有料の動画配信サービス利用者が1160万人に急伸、最も人気が集まったのは?

ICT総研が「2016年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」の結果について概要をまとめています。

定額制の動画見放題サービスが牽引

それによれば、2016年末の有料動画配信サービス利用者は1160万人となる見込みで、このうち890万人が定額制動画配信(見放題)サービスの利用者です。

2015年末の有料動画配信サービス利用者は980万人(定額見放題サービス利用者は640万人)であり、1本当たり数百円程度で視聴するペイパービュー(PPV)サービス利用者は縮小しているにもかかわらず、全体で約20%増(見放題だけでみれば約40%増)の伸びをみせています。

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出典:ICT総研

かつて有料動画サービスの多くはPPV方式が中心でしたが、近年はAmazonプライム・ビデオやNetflixなどの国内参入もあり、膨大な数の動画を月額1000円前後で楽しめる定額制動画配信サービスの利用者が急増しています。ICT総研では、2019年には定額制サービス利用者だけで1500万人を突破すると予測しています。

人気の動画配信サービスは?

また調査では、有料動画ユーザーに対して主に使っている動画サービス名を尋ねたところ、45%が「Amazonプライム・ビデオ」を利用していると回答。年額3900円(税込)のみでアマゾンの配送料無料や音楽聴き放題のPrime Musicなど様々なサービスが使える点でコストパフォーマンスが高いと認識され、利用者拡大につながっていると分析されています。

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出典:ICT総研

次にユーザー数が多かったのが「Hulu」で、27%が利用していると回答しています。月額933円(税別)ですが、ハリウッド映画など海外コンテンツが豊富なことで評価されているほか、日本テレビ子会社が運営しており、国内テレビ局が提供するコンテンツなどが充実してきています。

このほか3位にヤフー系の「GYAO!」(16%)、4位にNTTドコモとエイベックスが提供する「dTV」(15%)、以下「楽天SHOWTIME」や「auビデオパス」などが続いています。

どれがいい? 定額制の動画配信(見放題)サービスの比較と選び方

よく視聴されているコンテンツ

有料の動画配信サービスで利用されている主なコンテンツについては、映画(洋画)が66%と最も多く、次いで映画(邦画)が58%、海外ドラマが45%、アニメが42%、国内ドラマが40%となりました。

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出典:ICT総研

また、音楽ビデオは21%、趣味・エンタメが20%、ドキュメンタリーが18%と映画・ドラマに比べて少ないものの、これらのコンテンツはコアなファン層に視聴される傾向があり、動画配信サービスには欠かせない素材だとしています。

自分に適したコンテンツ利用を目的として動画配信サービスを選択するユーザーも少なくないため、今後は映画・ドラマ・アニメ・音楽・スポーツなど多様なコンテンツを揃える事業者が優位に立つと見込まれています。

ちなみに2016年9月、お目当ての作品がどの動画配信サービスで見られるか横断的に検索できる「JustWatch」が国内向けにも登場。HuluやdTV、Netflix、U-NEXT、Amazonプライムビデオなどが対象で、新作や人気作品を一覧で見たり、公開年やジャンル、画質などの条件で絞り込んで検索もおこなえます。