第3回となる今回は、Android2.2環境におけるブラウザの処理速度の比較を行った。
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ブラウザ速度検証方法
今回は、Android2.2環境下におけるJavaScript処理速度に関する比較検証を行う(前回はAndroid2.1環境下における検証)。なお、標準ブラウザはAndroid2.2に標準搭載されているものになる。
検証端末は、Galaxy Tab(Android 2.2)を用いている。また、各ブラウザで最初の速度検証を行う前に、Advanced Task Killerを用いて他のアプリは終了し、キャッシュもクリアしている。
テストは、Wi-Fi接続環境下で5回実施し、うち中間の3つの値の平均値を算出する。なお、異常値が出た場合は無視し、再テストしている。測定は、JavaScript処理のベンチマーク「SunSpider JavaScript Benchmark 0.9.1」を利用している。
なお、各ブラウザは、2011年3月2日時点の最新バージョンを使用している。
JavaScript処理速度 比較結果
はじめに、前回同様、対象となっているブラウザのうち、FirefoxとOpera miniについてはベンチマークが正しく終了することができなかったため、今回はデータ無しとなっている。また、Opera mobileについては、ベンチマーク測定は可能であったが、得られた値が極端に遅く、体感速度に対して正常値ではないと判断し、データ無しとした。あらかじめご了承いただきたい。
Dolphin系強し。Android2.1から差は縮小
結果は、Dolphin Browser HD(ドルフィンHD)が最速となった。Xperiaでの測定でもドルフィンシリーズは好結果を残したが、今回は上位を独占した。スコアで6000を切ったのはドルフィンシリーズのみで、頭ひとつ抜け出した格好だ。また、前回はドルフィンminiが1位だったが、今回は3位に後退。代わってドルフィンHDがトップとなった。
今回の測定で顕著だったのは、ブラウザ間の差が大きく縮まったという点だろう。Xperiaでの測定では、ブラウザによってそれなりの差がでていたが、端末の処理性能の向上によって、ボトルネックが部分的に解消したためと思われる。
スコアが6000台前半の好成績を残したブラウザは、速かった順に「Miren」「xScope」「ガラパゴス」「ネットフロント」「ボート」となっている。ネットフロントは前回から大きく躍進し、上位に食い込んできた。このあたりのブラウザは実際に使用してみても、速度という点ではDolphinシリーズと大差ないと感じた。
今回の最速ブラウザ
Dolphin Browser HD
- ジャンル:ツール(ブラウザ)
- 価格:無料
- 言語:日本語
- Androidマーケットの評価数:57176(2011年3月2日現在)
- Androidマーケットの評価:4.5(2011年3月2日現在)
- レビュー時のバージョン:4.4.1
- デベロッパー:Dolphin Browser
Appllio注目ブラウザ
Miren Browser
- ジャンル:ツール(ブラウザ)
- 価格:無料
- 言語:英語
- Androidマーケットの評価数:7283(2011年3月2日現在)
- Androidマーケットの評価:4.5(2011年3月2日現在)
- レビュー時のバージョン:1.2
- デベロッパー:miren browser
Appllioメモ
使い勝手から選ぶ時代に?
今回は、Android2.2環境下での、総合的なJavaScriptの処理速度に着目して比較を行った。
繰り返しになるが、今回の測定によってブラウザ間の差が大きく縮まっていることが判明した。端末の性能が向上したことにより、ブラウザのチューニングを極めなくとも好スコアを出すことができるようになったのだろう。ベースとなっているブラウザが大きく変わらない限り、この傾向はより顕著になっていくものと推測される。
よって、2010年の秋以降に発売された端末あたりからは、Boat Browserまでの上位ブラウザの中から自分が使いやすいと感じるブラウザを利用するのがいいのではないだろうか。