『ドラえもん』にたびたび登場する"ほんやくコンニャク"は、食べるだけで自動的に他言語を自国語に翻訳して聞き取ることができ、逆に自国語を話せば他言語に翻訳される未来のひみつ道具。今日、「Google翻訳」アプリがアップデートされ、夢のひみつ道具に再び一歩近づきました。インスタント翻訳の対応言語が27言語に大幅に拡大されたからです。
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インスタント翻訳機能は、既に買収していた翻訳アプリ「Word Lens」の技術を活用したリアルタイム翻訳で、2015年初めにGoogle翻訳アプリに実装されました。同機能は、スマホカメラを文字に向けてかざすだけで即座に翻訳し、翻訳前のテキストを翻訳後の言語に置き換えて表示してくれるもの。百聞は一見にしかず、冒頭のアニメーションGIF画像を見れば、このインスタント翻訳の素晴らしさが理解できるでしょう。
本機能の実装時の対応言語は7言語で、英語とフランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語との間の翻訳に限定されていました。今回のアップデートでは、新たに20言語に対応。従来の約4倍の27言語でインスタント翻訳を利用できるようになりました。
具体的には、英語との双方向でインスタント翻訳が可能となったのが18言語(ブルガリア語、カタルーニャ語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、フィリピン語、フィンランド語、ハンガリー語、インドネシア語、リトアニア語、ノルウェー語、ポーランド語、ルーマニア語、スロバキア語、スウェーデン語、トルコ語、ウクライナ語)。加えて、英語からの一方通行のインスタント翻訳にヒンディー語とタイ語の2言語が対応しました。
日本語に未対応であることは残念。しかし、義務教育で学習済みの英語をある程度理解できていれば、話者人口20億人を超える言語のテキストをスマホをかざすだけで瞬時に翻訳し、理解できるようになったことを今回のアップデートは意味しています。また、中国語とアラビア語、ベンガル語、そして日本語に対応すれば、1億人以上の話者人口を抱える言語を網羅することになります。
Googleは今後も、翻訳コミュニティの助力を得ながら、翻訳品質の向上と対応言語数の増加に努めていくとしています。