メルカリは2024年5月22日、商品の価格を決めずに出品できる新機能「価格なし出品」の提供を開始しました。これにより、出品時の価格設定や価格交渉に関するユーザー側の課題を解消し、これまでよりも手間をかけずに出品できるようになります。

今回の「価格なし出品」機能で、最初に販売価格を決めなくても出品でき、購入希望者からの提案を参考にして後から価格を設定できるようになります。出品時に価格の設定で悩んだり、類似商品の販売価格を事前に調べたりする必要がなくなるため、これまでよりも簡単に出品が可能です。

「価格なし出品」機能の利用方法
本機能を利用する場合は、出品時に「価格を設定しない」の項目をオンにします。すると、商品の価格部分が「???」と表示されます。購入者が商品ページから購入希望価格を提案すると、出品者に提案の通知が届き、提案を承諾するとその価格で販売が開始されます。価格を提案した人と、商品に「いいね!」した人に販売開始の通知が届き、その後は通常の購入フローを経て取引完了です。
価格を提案しても、購入が確約される機能ではありません。また、提案者は価格提案が承諾されたあとに商品を購入する必要があります。提案承諾後は、提案者以外のユーザーも購入が可能です。
なお価格なし商品を出品する際、一番高い価格を提案した人に販売するといった内容や、特定のユーザーとの取引を意味する専用出品などの文言を記載することは禁止されています。

「適切な販売価格を考えることが面倒」と答えた人が39.6%、「価格交渉に対応することが面倒」と答えた人が31.2%いた
本機能提供の背景として、メルカリは2024年5月に1666人のユーザーを対象に実施したアンケート調査を公開しています。
メルカリのアンケート結果では、出品する際に面倒だと感じる項目について、「写真撮影や商品の説明入力などのアプリ操作」、「購入者とのコミュニケーショントラブル」に次いで、価格設定や価格交渉がランクインしています。

ユーザーの約6割が「メルカリで出品を行う際の値決めが面倒だと感じる」と回答

ユーザーの約7割が「販売価格を考えることが面倒で出品をやめた」と回答
さらに「出品時に販売価格を決めることを面倒だと感じるか」という問いに対しては、ユーザーの約6割が「メルカリで出品を行う際の値決めが面倒だと感じる」と回答。さらに、「販売価格を考えることが面倒で出品をやめた」という人は約7割いることも分かりました。
メルカリが2023年11月に実施した調査によると、日本の一般家庭にある不要品の価値は推計約66兆円(国民一人あたり約53.2万円)とのことです。今回の「価格なし出品」機能の導入により、出品のハードルが下がって家庭の不用品の出品増につながる可能性があります。さらには、メルカリにおける取引のさらなる活発化にも期待できるでしょう。