「AQUOS sense10」レビュー

「AQUOS sense10」レビュー、5万円台で買える人気モデルの実力は?

スマホ初心者にもおすすめ

AQUOS senseシリーズは、大人気のスタンダードなAndroidスマートフォンです。突出したパフォーマンスなどは望めませんが、手ごろな価格でバランスの良い機能・性能が魅力で、購入を検討している人もいるでしょう。

今回は2025年11月に発売された新モデル「AQUOS sense10」をレビューします。楽天モバイルを含む4キャリアのほかIIJmio、SIMフリーと販路が多いので、手に取りやすいはずです。

本体サイズは前モデルと同じ、画面はとても美しい

本体カラーは7種類。今回はカーキグリーンをレビュー

本体カラーは7種類。今回はカーキグリーンをレビュー

AQUOS sense10のデザインは前モデルのAQUOS sense9とほぼ変わりません。重量やサイズも変わっていないので、変更点は少ないと思われます。実機を並べて比べることができませんでしたが、写真を見る限りではカラー以外の違いは少ないと思われます。

落ちついたデザインの本体は、全部で7色が選べます。本体カラーに応じて、カメラの周囲の部分も色が変わります。フルブラックやライトシルバーは本体と同色で、今回レビューするカーキグリーンとデニムネイビーは異なるカラーでの組み合わせです。

画面はややフチが太いものの、十分なクオリティだ

画面はややフチが太いものの、十分なクオリティだ

ディスプレイは、旧モデル同様の6.1インチのPro IGZO OLEDを採用しています。解像度は1080×2340ドットです。最大輝度は1500nitで、ピーク輝度は2000nitと明るく、日中の屋外で撮影しても画面がとても見やすくなります。

また画質も上々で、1〜240Hzの可変リフレッシュレートを採用し、快適に利用できます。素晴らしいディスプレイなのですが、額縁の太さはやや気になります。ここは10万円を超えるような上位モデルとの差になる部分と言えそうです。

重量も軽く、使い勝手は文句なし

重量は165gとかなり軽い

重量は165gとかなり軽い

画面サイズが6.1インチと最近のスマホとしてはなかなかコンパクトです。本体サイズも149mm×73mm×8.9mmと小さめなので、持ちやすさは上々です。さらに、重量はカタログ値で166gとかなり軽くなります。

このバランスの良いサイズと軽さが魅力の一つです。そのうえで防水・防塵にも対応し、ハンドソープによる洗浄、アルコール除菌シートの利用が可能です。末永く安心して使えるスマホとして良い選択肢になるでしょう。なお、おサイフケータイには当然ながら対応しています。

SIMトレイはツメを引っかけて取り出せる

SIMトレイはツメを引っかけて取り出せる

日本メーカーのモデルらしい配慮が、SIMのトレイがピンなしで外せることです。くぼみにツメなどを引っかけて引き出すことが可能です。

SIMはnanoSIM+eSIMのデュアルSIMに対応しています。また、最大2TBのmicroSDカードも利用可能です。

USB Type-C端子は本体下部に付いている。なお、ディスプレイ出力にも対応する

USB Type-C端子は本体下部に付いている。なお、ディスプレイ出力にも対応する

性能は上々で普段使いには十分

性能は中の上といったところ。前モデルより進化している

性能は中の上といったところ。前モデルより進化している

AQUOS sense10のチップはSnapdragon 7s Gen 3です。前モデルのAQUOS sense9はSnapdragon 7s Gen 2だったので、1世代新しくなっています。もちろん、性能も順当に向上しています。

簡単に言ってしまうと、パフォーマンスは中の上くらいです。ヘビーなゲームをすると画質は落ちるかもしれませんがプレイはできるでしょう。ウェブブラウジングや動画視聴、SNSのような一般的な用途にはストレスは感じません。

ただ、スマホを3〜4年使いたい人は、この性能をよく把握しておいたほうがいいでしょう。普段使いには問題なくても、ヘビーなゲームでは1〜2年後から厳しくなる可能性があります。

AQUOSシリーズらしい親切な解説も引き続き用意されており、初心者やスマホに詳しくない人にも優しい

AQUOSシリーズらしい親切な解説も引き続き用意されており、初心者やスマホに詳しくない人にも優しい

このように機能の違いなども親切に説明してくれる

このように機能の違いなども親切に説明してくれる

AQUOS sense10には、メモリ6GB(仮想追加で6GB)+ストレージ128GBのモデルと、メモリ8GB(仮想追加で8GB)+ストレージ256GBのモデルの2種類があります。メモリには大きな差を感じないかもしれませんが、ストレージが128GBだと動画をたくさん撮影する人は厳しい可能性があります。いま使っているスマホのストレージを確認し、必要な容量を把握してから購入してください。

バッテリー容量は一般的な5000mAhです。十分に長持ちしますし、設定と使い方次第では2日利用できます。とはいえ、最近はスマホでも7000mAhの大容量モデルが登場しているので、以前のようにライバルと比べて大幅に秀でているとは言えなくなってきました。

カメラはデュアル構成、マクロ撮影に優れる

カメラはメインカメラと超広角の2つ

カメラはメインカメラと超広角の2つ

カメラは、5030万画素のメインカメラと、同じく5030万画素の超広角の2つになります。光学ズームは搭載されていませんが、スナップ写真を撮るには十分でしょう。

実際に撮影してみましたが、画質は上々でした。驚いたのはマクロのきれいさで、被写体に近寄るだけで自動的にマクロモードに切り替わるオートマクロを採用しています。

標準カメラ

標準カメラは十分に美しい

標準カメラは十分に美しい

超広角

超広角もゆがみが少なく、空もかなりきれいに撮れている

超広角もゆがみが少なく、空もかなりきれいに撮れている

2倍ズーム

2倍の撮影もデジタルズームとは思えない美しさ

2倍の撮影もデジタルズームとは思えない美しさ

マクロ

マクロは非常に美しく、被写体に近寄ると自動でマクロモードに切り替わる

マクロは非常に美しく、被写体に近寄ると自動でマクロモードに切り替わる

ポートレート

ポートレート撮影は最強にすると少し不自然にボケてしまった

ポートレート撮影は最強にすると少し不自然にボケてしまった

動画

動画は4K30フレームまで。美しいが60フレームで撮れないのは残念だ

カメラのAI機能が素晴らしい

AQUOS sense10のカメラにはAI機能がいくつか搭載されています。その中から、今回は注目の2つを紹介します。

ガラスの反射軽減機能

加工後

ガラスの反射軽減機能は、ガラス越しの撮影でありがちな映り込みを処理して、気にならなくします。実際に試してみましたが、これは確かに効果的でした。

テキストの影除去機能

加工後

また、テキストの影除去では、書類を撮影する際に自動で被写体を認識して、よくありがちな自分の影を気にならないように処理します。こちらもよくできた機能です。さらに、料理の写真でも同じように影を除去できます。処理のスピードも早く、快適に利用できました。

まとめ:スマホ初心者にもおすすめのバランスの取れた一台

AQUOS sense10は、スタンダードなスマホとして魅力的なモデルです。気になる価格は、販売店によって大きく異なりますが、楽天モバイルなら、一括払いで5万9900円となかなか手ごろです。さらに、キャンペーンなどでお得に購入できます。自身のキャリアでの価格と併せて調べてみてください。

スマホは20万円を超える超上位モデル、15万円程度の上位モデル、7〜10万円程度の中級モデルなどがあります。Snapdragon 7s Gen 3搭載のAQUOS sense10は、中級モデルとして魅力的な1台です。性能が低すぎないので、パフォーマンスが低くてイライラすることも少ないはず。初心者向けの無難な選択としてもおすすめです。

構成・文
戸田 覚
編集
アプリオ編集部
EDITED BY
MATSUBA