「つながる社会、共創する未来」をテーマに、CPS/IoTの革新技術が一同に会する総合展示会「CEATEC 2019」が2019年10月15日から4日間、幕張メッセで開催されています。本記事では「超スマート社会」の実現に向けた、各業界のユニークな取り組みを紹介します。
消防車の泡生成技術を応用した「泡シャワー技術」
きめ細かな泡が特長
消防車や消化器の製造をおこなうモリタグループが開発した消防車の泡生成技術を、LIXILの持つバスルームの知見と合わせ、家庭のシャワーに応用したのが「泡シャワー技術」です。
シャワー側のスイッチを切り替えるだけで、通常の水が出る状態と石鹸の泡が出る状態に分けられます。一見、普通の水が出ているように見えるシャワーに手をかざすと、みるみる泡立って手が覆われてしまいました。その後、泡を流したいときには再びスイッチを切り替えるだけでOKです。
LIXILによると、入浴に使う際の泡質や香料、成分はユーザーの好みに合わせて変更できるようになるとのこと。また、「泡シャワー技術」は入浴だけでなく洗車など様々な洗浄用途に使えるそうです。
「泡シャワー技術」があれば、入浴の際にわざわざボディソープを泡立てて身体を洗う必要がなくなります。自力で身体を洗うことのできない人の入浴や介護入浴の場面でも活躍できそうです。
「泡シャワー技術」はクラウドファンディングで一部製品化、今後の見通しは現時点でなし
このように大変魅力的な「泡シャワー技術」ですが、残念ながら現時点で製品化の予定はないとのことです。
Image:Makuake
以前、「KINUAMIプロジェクト」というクラウドファンディングプロジェクトが、LIXILの子会社である株式会社NITTO CERAとモリタグループの共同でおこなわれました。このプロジェクトは、100台限定で製造費用を出資してくれた人に泡シャワー製品(KINUAMI)を提供するという内容で、開始からわずか20日間で目標台数を達成しました。
今後の製品化は、上記のプロジェクトの反響を見て検討するとのことです。人々の入浴をイノベーションする「泡シャワー技術」の普及を大いに期待して待ちましょう。