スマートフォンやタブレットに搭載されているSoCで2012年に躍進したのが、NVIDIA社のTegra 3だ。クアッドコアでいち早く量産化に成功したことから、ハイスペック機を中心に採用機種が続々と登場した。しかし、日本で発売される2013年春モデル以降のスマートフォンからは、NVIDIAのTegraシリーズ採用機は姿を消すかもしれない。
関係筋からの情報によると、既に開発が本格化している日本向け2013年春モデル以降のスマートフォンでは、NVIDIAのTegraシリーズは採用されない見込みだという。その理由は主に消費電力によるものとのこと。
スマートフォンユーザーの抱える不満点では、アンケート調査などから、バッテリー持ちが特に問題になっている。
このため、キャリアからはメーカーに対して、可能な限り消費電力を抑えるような端末設計をするように要望が出されているという。
スマートフォンの消費電力は電池容量、画面の大きさや明るさなど様々な要因があるが、SoCも大きな要素の一つとなっている。
関係筋によれば、NVIDIAのTegra 3は競合製品であるQualcommのSnapdragon S4と比較しても消費電力が大きくなる傾向にあるとのこと。このため、キャリアからの要望を受けて、現在開発中の2013年春・夏モデルではTegraシリーズは採用されないようだ。
確かに、日本でも富士通からTegra 3搭載スマートフォン「ARROWS X F-10D」「ARROWS Z ISW13F」が発売されているが、LTEモデムチップをSoCに統合できなかったことも影響したのか、バッテリー持ちを計測するテストでは他のスマートフォンと比較しても、芳しくない結果となっている。
Tegra 3の後継SoCであるTegra 4は2013年第1四半期にも登場見込みと伝えられていたが、日本では搭載端末が発売されることはないのかもしれない。