調査会社のニールセンは、「スマートフォン・メディア利用実態調査レポート(2012年6月版)」をもとに、アプリの利用実態についてまとめた結果を公表した。
レポートでは、Androidユーザー1758サンプル、iPhoneユーザー1191サンプルのデータを集計。スマホの利用経過期間やユーザーの性年代により、アプリに対する利用傾向が異なることが示唆されている。
スマホ利用経過期間によるダウンロード傾向の違い
それによれば、1カ月以内に5個以上無料アプリをダウンロードしたユーザーの割合は、「利用開始0~1ヶ月」で最も高く、Androidユーザーで49.8%、iPhoneユーザーで58.6%となった。
その後ダウンロードしたユーザーの割合は4カ月目まで急減し、4カ月目にはAndroidユーザーが17.6%、iPhoneユーザーが35.0%にまで落ち込む。その後は比較的横ばいで推移するという。
これについて同社シニアアナリストの西村友博氏は、「スマートフォンの利用開始直後に最も積極的にアプリを試し、0~4カ月の間に自分なりの使い方を確立している様子がうかがえる。いったん自分なりの使い方が確立されてしまうと、他のアプリが利用される機会は極端に少なくなる」と分析している。
なお、1カ月以内に5個以上無料アプリをダウンロードしたユーザーの割合をAndroidユーザーとiPhoneユーザーで比較すると、iPhoneユーザーのほうが全期間でAndroidユーザーよりも10~20ポイント程度割合が高く、アプリのダウンロード意向が高い傾向も明らかになった。
利用OSや性年代によるアプリの選択基準の違い
アプリをダウンロードする基準では、無料アプリが最重要視され、特にAndroidユーザーでは90%が「無料のアプリであること」を選択の基準とした(iPhoneユーザーより5ポイント高い)。
また、信頼できるアプリ配信ストアで公開されていることも重要で、Androidユーザーの46.5%に対しiPhoneユーザーは36.1%となった。iPhoneユーザーはAndroidユーザーよりもアプリストア内のランキングおよびダウンロード件数を重視する割合が高く、それぞれ18.9%:24.3%、20.3%:15.2%という結果になった。
さらに調査では、性年代別のアプリ選択基準についても触れている。女性のほうが周囲の友達が薦めたりすでに使っているアプリを選択する傾向にあり、男性はアプリストア内での評価やメディアでの評価を基準とする傾向が強いとされている。
年代別でみても、若い年代ではいわゆるユーザーの評価を選考の基準にする傾向がある一方、年齢が高くなるにつれて「アプリストア自体の評価」や「メディアでの評価」に関する項目をより重視するようになるという。