富士通研究所、テレビ映像を携帯電話で撮影するだけでURLなどの情報を取得できる技術を開発

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映像と携帯電話との通信による新しいサービスの例

富士通研究所は4日、これまで困難であったテレビなどの映像と携帯電話間での通信を実現する、新たな情報通信技術を開発したと発表した。テレビCMを視聴者が画面を携帯電話で撮影するだけで、あらかじめ埋め込まれた情報(CMに関連したクーポンやサイトのURLなど)を取得することができるようになるという。

これまで、テレビやデジタルサイネージ(電子的な表示装置を用いて情報を発信するシステム)などの画面に映っている映像に関連した情報を直接受け取る手段はなく、視聴者はそれらの映像をみた後に、関連情報を自らキーワード入力して検索しているのが現状。

そこへ今回の技術が、クーポンやサイトURLの情報取得などはもちろん、TV通販番組でほしい商品が表示されている時に画面を携帯電話で撮って手軽に商品購入ステップに進んだり、海外の映像が表示されている時に撮影して旅行の予約関連情報を入手したり、周辺にある店舗の案内図を撮影すると店舗情報が取得できたりというように、様々なシーンで活用できるというわけだ。

本技術は、映像と携帯電話を連携させるための従来技術である可視光通信と電子透かしの両方の特徴と利点を兼ね備えたもので、映像と携帯電話との通信をテレビやデジタルサイネージへ適用する場合の要件「映像の画質に与える影響が小さいこと」「離れた距離でも情報を受信できること」を満たしたものだという。

従来技術に比べ、専用の受信装置が不要で既存の携帯電話で利用可能であり、難しい設定が不要といった点も特徴となっている。

今後、テレビ映像から携帯電話へ配信する通信速度を改善し、2013年度中の実用化を目指すとしている。さらには、電子商取引、秘匿通信など幅広い分野での利用も期待されている。

テレビのCM効果も測定できる?

主にユーザー(視聴者)目線でのメリットなどを紹介してきたが、本技術は広告事業者にとっても恩恵が大きい。具体的には、自社ホームページURLへの誘導、クーポンによる集客、CM効果の測定、イベントに連動した新サービスなどが挙げられる。とりわけ「CM効果の測定」は注目だ。

1本のテレビCMを打って、どれだけの人がQRコードを介してサイトを訪れたか、クーポンを入手したかなど、正確なコンバージョンが明らかになることが予想される。「テレビCMはやはりすごい!」となるのか、あるいは「もはや影響力は乏しい」となってしまうのだろうか。