料金プラン」と「対象のパケット定額サービス」に申し込む必要がある。そこで、通話とパケット通信の両方を利用することを前提として、サービス適用対象となるプランとサービスを紹介する。

ドコモ「月々サポート」割引額、スマートフォン本体価格 一覧

「月々サポート」対象の料金プラン

「Xi」の場合は、「タイプ Xi」か「タイプ Xi にねん」の加入が必要。

「FOMA」の場合は、「タイプ SS バリュー」「タイプ S バリュー」「タイプ M バリュー」「タイプ L バリュー」「タイプ LL バリュー」「タイプ シングル バリュー」「タイプ リミット バリュー」「タイプ ビジネス バリュー」のうち、一つのプランへの加入が必要。

「月々サポート」対象のパケット定額サービス

「Xi」の場合は、「Xi パケ・ホーダイ フラット」「Xi パケ・ホーダイ ダブル」「Xi パケ・ホーダイ ライト」のうち、一つのプランへの加入が必要。

「FOMA」の場合は、「パケ・ホーダイ フラット」「パケ・ホーダイ ダブル 2」「らくらく パケ・ホーダイ」のうち、一つのプランへの加入が必要。

契約上の注意事項

「FOMA」契約の場合は、「FOMAサービス」のみ対応している対象端末を購入した場合に、「月々サポート」適用になる。「Xi」対応の端末を購入して「FOMA」契約にした場合は適用されない。

同様に「Xi」契約の場合は、「Xi」サービス対応の対象端末を購入した場合に、「月々サポート」対象になる。

また、「月々サポート」の適用となった「FOMA」または「Xi」契約であっても、「機種変更」や「『FOMA』から『Xi』、『Xi』から『FOMA』への契約変更」、「解約」等を行った場合は、当該月以降の利用料金には「月々サポート」が適用されない。

auの「毎月割」とは

毎月割

後日、執筆予定。

au「毎月割」割引額、スマートフォン本体価格 一覧

SoftBankの「月月割」とは

月月割

後日、執筆予定。

SoftBank「月月割」割引額、スマートフォン本体価格 一覧

頭金とは

頭金

最後に、店頭で支払う「頭金」について。

スマートフォンの本体価格とは別に店舗に支払う手数料のようなもので、店によって支払う金額は様々。

ドコモオンラインショップの場合は、頭金は3,150円。店舗によっては、指定するキャリアのサービスに加入することで、頭金の割引を行う場合もある。例えば、ドコモの「VIDEOストア」加入で500円引、頭金は2,625円といったように。同じ地域のドコモショップでも店舗によって金額が変わってくるので、端末購入前に調べたほうがよさそうだ。

「頭金」の捉え方は様々

頭金については、考え方次第でいろいろな解釈ができる。「頭金0円」以外にも、店舗を選ぶ判断材料は様々あるだろう。

例えば、頭金が少し高い店舗では、スタッフの人数が多かったり、店舗が広かったりする場合もある。また、立地条件がよい場合もある。

一方で、頭金が安くても、人気の店舗や小規模の店舗では、新端末の発売日には顧客が殺到し、手続きの待ち時間が長くなることも考えられる。端末を予約していても、手続きの順番が回ってくるまで苦労することもある。スムーズにスマホを入手するなら、頭金が高めでもサービス料だと捉えて空いている店舗を選ぶ。そんな考えも、一つだろう。

上記のように各店舗の違いは「頭金」で主に生じるので、スマホを購入する際にチェックし、納得できる店舗選びをしていただければと思う。

AQUOS PHONE ZETA SH-02E

ちなみに、ドコモの契約申込書の「商品価格(税込)」には、「頭金」が含まれている。ある店舗で「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」を購入したところ、商品価格は83,790円だった。本体価格は80,640円なので、「頭金」の3,150円が含まれている。繰り返すが、「頭金」は店舗によって異なるので、スマホの「商品価格」に違いが生じる。分かりにくいとされる要因の一つといえる。

「支払う金額」という面で情報を整理すると、スマートフォンを購入する際にかかる費用は、「本体価格」と「頭金(店舗によって異なる)」。本体価格は一括または分割で支払うことが可能。そして、「月々の利用料金」に割引を適用させることで、場合によっては本体価格に近い金額を割り引くことができる。