Googleは2023年5月10日(米国時間)、デベロッパー向けイベント「Google I/O」を開催し、基調講演においてAIや新しいデバイスに関する数々の発表をおこないました。ここでは多くの発表内容から注目の新機能をいくつか紹介します。
Googleフォトの新編集機能「Magic Editor」

Googleフォトでは、写り込んでしまった被写体を写真から削除できる「消しゴムマジック」などの編集機能が利用できます。今回、Googleフォトの新たな編集機能として「Magic Editor(マジックエディター)」が紹介されました。

Magic Editorで、被写体の人物を動かしてかざした手が滝の中央にくるように編集
Magic Editorでは、AIを活用して被写体を写真の中で動かしたり、空の明るさを調整したりといった編集が可能です。発表のデモでは、滝の前で撮った写真を例としてMagic Eraserを紹介しました。オリジナルの写真は、かざした手が滝の端の方にずれてしまっていますが、Magic Editorを使って被写体を動かすことで、滝の中央に手をかざしている写真に変更しています。また、曇り空を晴れの空に変更するといった機能も利用できるようです。
被写体を動かした部分はAIが処理するので、被写体を動かしても違和感のない画像を作成可能です。撮影した日の天気がいまいちでも、構図が思ったとおりでなくてもMagic Editorを利用すれば自身の思い通りのシチュエーションの写真を作り上げられます。
Magic Editorは2023年の後半に登場予定です。
イマーシブビューで目的地までのルートを確認できる「Immersive View for route」

イマーシブビューで目的地までのルートが確認できる
Googleマップでは、3Dで表現された都市を自由に見て回れる「Immersive View(イマーシブビュー)」という機能が利用できます。新たに発表された「Immersive View for route」では、目的地までのルートをイマーシブビューで確認できます。
3Dで再現された町並みでルートを確認できるため、ストリートビューよりもルートの状況を把握しやすくなります。Immsesive View for routeでは、当日の交通状況や天気の予測を時間単位で確認できます。検索したルートを通る時間帯で確認しておけば、道路の混雑状況などを事前にある程度把握した状態で出かけられます。交通状況や天気はアニメーションで表現され、より視覚的に情報を受け取ることが可能です。
Immersive View for routeは、東京とロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコを含む15の都市で、2023年の終わりまでに展開されます。
Google検索の新機能をいち早く試せる「Search Labs」

Search Labsでは、ユーザーの質問に対して検索結果にAIからの回答を表示する「Search Generative Experience(SGE)」のような、Google検索に関わる新機能をいち早く試せます。
現時点で、米国内の英語圏ユーザーを対象に提供されており、デスクトップ版ChromeとGoogleアプリ(Android/iOS)から利用できます。対象ユーザーはウェイトリストに登録する必要があり、順番が回ってきたら利用できるようになります。Googleによると、Search Labsの利用可能な範囲は、順次拡大していく予定だとのことです。
なお、Search Labsのほかにも、スプレッドシートやドキュメントといったGoogle Workspaceに関するAIの新機能を試せる「Workspace Labs」なども新たに導入されています。