OpenAIは2023年3月1日（米国時間）、AIチャットボット「ChatGPT」と音声テキスト変換モデル「Whisper」のAPIの提供を開始したと発表しました。
ChatGPTのAPIで提供されるモデルは「gpt-3.5-turbo」で、ChatGPTで使用されているものと同じモデルです。価格は1000トークンあたり0.002ドルで、OpenAIによれば既存のGPT-3.5モデルを使う場合よりも10倍安くなるといいます。なお、1日あたり4億5000万トークン以上の処理をおこなう開発者向けには、より経済的な専用インスタンスも用意されています。
Snapchatでは、「My AI」としてChatGPTのAPIが利用されている。アプリ内でMy AIにチャットで情報を聞いたり、指示を出したりできる
ChatGPTのAPIを組み込むことで、開発者はアプリやサービス内にChatGPTのチャットボットを導入できます。すでに、SnapchatやShopifyなどの企業がChatGPTのAPIを導入しており、アプリ内でチャット相手や買い物のアシスタントとして活用されています。今後、ChatGPTのAPIが普及すれば、あらゆるサービスで精度の高いAIチャットボットによるユーザーサポートが受けられるようになるでしょう。
今回リリースされたChatGPTのAPIのバージョンは「gpt-3.5-turbo-0301」。OpenAIは、このバージョンは少なくとも2023年6月1日までサポートを継続するとしており、4月には「gpt-3.5-turbo」の新しい安定版をリリースする予定だとしています。
また、ChatGPTのAPIとあわせて音声合成モデル「Whisper」のAPIも提供が開始されています。Whisperは2022年9月にオープンソース化されたモデルで、音声の文字起こしや、英語以外の音声を英語に翻訳してテキスト化することが可能。mp3やmp4、m4aなどさまざまなフォーマットの音声に対応します。、WhisperのAPIは、1分辺り0.006ドルの価格で提供されています。
なお、ChatGPTのAPIを通じて送信されたデータは、ユーザーがオプトインしない限り、モデルのトレーニングを含むサービス改善には利用されません。また、データ保持期間は初期設定で30日間に設定されており、ユーザーはデータの保持期間をより厳格な設定に変更することも可能です。