AI面接練習アプリ「steach(スティーチ)」とは──実際に使ってわかったメリットとデメリット

完全無料でサービスが使える

「steach(スティーチ)」は、株式会社ジェイックと株式会社エフィシエントが、神奈川県から支援を受けて共同開発したAI面接練習アプリです。

自分が話している映像や声をAIが解析して、話すスピードや声の大きさ、身振り手振りなどについて採点・フィードバックしてくれます。すべて無料で利用できるため、気軽に試せるのもうれしいポイント。本記事では、steachの使い方や実際に体験した感想などを紹介します。

steach(スティーチ)とは

steach
steach

サービスはすべて無料、アプリの画面もわかりやすい

「steach」は独自のAIエンジンを搭載し、ひとりで面接の練習ができるスマホアプリです。すべての機能が無料で提供されています。

神奈川県の支援のもと開発、就活生をバックアップ

steachは、神奈川県が主催するオープンイノベーションプログラム「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」を通じ、株式会社エフィシエントと株式会社ジェイックの2社が、面接練習に苦慮する就活生を支援することを目的に共同開発して誕生しました。神奈川県は、BAKを通じて企業の課題解決や新事業創出を支援しており、steachの開発もその一環です。

横浜市のスタートアップ社会実装推進事業に採択され、横浜市内の学校法人において就職活動をする学生とそれをサポートする学校法人のキャリアセンターにsteachが無償提供され、業務負荷の軽減につながるか実証実験がおこなわれました。

steach独自のAIエンジンを装備

steachの独自AIエンジンである「話し方解析AI」は、2つの強力な解析機能を備えています。

ひとつは「自信解析エンジン」で、ユーザーが面接練習をおこなう際に、その発話から自信の度合いを解析します。この解析をもとに、ユーザーの自信を向上させるための具体的なフィードバックを提供します。

もうひとつは「伝わりやすさのエンジン」で、発話内容から相手にどれだけ伝わりやすいかを評価します。これにより、面接でのパフォーマンスを客観的に改善でき、ユーザーは自分の強みや課題を明確に理解し、効率的にスキルアップできます。

steachの新規登録の手順

ここではsteachを利用するにあたって必要な登録方法の手順を解説します。

アプリをダウンロードする

「利用を開始する」をタップ

[利用を開始する]をタップ

利用規約を読んで「同意する」をタップ

利用規約を読んで[同意する]をタップ

「アカウント作成」をタップ

[アカウント作成]をタップ

steachのアプリをインストールしたら、アカウントを作成して利用登録をしましょう。画面下の[利用を開始する]をタップします。

画面が変わったら利用規約に目を通し、[同意する]をタップして[アカウント作成]に進みます。

アプリ「steach(スティーチ)」をダウンロード

アカウントを作成する

現在の状況、メールアドレス、パスワードなどを入力する

現在の状況、メールアドレス、パスワードなどを入力する

すべて入力したら「作成する」をタップ

すべて入力したら[作成する]をタップ

アカウント作成画面で必要事項を入力します。「現在の状況」は学生、正社員、契約・派遣、その他から、自身の今のステータスを選択します。生年月日やメールアドレス(任意)、パスワードなどを入力したら、[作成する]をタップしましょう。

認証コードを入力してアカウント登録完了

メールアドレスに届いた認証コードを入力し「登録する」をタップ

メールアドレスに届いた認証コードを入力し[登録する]をタップ

アカウントの作成が完了したので「次へ」をタップ

アカウントの作成が完了したので[次へ]をタップ

入力したメールアドレス宛に認証コードが届くので、認証コードを入力して[登録する]をタップします。これで利用登録は完了です。[次へ]をタップするとアプリのホーム画面が表示されます。

steachの各機能の使い方

ここではsteachの各機能の使い方について解説していきます。steachの機能はすべてホーム画面に表示されていて、大きく3項目(事前準備・音声練習・動画練習)のみと非常にシンプルです。一度使い方を覚えれば迷うことなく利用できるはずです。

steachのホーム画面

steachのホーム画面

面接で重要な第一印象をAIが判定

「印象チェック」機能は、スマホのカメラで自分の写真を撮影してアップするだけで、映り方や姿勢を解析できます。背景の明るさや姿勢の良し悪しなどをチェックできるため、選考でオンライン面接や録画面接をする必要がある人は、試してみましょう。

「印象チェック」をタップ

[印象チェック]をタップ

「写真撮影」をタップ

[写真撮影]をタップ

シャッターボタンを押して撮影する

シャッターボタンを押して撮影する

ホーム画面で[印象チェック]をタップし、[写真撮影]をタップします。すると、スマホのインカメラが起動します。シャッターボタンを押して撮影しましょう。

「写真解析結果」をタップ

撮影したら[写真解析結果]をタップ

撮影順で写真の解析結果が並ぶ

撮影順で写真の解析結果が並ぶ

AIによる明るさと姿勢の評価を確認できる

AIによる明るさと姿勢の評価を確認できる

シャッターボタンを押して撮影をすると写真がアップロードされ、[写真解析結果]にAIによる解析結果が一覧で表示されます。

解析結果は「明るさ」と「姿勢」の2項目に分けて、それぞれコメントが表示されます。壁を背景にして証明写真を撮る感覚で撮影したら、どちらもマイナスなコメントはありませんでした。

ただし、何度か撮影をしてみましたが、解析をしてくれるのは背景や姿勢のみで、撮影者自身の身だしなみや表情などに関するフィードバックはありませんでした。試しに、あえて日が差し込む部屋で明るさが均一ではない状態で撮ってみたところ、「明るさ」の項目は「ライトの当たり具合を確認しましょう」というコメントに変わりました。そのため、対面でしか面接をしない人は、「印象チェック」はそこまで重視しなくても良さそうです。

カメラ映り・髪型・服装の見本を見ることができる

カメラ映り・髪型・服装の見本を見ることができる

髪が短めの男性向けの髪型の見本例

髪が短めの男性向けの髪型の見本例

なお、身だしなみに関しては解析結果の下に表示されている[見本を見る]をタップすると、服装やカメラ映り、髪型などの例を見ることができるので、気になる人はチェックしておきましょう。

音声練習で声の大きさや話すスピードを解析

面接の質問に回答した音声を録音して、声の大きさや話すスピードを解析することもできます。

「音声で練習」をタップ

[音声で練習]をタップ

練習したい質問内容を選んで「練習をはじめる」をタップ

練習したい質問内容を選んで[練習をはじめる]をタップ

[音声で練習]のアイコンをタップします。「自分のこと」「選考企業について」「経歴について」など、面接でよく訊かれる9つの質問のカテゴリが一覧で表示されるので、練習したい項目を選択をして[練習をはじめる]をタップします。

回答が終わったら「録音を終了して次の質問へ」をタップして次の質問へ進む

回答が終わったら「録音を終了して次の質問へ」をタップして次の質問へ進む

回答せずに「録音を終了して次の質問へ」をタップすれば次の質問へ進むこともできる

回答せずに[録音を終了して次の質問へ]をタップしても次の質問へ進むこともできる

画面が切り替わり、面接官の画像が表示されて面接がスタートします。今回は「自分の事 初級編」のカテゴリを選択しました。

面接中は自動で録音されます。質問が音声で流れるので、質問に回答しましょう。話し終えたら[録音を終了して次の質問へ]をタップします。次の質問の音声が流れるので、本番の面接のように続けて回答していきます。なお、質問をスキップしたいときは、回答はせず[録音を終了して次の質問へ]をタップすればOKです。

ホームから「音声解析結果」をタップ

ホームから[音声解析結果]をタップ

音声練習した解析結果が一覧で並ぶ

音声練習した解析結果が一覧で並ぶ

質問がひと通り終わったらホーム画面の[音声解析結果]をタップしてみましょう。質問ごとに回答の解析結果が表示されます。

「解析結果」では3つの項目を5段階評価される

「解析結果」では3つの項目を5段階評価される

「文字起こし」では回答内容をテキストで確認できる

「文字起こし」では回答内容をテキストで確認できる

「音声」では録音データを聞ける

「音声」では録音データを聞ける

解析結果は「声の大きさ」「話すスピード」「伝わりやすさ」の項目ごとに、5段階評価とコメントでアドバイスを確認できます。「文字起こし」では、話した音声をテキストにして見ることができます。「音声」では、話した声の録音データも保存されているため、振り返りたいときに役立ちます。

「声の大きさ」は5段階中3の評価で、「もう少し声を大きくすれば気持ちが伝わります」と書いてあったため、意識して再度回答したところ、評価が4にアップしました。音声を聴き比べると確かに声は大きくなっていたので、解析の精度はある程度信頼できそうです。

動画練習で話している表情や自信などを解析

「動画で練習」をタップ

[動画で練習]をタップ

練習したい項目を選んで「練習をはじめる」をタップ

練習したい項目を選んで[練習をはじめる]をタップ

音声だけでなく自分が話している映像を録画して解析することも可能です。[動画で練習]をタップすると「音声で練習」と同様に質問のカテゴリが表示されるので、選択して[練習をはじめる]をタップしましょう。

カメラの位置調整ができたら「録画をはじめる」をタップ

カメラの位置調整ができたら[録画をはじめる]をタップ

面接官に見られている意識で質問に回答していく

面接官に見られている意識で質問に回答していく

インカメラが起動したら自分の位置や映り具合を確認してください。スマホは手で持つよりもスタンドなどに立てて置いたほうが話しやすいと思います。[録画をはじめる]をタップすると面接がスタートするので、面接官に見られている意識で音声練習と同じように質問に回答していきましょう。

動画練習の結果は6項目で評価される

動画練習の結果は6項目で評価される

各項目は5段階評価でアドバイスを得られる

各項目は5段階評価でアドバイスを得られる

解析結果は、音声練習の「声の大きさ」「話すスピード」「伝わりやすさ」に加えて「自信」「笑顔」「ボディーランゲージ」の6項目で評価やアドバイスを受けられます。また、「動画」をタップすると、面接練習中の映像をチェックできるので、自分で表情や話し方などを俯瞰で見ることで改善につなげることが可能です。

面接練習の診断結果から合格ラインかどうかがわかる

ホーム画面右上のグラフのアイコンをタップ

ホーム画面右上のグラフのアイコンをタップ

ダッシュボードから自分の面接スキルを確認できる

ダッシュボードから自分の面接スキルを確認できる

面接の質問に回答すると評価が集計されて、「診断結果」としてチェックできます。ホーム画面の右上に表示されているグラフのアイコンをタップしましょう。各質問で評価された6項目の結果が、レーダーチャートで表示されます。自分の評価を合格ラインや平均値と比較することができるので、弱い部分などを確認して面接の練習を重ねていきましょう。

自分が練習したい面接の質問や回答を作成できる

「回答文作成」をタップ

[回答文作成]をタップ

「自分で質問作成」をタップ

[自分で質問作成]をタップ

質問は自分で作成することもできます。各カテゴリにない質問や重点的に練習をしておきたい質問を登録しておきましょう。ホーム画面の[回答文作成]から[自分で質問作成]をタップします。

「質問新規作成」をタップ

[質問新規作成]をタップ

タイトルと質問を入力して「保存する」をタップ

タイトルと質問を入力して[保存する]をタップ

「質問追加」をタップすればさらに掘り下げた質問も作れる

[質問追加]をタップすればさらに掘り下げた質問も作れる

[質問新規作成]をタップすると画面が切り替わるので、タイトルと質問を入力して[保存する]をタップします。また[質問追加]をタップすると、さらに掘り下げた質問を作成することも可能です。

「自作練習課題」に作成した質問が表示される

「自作練習課題」に作成した質問が表示される

「回答文作成」をタップして回答案を作成できる

[回答文作成]をタップして回答案を作成できる

回答案が表示されるので、読みながらの練習が可能

回答案が表示されるので、読みながらの練習が可能

作成した質問は動画や音声練習画面の「自作問題練習」カテゴリに表示されます。タップして面接練習をスタートすると、他の質問と同じように音声で読み上げてくれます。

さらに、質問に対してあらかじめ回答をテキストで作成しておくこともできます。作成すると、面接練習時に質問と一緒に作成した回答が表示されるため、話したい内容を漏れなく伝えられます。回答する内容は決まっていても本番で正確に話せるかどうか不安な人は、この設定をして練習をおこないましょう。

steachを使ってみた感想、メリット・デメリットは?

steach画面

今回は面接練習のためにsteachを使ってみましたが、機能がシンプルでわかりやすいので、気軽に試すことができました。また、自分を撮影しながら話す機会はあまりないので、声の大きさや話のテンポに関しては気付きも多くありました。これから就活をする人だけではなく、転職活動で久しぶりに面接をする人にも役立つはずです。

ただし、評価はAIがおこなっていてコメントも定型文なので過信は禁物です。自分では結構話し方や回答内容などを変えて話したつもりでも評価が変わらなかったこともあるため、疑問があったり、より詳細なフィードバックが欲しい人は、面接対策の講師などに確認してもらうべきです。

回答した内容についても具体的には評価されないため、別途対策が必要です。実際の面接では、想定外の質問をされたときの対応やアドリブ力なども求められるでしょう。

面接に必要な準備をsteachだけで完結するには不安は残りますが、単純に声を出して話す練習をしたい人や、用意した回答を反復練習して正確に伝えられるようになりたいときには、ぴったりなアプリだと思います。

steachのメリット
  • 無料で利用可能で、気軽に面接の練習ができる
  • 自分の話し方を振り返るきっかけになる
  • 想定している質問や用意している回答を練習して話の精度を高められる
steachのデメリット
  • AIの評価に疑問が残る箇所もあるため、必要に応じてセルフチェックをしたり講師に確認すると確実
  • 回答する内容は具体的に評価されないため、別途対策が必要
  • 想定外の質問に対応する練習や、アドリブ力を高める練習には不向き
アプリ「steach(スティーチ)」をダウンロード
EDITED BY
MATSUBA