岩明均の隠れた名作を実写化『七夕の国』はディズニープラスで配信中

岩明均の隠れた名作を実写化、『七夕の国』はディズニープラスで配信中

日常を「エグる」事件の謎が導く衝撃の答えとは

漫画家・岩明均の代表作と言えば『寄生獣』です。この作品は日本だけでなく海外でも高い評価を受けており、Netflixが韓国でドラマ化するなど、近年も話題となっています。そして、90年代に連載された『七夕の国』も隠れた名作の一つ。現在ディズニープラスでは、この『七夕の国』が実写ドラマ化され、独占配信されています。

どんなものにも小さな穴をあける超能力を持つ主人公が、その力の秘密に触れ、大きな陰謀に巻き込まれていく超常ミステリー。最新のVFX技術を駆使し、スケールの大きなストーリーと迫力ある映像が楽しめます。

『七夕の国』を見る(ディズニープラスで配信中)

超能力をめぐる謎と複雑に絡む事件の真相

大学生の南丸洋二は、あらゆるものに小さな穴をあけられる特殊な力を持っています。しかし、それは役に立つようなものでもなく、就職活動に有利になるわけでもありません。そんな超能力を持っていること以外ごく平凡な彼は、自分の進むべき道を見つけられないでいます。

ある日、大学教授の丸神正美から呼び出された南丸ですが、教授は不在。かわりに研究室のメンバーと話をしていると、丸神教授も南丸と同じ能力を持っている可能性があること、そして、教授が祖先のルーツである丸神の里に調査に行ったきり戻ってこないことを知るのです。

南丸は自分の能力が何なのかを知りたくなり、研究室の面々と教授を探しに丸神の里に向かいます。そこは閉鎖的な地方の町で、人々は丸神教授について何も知らないと言いますが、何かを隠している様子。そして、南丸の祖先がこの地の出身であることがわかると、突然の接待ムードになるなど、不気味な反応が続きます。

時を同じくして、町では奇妙な殺人事件が発生します。遺体の一部が丸型にくり抜かれ、凶器の判定は困難を極めていました。そんな中、南丸たちはこの町に、代々特別な力を持った人間「手が届くもの」がいることを知るのですが……。

物語の鍵となるのは2つの謎です。1つは丸神教授失踪の謎。教授が向かった丸神の里では6月に七夕祭りをおこなう不思議な風習があり、南丸たちはそこで、とあるものを発見します。もう1つは「手が届くもの」の存在。一体何人いて、どのような目的で動いているのか。殺人事件を起こした者は誰なのか。謎が謎を呼び、手に汗握るストーリーが展開します。

細田佳央太が演じる平凡さに見る説得力

主人公の南丸は、たいして役に立たない超能力だけを自分の心のよりどころにしている面があります。就職活動も上手くいかず、自分の存在意義を感じられないでいるところに、能力を覚醒させてくれる存在と出会い、必要とされることで承認欲求を満たしていくのです。しかし、それが原因で思わぬ事件に巻き込まれてしまう、どこか流されやすくて主体性に欠ける存在です。

南丸を演じる細田佳央太は、その説得力ある演技で存在感を発揮しています。頼りなさげな雰囲気が役にぴったりで、リアルな大学生像を感じさせます。また、南丸に能力の使い方を伝授する上杉柊平が、その不良的な雰囲気を活かして危険な存在感を放っているのも、物語に良いアクセントを加えています。

ストーリーの鍵を握る丸神教授を演じるのは、影のある男性役が得意な三上博史です。また、教授を慕う江見役の木竜麻生、研究生の濱田龍臣と西畑澪花もいい味を出しています。

さらに、山田孝之が意外な役どころで出演しているのも見どころです。初見では彼だとわからないかもしれませんが、彼でなければ演じられない力強さを放っています。

実力派キャストが集結し、日本の傑作マンガを見事に実写化した本作。手に汗握る展開と大きなスケールは日本のテレビドラマとは一線を画し、多くの人を惹きつける魅力を秘めています。

『七夕の国』を見る(ディズニープラスで配信中)

『七夕の国』のストーリー

『寄生獣』で知られる岩明均の隠れた名作をついに実写化。何にでも穴を開けられる不思議な能力を持った主人公が、謎の怪事件に巻き込まれていく超常ミステリ―。

© 2024 Disney and its related entities

EDITED BY
SORA