Nothingのスマートフォンは、独特のデザインでとても人気があります。今回は、手ごろな価格のスタンダード機種「Phone (3a)」の楽天モバイルモデルを詳しくレビューします。
国内キャリアでは楽天モバイルのみが取り扱っており(2025年6月時点)、「ブルー」は楽天モバイル限定カラーです。とても美しく物欲をそそります。価格は128GBモデルが5万6900円、256GBモデルが6万1900円(いずれも一括払いの場合)。最大2万ポイントが還元されるキャンペーンなどを利用すれば、実質3万円台から入手できます。
大画面モデルで独特のスケルトンデザイン

画面は明るいが、額縁はそれなりに太い
Phone (3a)は、6.77インチとやや大きめのディスプレイを採用しています。重量はカタログ値で201g。サイズは約163.52×約77.5×約8.35mmとやや大きめです。手の小さな人は少し持ちづらいと感じるかもしれません。一方で、本体の重量は比較的軽いので、長時間手に持ち続けて使っていても負担感はそこまで大きく感じないはずです。
ディスプレイは、2392×1080ピクセルでFHD+となります。解像度は一般的で、画質は上々。明るさは最大3000ニトなので、直射日光下の明るい屋外で利用しても見やすいのがいいところです。また、リフレッシュレートは120Hz駆動と滑らかで、ゲームにも向いています。ただし、正面から見ると額縁がそれなりに太いのが中級モデルらしいところです。

背面は独特のスケルトンデザインで見た目も素晴らしい
背面のデザインが特徴的で、スケルトンになっています。とはいえ、スマホの内側の基盤などがそのまま見えると言うよりは、内部もしっかりとデザインされているのです。どこか70年代風の意匠がとてもオシャレです。
付属品にも手を抜かないこだわりのデザイン

付属品は最低限
パッケージはかなり小さく薄型で、紙製です。付属しているのは、USB Type-Cケーブルと説明書、SIMトレイを外すためのピンです。残念ながら充電器やケースは付属していません。
ピンには透明の小さな握りが付いていて、持ちやすく見た目も独特です。ケーブルは普通のシリコンタイプですが、端子のところに「Nothing」と刻印がされています。本体を含め付属品もデザインが統一されており、独自の世界観を醸し出しています。価格を抑えつつも、手を抜いていないのが伝わってきます。

ケーブルやピンも本体と共通のデザインなのが素敵だ
独自のGlyph Interfaceが魅力的

Glyph Interfaceはカメラ周りの3カ所が光る
Phone (3a)は同シリーズのスマホと同じく、Glyph Interface(グリフインターフェース)を採用しています。背面のカメラの周囲が3カ所光るのです。
いわゆる装飾ですが、機能と連携させたカスタマイズに対応し、着信音や通知にあわせて光らせたり、タイマーなどを表示させたりといった使い方ができます。よく着信の際にカメラのフラッシュライトを光らせている人がいますが、Glyph Interfaceはそれと同じ感覚で使えます。他のスマホにはあまりない独特の演出が楽しい限りです。

Glyph Interfaceはカスタマイズも可能だ

ホーム画面のカスタマイズも可能。自分好みにしてもNothingらしくなる
ホーム画面はドットで構成されたアイコンが並んでいる、こちらも独特のデザインです。カスタマイズも可能で、専用のツールが用意されていますが、自分で変更してもどこかNothingらしい仕上がりになるのがいいところでしょう。
指紋センサーは画面内蔵

指紋センサーは画面内蔵だ
Phone (3a)のチップにはSnapdragon 7s Gen 3を採用しています。中級クラスのチップなので普段使いには十分です。ただし、ヘビーなゲームを高画質でプレイするのは無理があります。ヘビーなゲームタイトルの例として『原神』の場合、画質を落とせばプレイ可能です。メモリとストレージは、「8GB・128GB」と「12GB・256GB」の組み合わせで選択可能。メインで使うなら後者を選ぶのがおすすめです。おサイフケータイにも対応しています。
手ごろな価格のPhone (3a)ですが、指紋センサーは画面内蔵タイプを採用しており、使い勝手は良好です。画面には標準でスクリーンプロテクターフィルムが貼られています。薄いフィルムですが、この状態で指紋センサーは快適に利用できます。

SIMトレイは両面にSIMカードをセットするタイプ
SIMトレイは、nanoSIMを2枚セットできるようになっています。デュアルSIMで利用する際には、nanoSIM×2もしくは、nanoSIMとeSIMの組み合わせで使います。
新搭載された「Essential Key」でスクショや音声メモなどの管理が便利に

左側には音量のボリュームボタンがある

電源ボタンの下にEssential Keyが付いている
本体のボタンは一般的ですが、左側に音量のボリュームボタンが付いています。右側には、電源ボタンの下に独自のボタン「Essential Key(エッセンシャルキー)」が付いています。このボタンを押すとスクリーンショットが記録でき、さらにメモをテキストや音声で記録できます。また、長押しすると音声メモが取れます。

Essential Keyを押すとスクショを撮影して音声やテキストで情報を書き込める

スクショはEssential Spaceで管理できて便利
これらの記録情報を、独自のAI機能である「Essential Space」でまとめて管理し、カテゴリーで整理整頓することができます。ボタン一発で情報を記録して、あとで振り返るのには最高の機能です。
情報記録のためにスマホ画面のスクショを撮る機会は少なくありません。撮ったデータがアルバムに混ざらずに、Essential Spaceで保存・管理できるのがいいところです。今後は、会議の録音を要約する機能や、駐車した車の情報を記録しておく機能が追加される予定です。
普段使いならカメラの性能は十分
カメラは5000万画素のメインカメラ、5000万画素の2倍光学ズームカメラ、800万画素の超広角カメラを採用しています。最大30倍のズームにも対応します。実際に撮影してみると、クリアできれいでした。特別な機能を持っているわけではありませんが、普通に使うには充分満足できるはずです。ポートレートの写りも上々でした。価格を考えれば、カメラの性能は文句なしです。
動画は4Kの撮影に対応しており、手ぶれ補正が効くのできれいに撮影できますが、残念ながら4Kは30fpsにとどまります。
超広角

超広角もクリアに撮影できるが、拡大すると荒れてしまう
標準カメラ

標準カメラは文句なしの美しさ
2倍ズーム

2倍ズームも標準カメラとほぼ変わらない
4倍ズーム

4倍ズームも美しく撮れている
ポートレート

ポートレートの写りも上々で、自然な感じのぼけ方だ
4K動画
まとめ:価格も性能も文句なし、デザイン重視派におすすめ
Phone (3a)は、価格を考えると全体に良いバランスとなっています。カメラもスナップ撮影には充分。性能はゲーム中心の使い方を想定してるなら厳しいですが、普段使いなら文句なしです。
そのうえで、独自のGlyph Interfaceやデザインに魅力を感じるならおすすめの1台といえます。Androidスマートフォンも値上がりが激しく、手ごろな価格が魅力だったPixel 9aも今では7万9900円とだいぶ高くなっています。そういった面を踏まえても、この価格帯の選択肢としてはPhone (3a)はかなりおすすめです。