AIによる文字起こしが急速に進化しています。スマホで録音した音声を自動でテキスト化できる点が便利で、対応するアプリも登場しています。今回は専用のデバイス「PLAUD NOTE(プラウドノート)」を紹介します。
とても人気のある製品なのですが、スマホ単体での利用に比べて何が便利なのかを含めてレビューしていきます。
PLAUD NOTEは通話の録音にも対応
PLAUD NOTEは、ボイスレコーダーなので単体でも利用できます。ただし、スピーカーは付いておらず、録音した音声を聴くにはスマホのアプリを使って再生します。つまり、基本的にスマホと組み合わせて使うことになります。

PLAUD NOTEの箱には磁気リングも同梱されている。なお、製品は提供いただいています
PLAUD NOTEの大きな魅力は、通話の録音にも対応していること。通話録音モードを利用すれば、音声を録音してテキスト化が可能です。
iPhone、Androidスマホともに対応していますが、通話を録音するためにはスマホの背面にPLAUD NOTEをマグネットで取り付けます。iPhoneならMagSafeを利用すればいいし、Androidスマホでも付属のリングをケースに取り付けるだけでOKです。

iPhoneならMagSafeで取り付けられる

Androidスマホでも付属のリングをケースに取り付けるなどすれば利用可能だ
本体は軽くてスリムなカードサイズ
PLAUD NOTEは、厚さが約29mmのカードサイズでとてもコンパクト。スマホに取り付けるには付属の専用マグネットケースに入れることになります。

本体カラーは3色展開で、質感の良い金属製だ

単体で約29g

ケース込みで約56g
このケースも質感がとてもよい革調の仕上げで、気分よく利用できます。単体での重量は約29g、ケース込みで約56gと負担が少ないのもいいところです。本体カラーは、ブラック、シルバー、スターライトの3色が用意されています。

充電は本体裏側にケーブルをくっつけるだけ

本体とケースを裏から見たところ
バッテリーを内蔵しており、専用のケーブルを接続して充電できます。フル充電で約30時間の利用が可能。また、ストレージは64GBの大容量なので、480時間も録音できます。
使い方はとてもシンプルで、ボタンを押すと電源が入り、長押しで録音します。通話を録音する際は、スイッチを切り替えて通話モードにするだけ。会議などは通常モードで録音します。
アプリはシンプルで見やすく使い勝手も上々
「PLAUD」アプリをインストールし、PLAUD NOTEをペアリングすると利用できるようになります。アプリ上からも録音と停止が可能です。また、録音したファイルはリスト状に並ぶので必要に応じて再生できます。

アプリはシンプルで使いやすい

バッテリーの残量や録音のモードもわかる
アプリからは、バッテリーの残量や録音モードも確認できます。録音したデータはまず音声ファイルになります。スマホ上から再生が可能で、アプリ上から文字起こししてテキストデータにできます。
この際にAIを使うわけですが、本体を購入すると毎月300分間のGPT-4oの利用が可能です。これはスタータープランになりますが、永年無料で使えるので安心です。
Proプラン(年額1万2000円)に切り換えると月間の利用時間が1200分になり、後述するテンプレートの種類が増えるなどの特典を受けられます。今回はProプランで説明していきます。
テキスト化の精度も優秀で要約機能も便利
録音した音声はAIによってテキスト化できます。録音したファイルを選択して「文字起こし」をタップしたら、少し待っているとテキストが表示されます。文字起こしの精度は話し方や音質によって左右されますが、かなり実用的だと感じるはずです。

通話の録音は話者を切り分けて、ラベルを付けられる

こちらはセミナーの録音。精度は上々だ
通話の録音では、話者を切り分けてテキストがブロックになります。さらに、話者にラベルを付けることもでき、1つの会話に名前をつけるとすべてのブロックに反映します。二人で会話している状態でどちらが話したのかが一目瞭然です。
会議やセミナー、打ち合わせなどの録音もテキスト化できます。こちらも通話と同様の精度です。

テンプレートの自作も可能

要約はテンプレートを使って、内容のまとめ方を変更できる
通話、一般の録音ともに、テキスト化に加えて要約が可能です。要約にはテンプレートが利用できるのが便利なポイントです。使うテンプレートによって要約の内容方法が変えられます。つまり、「最初に重要なポイントを置いてその後に説明を記載する」「単に箇条書きで要約する」といった使い分けが可能です。
テンプレートをカスタマイズして自作することも可能です。「内容を箇条書きで羅列し、その後に概要を100文字でまとめる」というような命令で要約を作れます。まだベータ版の機能ですが、十分に実用的でした。

自作したテンプレートを選び、AIモデルを選択できる

内容を整理したマインドマップも作成可能だ

セミナーの内容を要約した
また、要約の際はAIモデルをGPT-4oとClaude 3.5から選択できます。AIモデルを変更すると要約の内容もずいぶん変わるのが興味深いところです。
マインドマップの作成にも対応します。話の内容を可視化でき、理解度の向上に役立ちます。
まとめ
この秋のアップデートで、iPhoneも通話録音とテキスト化ができるようになるとアナウンスされています。また、AndroidスマホのGalaxyシリーズの中には通話録音ができるモデルもあります。これらと比べてPLAUD NOTEの優位性は、圧倒的に高機能であることでしょう。
特に、要約にテンプレートを利用してまとめ方をカスタマイズできる点や、マインドマップの作成などは素晴らしい限りです。さらに、アップデートを繰り返して機能が拡充しています。AIモデルの選択も新しく追加されたもので、専用デバイスらしい進化が最大の魅力と言えるでしょう。
今後も、録音やテキスト化、要約、翻訳などはAIによってどんどん進化していくはずです。仕事や普段の生活にも大変役立つので、ぜひ最新情報を集めて活用していってください。