ついにGoogle Driveが正式発表
4月25日、Googleは以前から噂になっていたオンラインストレージサービス「Googleドライブ」を公開した。「Googleドライブ」(以下ドライブ)は、様々なファイルデータを無料で5GBまでクラウド上に保存・管理することができ、追加の有料プランとして最大16TBまでサポートする。
デバイス間での同期やユーザー同士のファイル・フォルダ共有が非常に容易で、様々な環境下でいつでも同じデータを扱うことができる。PC・Mac・Androidスマートフォン用のアプリは既に利用可能で、iOS向けアプリは数週間以内にリリース予定とのこと。試しにPC上にドライブをインストールし、ドライブのフォルダ内にユーザー間の共有フォルダを作成し画像ファイルをドラッグ&ドロップしてみたが、数秒以内に他のデバイスに同期された。
ファイルはオフラインでも表示・編集することができ、オンラインになった時点で自動的に同期される。
従来のWebアプリケーション「Googleドキュメント」はドライブに統合され、Androidアプリもアップデートにより「Googleドライブ」に変更される(ドキュメントファイルはオフラインでの編集に非対応)。むしろ、ユーザーの利用体験としては、Googleドキュメントにドライブが自然に統合された印象を受ける。
ドライブはGoogleアカウントがあれば利用可能で、他のGoogleサービス(Gmail、Google+、旧Googleドキュメント)との連携が最大の強みだろう。例えば、Gmailにファイルを添付するのではなく、ドライブ内のファイルを共有する形になる、というような連携がなされることになる。また、オープンソースのプラットフォームとして開発されているため、外部の開発者がドライブを活用してアプリを開発することができる(SDKが公開されている)。現時点では、ドライブの公開に合わせて、Chromeアプリが20個ほど公開されている。
その他にも、Googleはファイル検索機能をドライブの強みとして強調している。これまでにGoogleが培ってきた画像検索技術で画像を簡単に検索したり、OCRで画像内の文字情報を検索することができる(日本語は未対応)。
比較されるDropboxは窮地に立たされるのか
「Dropbox」はオンラインストレージサービスの代表格だが、今回のドライブの公開によって大きな影響を受けることが予想される。
DropboxがGoogleドライブに対してリードしている部分は、この分野の先行者であるということ(及びそのことに伴うDropboxエコシステム)とスマートフォンアプリからSDカードにデータをエクスポートできる点くらいなのではないだろうか。その点を、どの程度Dropboxの先行者利益として捉えるかによって、Dropboxの将来に対する見方は変わってくるだろう。
DropboxとGoogleドライブの違いとしてインパクトが大きいのが、何と言っても利用料金だろう。
現時点で、Dropboxは無料で2GB(条件により拡張可能)、有料で50GBプランがUS$9.99/月またはUS$99.00/年、100GBプランがUS$19.99/月またはUS$199.00/年、容量無制限のTeamsプランが$795/年(最初の 5 ユーザ)となっている。
それに対して、ドライブは無料で5GB、25GBプランでUS$2.49/月、100GBプランでUS$4.99/月となっており、最大容量16TBで$799.99/月となっている。
100GBプランで比較すると、ドライブの利用料金はDropboxの約4分の1となっている。Dropboxのサービス基盤を考慮すると、この価格差を縮めることは容易ではない。更に言えば、Googleは必ずしもドライブで収益を上げなければならないわけではなく、今後無料利用できる容量が増える可能性は否定できない(現時点では無料で利用できる保存容量を増やす予定はない
[CNET Japan])。実際に、今回のドライブ公開を記念してGmailの無料保存容量が7.5GBから10GBに拡大されている。
Dropbox以外にも、MicrosoftのSkyDriveやAppleのiCloud、その他の類似サービスがしのぎを削るオンラインストレージサービス業界だが、今後がどのサービスが人気を獲得していくのか注目されるところだ。
その他の詳細情報
容量プラン(月額)
- 25GB…$2.49
- 100GB…$4.99
- 200GB…$9.99
- 400GB…$19.99
- 1TB…$49.99
- 2TB…$99.99
- 4TB…$199.99
- 8TB…$399.99
- 16TB…$799.99
ドライブのサポートするファイル形式
- Microsoft Word(.DOC、.DOCX)
- Microsoft Excel(.XLS、.XLSX)
- Microsoft PowerPoint(.PPT、.PPTX)
- Adobe Portable Document Format(.PDF)
- Apple Pages(.PAGES)
- Adobe Illustrator(.AI)
- Adobe Photoshop(.PSD)
- Tagged Image File Format(.TIFF)
- Autodesk AutoCad(.DXF)
- Scalable Vector Graphics(.SVG)
- PostScript(.EPS, .PS)
- TrueType(.TTF)
- XML Paper Specification(.XPS)
- アーカイブ ファイルの種類(.ZIP and .RAR)
- jpeg
- png
- gif
- tiff
- bmp
- WebM ファイル(Vp8 動画コーデック、Vorbis オーディオ コーデック)
- MPEG4、3GPP、MOV ファイル(h264 動画コーデック、mpeg4 動画コーデック、AAC オーディオ コーデック)
- AVI(MJPEG 動画コーデック、PCM オーディオ コーデック)
- MPEGPS(MPEG2 動画コーデック、MP2 オーディオ コーデック)
- WMV
- FLV(Adobe - FLV1 動画コーデック、MP3 オーディオ コーデック)