筋肉や脂肪、骨など、体を構成する組織の割合を推定して表示するのが「体組成計」です。見た目は体重計と似ていますが、調べられる範囲が広いのです。
体重だけでなく、体脂肪率や皮下脂肪・内臓脂肪など脂肪内容や筋肉率などを測定することで、自分の体の状態を確認することができます。そのため、肥満の予防や改善をはじめ、健康管理に便利なアイテムです。
今回は毎日の測定記録に役立つ「スマートフォンに対応した体組成計」の売れ筋を、ヨドバシカメラ 新宿西口本店・エステ部門担当の加藤尊さんに聞きました。
表示価格はすべて2017年9月8日時点のものです。
スマホ対応体組成計の今
さまざまなメーカーから体組成計が販売されており、スマホ対応のものは全体の3〜4割程度ですが、年々数が増えてきています。そして、以前はAndroid端末対応の製品しかありませんでしたが、iPhoneユーザーでも使えるiOS対応のものも多く登場するようになりました。
「スマホ対応の体組成計のよさは、スマホに専用のアプリをダウンロードして通信することで、簡単に測定結果を記録できるところです。スマホ非対応の体組成計は前回の測定結果しか見ることができないため、毎回メモする必要があります。しかしスマホ対応のものは、専用のアプリやiPhoneの“ヘルスケア”と連動することで1カ月ごとにグラフ管理できるため、ダイエットや健康管理のモチベーションが上がります」(加藤さん)
体組成計の種類
「両足測定タイプ」と「両手両足測定タイプ」
体組成計は、大きく分けると「両足測定タイプ」と「両手両足測定タイプ」の2種類があります。
両足測定タイプ
「両足測定タイプ」は、体組成計に乗るだけで簡単に測定できるタイプです。体内の水分量によって体脂肪率などの数値が変動する日内変動の影響を受けやすいため、毎日同じ時間帯で測る必要があります。
両手両足測定タイプ
「両手両足測定タイプ」は、体組成計の上部についているグリップを持ち上げて測定します。グリップには電流が流れており、両手と両足を結んで全身に微弱電流を流して測ります。体型の違いや、日内変動の影響を受けにくいという特長があり、全身の体組成だけでなく、両腕・両脚・体幹など、体の部位ごとにチェック可能です。
人気のメーカーとその特徴
スマホ対応体組成計の人気メーカーは、タニタ、オムロン、パナソニック、エレコム、NOKIAの5社です。それぞれのメーカーの特徴を簡単に説明します。
タニタ
昔からある日本のメーカーなので安心感があり、幅広い年齢層に支持されています。医療機器を専門にしている会社なので、測定数値が正確です。
オムロン
昔から知名度の高い日本のメーカーで、幅広い年齢層に親しまれています。骨格筋率や内臓脂肪レベルなど、さまざまな体組成を測定できるほか、スマートフォンやパソコンでもデータの管理ができます。
パナソニック
他のメーカーは年によって製品モデルを変えますが、パナソニックはモデルチェンジをしないため、末永く使えます。価格も手ごろです。
エレコム
MRI測定データに基づき、脂肪面積や内臓脂肪などを算出してくれるユニークな製品があります。エレコムはスマートフォンやパソコン周辺機器専門のメーカーですが、ヘルスケア分野への進出は注目に値します。
NOKIA
NOKIAは元々フィンランドの携帯電話端末メーカーでしたが、フランスのWithingsという企業が買収し、デジタル・ヘルスケアに参入するようになりました。デザインがシンプルでスタイリッシュなため、コアなファンが多いそうです。
選び方のポイント
「『数値が正確なのはどれですか?』と聞かれることが多々あります。計測値の正確性はもちろんですが、『何を知りたいか』のほうが大切です。体内の水分量や体脂肪率などは基本的にどの製品でも測定できるので、体の部位ごとに細かく数値を出したいのか、最低限のことがわかればいいのかによって選び方が違ってきます。5,000円台のものもあれば50,000円近くする商品もあるので、自分の用途に合ったものを選ぶようにしましょう」(加藤さん)
Android・iOS両方対応の体組成計が増えてきましたが、中にはAndroidのみ対応の製品もあるので、注意してください。
スマホ対応の体組成計・売れ筋ランキング
それではお待たせしました。ここからは、売れ筋ランキングを紹介します。
1位:デュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル RD-800(タニタ)
「両手両足測定タイプ」の体組成計で、グリップを握ることで左腕・右腕・左脚・右脚・体幹部の体脂肪率や筋肉量を測定し、筋肉の質などを点数化して表示します。この筋質点数を測定できるのは、タニタだけです。
「脈拍測定機能」もあり、専用のアプリである「ヘルスプラネット」を使うと、体組成計で測定した平常時の脈拍から「運動時目標脈拍数」を自動的に計算し、心肺能力に合わせたトレーニングを考えることができます。筋肉をつけたい人やアスリートにおすすめです。
- メーカー: タニタ
- 型番:RD-800
- 製品寸法:幅320mm×高さ57mm×奥行348mm
- 製品重量:約2.8kg(乾電池含む)
- 通信機能:Bluetooth version 4.0(Low Energy support)
- 対応機種:iPhone、Androidスマートフォン
- 価格(ヨドバシ・ドット・コム):50,460円(税込)
2位:デュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル RD-907(タニタ)
筋肉の量だけでなく質(状態)を分析し、点数化する「筋質点数」の測定機能を搭載しています。医療分野や研究施設で使われるデュアル周波数2つの周波数で体組成を測定するため、正確な測定ができます。
ダイエットや健康維持目的はもちろん、筋肉をつけたい人まで幅広い層に支持を得ているそうです。
- メーカー:タニタ
- 型番:RD-907
- 製品寸法:幅328mm×高さ32mm×奥行298mm
- 製品重量:約2.1kg(乾電池含む)
- 通信機能:Bluetooth version 4.0(Low Energy support)
- 対応機種:iPhone、Androidスマートフォン
- 価格(ヨドバシ・ドット・コム):20,060円(税込)
3位:デュアルタイプ体組成計 インナースキャンデュアル RD-906(タニタ)
2位として紹介した「RD-907」とほとんど性能は同じですが、基礎代謝の測定機能がありません。価格が5,000円程度違うので、測定値を正確に把握したいけれども価格はおさえたい、という人にはよいでしょう。
カラーはブラック、レッド、ホワイトの3種類から選択できます。
- メーカー: タニタ
- 型番:RD-906
- 製品寸法:幅328mm×高さ31mm×奥行298mm
- 製品重量:約2.1kg(乾電池含む)
- 通信機能:Bluetooth version 4.0(Low Energy support)
- 対応機種:iPhone、Androidスマートフォン
- 価格(ヨドバシ・ドット・コム):14,390円(税込)
4位:体重体組成計 HBF-255T カラダスキャン(オムロン)
専用アプリの「OMRON connect」でデータ管理ができ、iPhoneのヘルスケアと連動することもできます。
デザインや操作方法がシンプルなので、幅広い年齢層に需要があります。
- メーカー: オムロン
- 型番:HBF-255T
- 製品寸法:幅327mm×高さ30mm×奥行249mm
- 製品重量: 約1.7kg(電池含む)
- 通信機能:Bluetooth通信
- 対応機種:iPhone、Androidスマートフォン
- 価格(ヨドバシ・ドット・コム):12,560円(税込)
5位:体組成バランス計 EW-FA43 (パナソニック)
スマートフォンを体組成計にタッチするだけで、体重や体脂肪率などの測定値を記録し、グラフ化します。
体感バランスを測定するというユニークな機能があり、18~80歳でバランス年齢を算出してくれます。
- メーカー:パナソニック
- 型番:EW-FA43
- 製品寸法:幅250mm×高さ26mm×奥行250mm
- 製品重量:約1.3kg(乾電池除く)
- 通信機能:Wi-Fi
- 対応機種:おサイフケータイ対応Androidスマートフォン
- 価格(ヨドバシ・ドット・コム):7,300円(税込)
構成・文:吉成早紀
編集:アプリオ編集部
取材協力:ヨドバシカメラ 新宿西口本店