Appleは10月8日、「macOS Catalina」をリリースしました。特筆すべきアップデート内容として、iTunesの分割・廃止とSidecar機能の追加が挙げられます。
これまでMac上での音楽管理やiPhoneとiPad、iPod touchのバックアップ・復元・同期を担ってきたiTunesは、macOS Catalinaにて「Apple Music」「Apple TV」「Apple Podcast」の3つのアプリに分割されます。iTunesの廃止にともない、iPhoneなどの同期などはFinderでおこなうようになります。
Sidecarは、iPadをMacの2台目のディスプレイとして使用できる機能。たとえば、IllustratorのようなMacアプリをiPadにドラッグし、Apple Pencilを使ってiPad上で制作することができます。
Sidecarに対応するiPad
- iPad Pro(全機種)
- iPad(第6世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
- iPad Air(第3世代以降)
そのほか、スクリーンタイム機能の追加や写真・メモ・リマインダー・Safariなどのアプリの強化、MacアプリをiOSアプリのコードから作成できるMac Catalystの導入なども注目されます。
macOS Catalinaにアップデートするには、「システム環境設定」から「ソフトウェア・アップデート」選択し、[今すぐアップグレード]をクリックしてください。
macOS Catalinaの主な新機能は以下のとおり。
- ミュージック
- 5,000万曲以上を広告なしでストリーミングしたり、ダウンロードできます。アプリを開くたびに、あなたの好みに合わせてパーソナライズされたApple Musicのベストセレクションが「For You」に現れます。
- 新しいミュージックアプリには、アップデートされたプレーヤーが用意されています。曲を聴きながら歌詞を見たり、次に再生する音楽をワンクリックでコントロールするのも簡単です。ミニプレーヤーに切り替えれば、マルチタスキングをしながら曲を聴くことができます。
- 音楽を引き続き購入したいユーザーは、ワンクリックでiTunes Storeにアクセスできます。
- あなたのすべての音楽が、一つの場所に整理されます。アーティスト、アルバム、曲、プレイリスト、最近追加した曲は、新しいサイドバー上の慣れ親しんだメニューに表示されます。アップデートされたライブラリページ内で探しているものを入力すると、あなたの音楽コレクションの中からその曲をすばやく見つけることができます。
- TV
- アップデートされた「ライブラリ」タブで、購入したすべての映画を簡単に見つけることができます。最近追加した項目、ダウンロード済み、ジャンルなどでブラウズできます。
- Appleの新しいプレミアムストリーミングサービスが、世界の最もクリエイティブな才能たちによる、ほかでは観られないオリジナル番組と映画の数々をお届けします。Apple TV+は、Apple TVアプリ上にこの秋登場します。
- 「今すぐ観る」セクションにある「次に観る」では、あなたのお気に入りのコンテンツをすばやく見つけて視聴できます。あなたのすべてのデバイスで、前回の続きから視聴を再開することもできます。
- Apple TVアプリでは、Dolby Atmos、Dolby Digital、Dolby Digital Plusサウンドトラックを特定のMacモデルの内蔵スピーカーで楽しめます3。迫力いっぱいのサラウンドサウンドを体験しましょう。
- 新作映画の購入やレンタルができるほか、充実した4K HDRタイトルのカタログを含む、何千本もの映画のカタログを見ることができます。
- 「今すぐ観る」タブは、Apple TVアプリを楽しむためのスタート地点になります。エキスパートによって厳選されたコレクションや、あなたのためにパーソナライズされたおすすめの作品が見つかります。
- Apple TV、iPad、iPhone、一部のスマートテレビ、そしてこれからはMacでも、前回の続きから再生できます。
- Podcast
- お気に入りのPodcastのエピソードを聴き続けたり、新しいエピソードの公開を知ることができます。あなたがこれまでに聴いた番組をもとに、これからあなたが気に入るかもしれない番組を見つけることもできます。
- カタログにある数えきれないほどの番組から、Appleのエディターがあなたの関心に合った番組を毎週厳選しておすすめします。「ニューリリースと注目作品」に表示された番組を試してみることも、「ランキング」で話題の番組をチェックすることもできます。
- Apple Podcastのライブラリでは、あなたがこれまでにサブスクリプションに登録または追加したすべての番組が一か所にまとめられ、番組やエピソードのタイトルごとに整理されます。お気に入りのエピソードをダウンロードすれば、オフラインでも楽しめます。
- トピックや人物を探している時、検索機能が一段と精度の高い結果を示します。特定のゲストまたはホストが出演しているエピソードを見つけることもできます。
- 同期
- Apple TV、Apple Music、Apple Podcastの3つのすべてのサービスのコンテンツを、iCloudを経由してすべてのデバイスで同期できます。ケーブルを使いたい場合は、それぞれのアプリから同期させることもできます。
- あなたがデバイスを接続するたびに、Finderのサイドバー上にそのデバイスが表示され、そこからバックアップ、アップデート、復元を始められます。
- 写真
- 写真のプレビューがより大きく表示されるので、それぞれの写真を見分けやすくなります。写真アプリは知能を使ってあなたの写真の最も見栄えの良い部分を見つけ出し、プレビューに表示します。その写真を開くと、編集されていない完全なバージョンを見ることができます。
- 写真アプリは、Macの機械学習を使って写真の中の人物や出来事を理解し、誕生日、記念日、旅行といった大切な瞬間をハイライトします。
- 「すべての写真」表示では、グリッド形式であなたのすべての写真とビデオを表示します。写真を拡大してプレビューを大きくすることも、縮小してコレクション全体の概要を見ることもできます。写真とビデオはスクエアまたはオリジナルフォーマットでも表示できます。
- 写真が日、月、年ごとに整理された状態で表示されるので、簡単に写真を見つけたり、思い出を振り返ることができます。アニメーションとトランジションが、タイムライン上であなたが表示している位置をキープするので、表示を切り替えてもあなたが見ている写真はそのまま残ります。
- あなたがスクロールするのに合わせてLive Photosとビデオが再生され、ライブラリがいきいきと動き出します。
- 写真アプリは、重複している写真や散らかりを取り除き、あなたのライブラリにあるベストショットを賢く表示します。
- これからはあなたのMacで「メモリー」のムービーを観たり、再生時間、ムード、タイトルを編集できます。iCloud写真を使えば、あなたのほかのデバイスと編集内容を同期できます。
- メモ
- まったく新しいギャラリー表示では、あなたのメモがビジュアルなサムネールになるので、探しているメモをすばやく見つけるのがこれまで以上に簡単になりました。
- メモやフォルダ全体を閲覧のみで共有して、自分だけが変更を加えられるようにできます。
- ドラッグ&ドロップまたはキーボードショートカットを使ってチェックリストの項目をすばやく並び替えたり、チェックした項目を邪魔にならないよう下に移動させることができます。完了したチェックリストをもう一度使いたい時は、クリックしてすべての項目のチェックを外し、最初からやり直せます。
- すべてのメモとサブフォルダを含むフォルダ全体で共同作業ができます。ほかの人をフォルダに招待すると、各自がメモ、添付ファイル、サブフォルダを追加できます。
- メモに追加した画像の中にあるものやシーンを、検索機能が認識します。内蔵されている書類スキャナを使い、スキャンしたアイテム内にある特定のテキストも見つけられます。クリックするだけで検索候補も表示されるので、よりスムーズに入力を始められます。
- リマインダー
- 一新されたユーザーインターフェイスとよりパワフルな機能でリマインダーアプリが完全に生まれ変わりました。リマインダーの作成、整理、管理がこれまで以上に簡単です。
- より長く、より説明的な文章を入力すると、リマインダーがその内容を理解し、関連した提案をします。あなたがメッセージアプリの中で計画を立てると、デバイス上のSiriのインテリジェンスがリマインダーの作成を提案し、今後必要になることを予測するお手伝いをします。
- リマインダーを整理するための方法が追加されました。上位のリマインダーに関連しているタスクをキャプチャしたり、複数のリストをグループに分類してまとめることもできます。
- 自分用または共有したiCloudリストの見た目を、12色の美しいカラーと表現力豊かな60個の記号から選んでカスタマイズできます。
- 新しい編集ボタンを使って、リマインダーに日付、時間、場所、フラグをすばやく追加できます。別の表示に移動する必要はありません。
- リマインダーに添付ファイルを追加して、よりわかりやすく便利なリマインダーにすることができます。写真、スキャンした書類のほか、リマインダーに関連するウェブサイトへ直接移動できるウェブリンクも追加できます。
- まったく新しいスマートリストは、今後予定されているリマインダーを「今日」「フラグ付き」「日時設定あり」の見つけやすいカテゴリーに自動的に整理します。「すべて」では、それらを一つのリストで確認できます。
- リマインダーの項目に誰かをタグ付けすると、次にあなたがその人とメッセージアプリで会話をする時に、リマインダーの内容について話すのに適したタイミングであることをお知らせします。
- Safari
- デザインが新しくなったスタートページには、あなたのお気に入りのサイトや頻繁に訪れるサイトが含まれます。さらに、Siriからの提案により、閲覧履歴、最近訪れたサイト、ブックマーク、リーディングリスト、iCloudタブ、メッセージアプリで受け取ったリンク先といった関連のあるウェブサイトが表示されます。
- タブのオーディオボタンから、ピクチャ・イン・ピクチャ(PiP)をすばやく有効にできます。
- Safariでアカウントにサインインする際に、簡単に推測できる安全性の低いパスワードを入力すると、Safariがあなたに警告し、強力なパスワードに変更するお手伝いをします。
- すでに開いているウェブサイトのアドレスを入力し始めると、Safariはあなたをその開いているタブへ連れて行きます。
- メール
- メールアプリでは、指定された差出人からのすべてのEメールをブロックして、メッセージを直接ゴミ箱に移動させることができます。メッセージアプリと同じく、Eメールのヘッダにある差出人の名前をクリックすると、この機能にアクセスできます。
- スレッドをミュートする機能が、過度にアクティブなEメールスレッドからの通知音が鳴らないようにします。
- マーケティングメールリストから送信されるEメールメッセージの登録解除リンクが、Eメールのヘッダの上に表示されます。「登録解除」をクリックすると、あなたのEメールアドレスをリストから削除するリクエストが送られます。
- メールのビューアを一行表示のカラムレイアウトにし、現在のメッセージのプレビューをメッセージリストの下に表示するか、右側に表示するかを選べます。
- Sidecar
- あなたのiPadを2台目のディスプレイとして使って、画面上のスペースを増やすことができます。一つのアプリケーションを参照しながら、もう一つのアプリケーションで作業したり、iPadでプレゼンテーションモードを使ってプレゼンテーションの仕上がりをチェックしながら、Macでそれを編集できます。
- iPadをケーブルでMacにつなぐと、充電された状態を保てます。10メートル以内ならワイヤレスでも使えるので、移動できる範囲が広がります。
- 使い慣れたMulti-TouchジェスチャーがiPadで使えます。さらに、まったく新しいテキスト編集ジェスチャーを使うと、カット、コピー、ペースト、取り消しを、オンスクリーンキーボードから手を離すことなく行えます。
- Touch Barに対応しているアプリでは、あなたのMacにTouch Barが搭載されていなくても、iPadの画面の一番下にコントロールが表示されます。
- あなたのMacの画面をミラーリングすれば、同じコンテンツを2つのスクリーンに映し出せるので、ほかの人と共有するのに最適です。
- 精密で直感的に使えるApple Pencilを、描画タブレットに対応するお気に入りのMacアプリと一緒に使えます。自然な使い心地で絵を描いたり文字を書いたり、写真やグラフィックスを編集したり。マウスを使う時のように、カーソルを合わせたりクリックすることもできます。
- 最もよく使うコントロールにサイドバーから簡単にアクセスできます。修飾キーを使って、プロ向けアプリでショートカットを有効にしたり、取り消しボタンやメニューバー、Dock、キーボードの表示と非表示のためのボタンにアクセスできます。
- Sidecarに対応させるために、デベロッパが何かをする必要はありません。何をしなくても機能します。先進的なスタイラス機能に対応するアプリは、AppKitのTablet Eventsを使ってApple Pencilの圧力と傾斜を有効にできます。さらにデベロッパのみなさんは、changeModeイベントを通してApple Pencilの側面をダブルタップするカスタムビヘイビアを指定できます。
- 連係マークアップとスケッチ
- Apple Pencilで、PDF上に文字を書いたり、スケッチを描いたり、書類に注釈を加えることができます。あなたがiPad上で注釈を加えると、そのアップデートがリアルタイムでMac上に映し出されます。
- Apple Pencilを使ってiPad上で描いたスケッチは、Mac上のあらゆる書類に簡単に挿入できます。
- スクリーンタイム
- スクリーンタイムは、あなたがMac上で過ごした時間の長さ、最もよく使ったアプリ、受け取った通知の数を示す使用状況レポートを作成します。さらにiCloudを使えば、スクリーンタイムがすべての使用情報をまとめ、休止時間の設定とApp使用時間の制限をiPhone、iPad、Mac上で同期します。
- App使用時間の制限機能を使うと、あなたがアプリとウェブサイトを使いたい時間の長さを設定することができます。制限は、合計時間、カテゴリー、特定のアプリごとに設定できます。
- 制限時間に達した時に「あと1分」をタップすれば、すばやく作業内容を保存したり、会話を終わらせる時間を追加できます。
- 保護者のみなさんは、スクリーンタイムを使って子どもたちのデバイス上に表示される連絡先を管理することができます。
- スクリーンタイムでは休止時間を設定できるので、あなたと子どもたちは、あなたが承認した特定のアプリのみを使えるようになります。
- 制限の統合機能を使うと、アプリのカテゴリー、特定のアプリ、ウェブサイトを組み合わせ、一つの制限としてまとめられます。
- 通信の制限機能を使うと、子どもたちが休止時間中や一日を通じてコミュニケーションを取り合える相手をあなたが管理できます。
- 保護者のみなさんは、iPhone、iPad、Macのどのデバイスからでもスクリーンタイムを設定し、子どもたちが使うすべてのデバイスの環境を整えることができます。
- セキュリティ
- macOS Catalinaは独自の読み取り専用システムボリューム内で動作します。そのため、ほかのすべてのデータから完全に切り離され、macOSの信頼性が向上します。
- Gatekeeperは、あなたがApp Storeまたはインターネットから新しくインストールするすべてのアプリが、既知のセキュリティ問題に対するAppleのチェックを受けていることを確認します。これは最初の実行前に行われ、その後も定期的に行われます。これによりアプリソースからの保護が拡張され、アプリの内容に対する自動チェックが行われるようになります。
- Apple T2 Securityチップを搭載したMacのすべてのモデルが、iPhoneやiPadと同じようにアクティベーションロックに対応します。万が一Macを置き忘れたり紛失しても、データの消去や再アクティベートができるのは持ち主であるあなただけです。
- これまで多くのハードウェア周辺機器と高度な機能は、カーネル拡張(kext)を使ってコードをmacOS内で直接実行する必要がありました。これからは、このようなプログラムがほかのアプリと同じくオペレーティングシステムから独立して実行されるため、万が一の場合もmacOSに影響を与えることはありません。
- macOS Catalinaは、アプリがあなたの書類フォルダ、デスクトップ、ダウンロードフォルダ、iCloud Drive、他社クラウドストレージプロバイダのフォルダ、リムーバブルメディア、外部ボリューム内にあるデータにアクセスする前に、あなたに確認を求めます。さらに、アプリがキー入力情報を記録したり、スクリーン上の写真やビデオをキャプチャしようとすると、事前にあなたの許可を求めます。
- 「探す」アプリ
- 「iPhoneを探す」と「友達を探す」が一つの使いやすいアプリになり、あなたの大切な人とデバイスを探すお手伝いをします。
- 位置情報の通知機能は、複数の異なる曜日に通知を送るように設定できるほか、より役に立つ場所の名前と強化されたプライバシーコントロールを提供します。
- 紛失したデバイスがWi-Fiにつながっていない状態でも、クラウドソースによる位置情報を使って探すことができます。デバイスが紛失したことをあなたが知らせると、別のAppleユーザーのデバイスが近くにあれば、そのデバイスがあなたのデバイスのBluetooth信号を検知して、位置情報をあなたにお知らせします。これは完全に匿名で行われ、エンドツーエンドで暗号化されているので、全員のプライバシーが守られます。
- Apple Watchで承認
- Safariの環境設定で自分のパスワードを確認する時など、Macのパスワード入力が必要な時は、Apple WatchのサイドボタンをダブルクリックするとMac上で認証が行われます。
- ロックされているメモを開く。アプリのインストールを承認する。システム環境設定内でロックを解除する。ルートファイルを修正する。そのすべてを、あなたのApple Watchで行えます。
- アクセシビリティ
- 音声コントロールは、あなたの声だけでMac、iOSデバイス、iPadOSデバイスを完全にコントロールするための新しい方法です。
- 生物学のレポートを執筆する時も、法的文書に記入する時も、お気に入りのトピックについてEメールを書く時も。どんな時でもあなたがよく使う単語を音声コントロールが確実に認識できるように、カスタムワードを追加できます。
- リッチテキストの編集コマンドを活用すれば、話す前に練習する必要はありません。すばやく簡単に修正でき、フレーズを具体的に伝えることで置き換えられます。「もうすぐ着きますを、今着きましたに置き換え」と話しかけてみてください。内容を細かく指定できるので、テキストを選択するのも簡単です。例えば「2行上に移動。一つ前の単語を選択。それを大文字に変更」のように伝えることができます。
- 音声コントロールは文脈上の手がかりを理解するため、テキストの音声入力とコマンドの切り替えをシームレスに行えます。例えば、「お誕生日おめでとう。送信をタップ」とメッセージアプリで話しかけてみてください。あなたが意図した通りに、音声コントロールが「お誕生日おめでとう」というメッセージを送信します。さらに「それを削除」と話しかけると、たった今入力したものを削除する指示であることを理解します。
- ナビゲーションコマンドを使えば、macOSとアプリをすばやく操作できます。アプリを開く、ウェブを検索する、Spotlightを起動するなど、様々な操作を行えます。
- 「番号を表示」と話しかけると、画面上でクリックできるすべてのアイテムの横に番号が表示されます。この番号を使って、複雑なアプリや使い慣れていないアプリをすばやく操作できます。同じ名前を持つ複数のアイテムを区別する必要がある時とメニュー内では、この番号が自動的に表示され、番号を言うだけでクリックできます。
- ポイントしたテキストの拡大機能を使うと、テキスト、テキストフィールド、メニュー項目、ボタンなどが、専用ウインドウ内に高解像度で拡大表示されます。カーソルをテキストの上に重ねた状態でControlキーを押すと、標準インターフェイスの横に別のウインドウが開き、拡大されたテキストが表示されるため、文脈を見失うことはありません。テキストは、あなたが選んだフォントとカラーでくっきりと明確に表示されます。さらにボタンを操作して、拡大されたウインドウに直接入力することもできます。
- VoiceOverを使う時、キーボードを一段と簡単に操作できるようになり、固有のフォーカスグループまで掘り下げる必要性が減ります。ウインドウのストップライト、ツールバーボタン、スクロールバーといった様々な要素の間を、Tabキーがより簡単に進むようになります。
- macOS Catalinaでは国際点字表がさらに増え、複数の点字表をすばやく切り替えられます。
- 新しいカラーフィルタのオプションが追加され、視覚に障がいのある方がディスプレイの色調を調整できるようになります。Macの画面の色合いを変化させることで、不明瞭な部分を見分けやすくします。この設定のオンとオフは、「アクセシビリティオプション」のパネルで、Commandキー、Optionキー、F5キーを同時に押して切り替えることができます。
- Siriの音声認識エンジンを利用することで、既存の拡張音声入力機能の音声コントロールが改良されました5。音声をテキストに変換するための最新の機械学習を活用できます。
- あなたの個人データのプライバシーを確実に守るために、音声コントロールの音声処理はすべてあなたのデバイス上で行われます。
- 単語を修正したい時は、新しい専用インターフェイスを使いましょう。単語の修正を声で頼むだけで、代わりとなる単語候補のリストが表示されます。
- 自分の声だけでアプリを操作できます。ナビゲーションコマンド、アクセシビリティラベルの名前、番号、グリッドによって、包括的に操作することができます。
- 音声コントロールに、ボタンやリンクなどのアクセシビリティラベルの名前を選択するよう指示することで、簡単に操作できます。
- 画面上でコントロールが用意されていない部分に触れる必要がある時は、グリッドオーバーレイを使いましょう。「グリッドを表示」と言うと、画面上にグリッドが重ねられ、選択、ズーム、ドラッグなどの操作を正確に行えるようになります。
- 2台目のディスプレイを使っている時に、同じ画面を違う拡大率で見ることができます。1台をズームした状態に保ち、もう1台を標準解像度の表示のままにしたり、プレゼンテーションを行う間、自分用のMacをズームした状態にしておくこともできます。
- VoiceOverをよく使う方は、句読点の読み方をカスタマイズすることも多いでしょう。これからはその内容がiCloudに保存されるので、macOS、iOS、iPadOSで一貫した体験ができます。
- Xcodeのテキストエディタでも、VoiceOverで警告や行番号、ブレークポイントの読み上げができるようになりました。
- 新しいディスプレイオプションでは、あなたが選んだ色を使ってスクリーン全体に薄い色を付けられます。画面を特定の色合いにするとテキストが読みやすくなる方のための機能です。
- Apple IDアカウントの情報
- Apple IDアカウントの大切な情報に、あなたのMacのシステム環境設定から直接アクセスできるようになります。
- あなたの名前、連絡先情報、パスワードとセキュリティの詳細、支払いと配送先情報、Eメールニュースレターの環境設定といったアカウントの詳細を簡単に確認できます。
- App Store、iTunes Store、Apple Music、Apple Books、Apple TVなどに関連した現在のサブスクリプション、これまでに購入したコンテンツ、アカウント設定に簡単にアクセスできます。
- あなたのアカウントにサインインしているすべてのデバイスのリストが表示されます。最近完了したバックアップや、「探す」アプリの状況など、デバイスの詳細情報を確認できます。
- 新しい概要パネルを使うと、重要なヒントと通知をすばやく確認し、あなたのアカウントが正しくサインインされていて安全であること、あなたが求めるすべての機能が正しく設定され、機能していることを確認できます。
- iCloud設定の確認と更新のほか、ストレージプランの管理やプランのアップグレードがいつでも行えます。
- あなたが共有している登録やサブスクリプション、有効に設定されているサービス、誰が「承認と購入のリクエスト」をオンにしたかなどを見ることができます。
- QuickTime Player
- ナビゲーションコントローラをクリックすると、サイズ変更が可能なウインドウでビデオを再生できます。ほかのウインドウに妨げられることがないので、別の作業をしながら見続けることができます。
- 連番画像の入ったフォルダに移動して、H.264、HEVC、ProResでエンコードされたムービーファイルを作成し、解像度、フレームレート、エンコードの品質を選べます。
- ProRes 4444ファイルをHEVCフォーマットに書き出す時、その透明度を任意で保持することができます。
- ムービーインスペクタパネルは、その時に開かれているメディアファイルについて、より詳しい技術情報を表示します。ビデオの色空間、HDRフォーマット、ビット深度、スケール、アスペクト比などの詳細を確認できます。
- QuickTime Playerは、タイムコードが埋め込まれたメディアファイルを開く時、画面上のナビゲーションコントローラに時間情報を表示します。
- ホーム
- Apple TVやHomePodなどのホームハブがあれば、あなたのHomeKit対応カメラが人、動物、車両の動きを検知した際に、その映像を録画して安全にiCloudに保存できます。映像が録画されたら通知を受け取り、Mac上のホームアプリでその映像を見ることができます。ホームアプリでは、iCloudから録画のタイムラインを再生でき、録画を共有したり、削除したり、あなたの写真ライブラリに保存することもできます。
- HomePodとAirPlay 2対応スピーカーを使って、ほかのHomeKitアクセサリで設定されたシーンとオートメーションの中で、Apple Musicの曲、プレイリスト、ラジオステーションを再生できます。
- インターナショナル機能
- 設定アシスタントでキーボードや音声入力に使用する言語を選び、言語の環境設定を最初からカスタマイズできます。
- 繁体字中国語の倉頡、速成、筆画、手書きのキーボードに新しく広東語の予測変換機能が加わり、より関連性の高い文字と絵文字の予測変換を広東語ユーザーのみなさんに提供します。
- グジャラート語、ヒンディー語、カンナダ語、オディア語、パンジャブ語など数多くのインド言語に、4つの新しいシステムフォントと30のドキュメントフォントを含む34の新しいフォントが追加されました。
- タイ語 - 英語とベトナム語 - 英語の辞書が新たに加わりました。
- 連絡先アプリに、数百のより詳しい関係ラベルが新たに加わりました。連絡先のリストを管理するのに役立ちます。例えば、「年下のいとこ」や「年上のいとこ」といったラベルが使えるようになります。
- 新しいニューラル言語モデルは、それまでの文章に入力された単語を考慮して予測するため、文法的な一貫性と主題への関連性が向上します。
- まったく新しいインド英語の男性と女性の声がSiriの声に加わり、より自然で表現力豊かな声で話します。
- そのほかの特長
- プライベートリンクを使ってフォルダを共有できます。アクセス権を持つ人なら誰でも、iCloud Driveにあるフォルダを見たり、新しいファイルを追加したり、ファイルの最新バージョンを入手することができます。
- 他社製ソフトウェアとインストールしたばかりのアップデートとの間に互換性がない場合は、macOS復元機能を使って、インストールの直前に作成されたあなたのMacのスナップショットから復元できます。macOSとあなたのすべてのアプリは、アップデートをインストールする前とまったく同じように動作します。
なお、macOS Catalinaに対応するMacの機種は以下のとおりです。
macOS Catalinaに対応するMac
- MacBook(2015以降)
- MacBook Air(2012以降)
- MacBook Pro(2012以降)
- iMac(2012以降)
- iMac Pro(全モデル)
- Mac Pro(2013以降)
- Mac mini(2012以降)
EDITED BY
TOKIWA