先日、「MSQRD」というアプリを提供しているMasquerade Technologies社をFacebookが買収しました。このベラルーシ発の動画フィルターアプリは2015年12月にiPhone版がリリースされ、Android版は3月5日に配信を開始したばかり。瞬く間に各国のApp Storeで1位をかっさらい、SNSで話題になっていた矢先の買収劇でした。
Final @msqrdme testing pic.twitter.com/UMFycdhtcV
— Dmitry Kurilo (@dmitry_kurilo) 2015年12月10日
このMSQRDは、撮影中のセルフィー(自撮り)動画にリアルタイムでフィルターをかけて加工するアプリ。ファインダーに捉えられている顔の遠近・大小だけでなく、向きや表情まで認識し、フィルターを変化させます。
レオナルド・ディカプリオ風
使い方は非常にシンプルで、フィルターを選び、画面に表示されている顔型の枠内あたりに頭部が収まるようにし、録画ボタンをタップするだけです。他にできることは、インカメラと背面カメラを切り替えることと動画撮影ではなく写真撮影に切り替えることくらいで、とくに使い方に悩むことはないはず。撮影した動画・写真は、InstagramやFacebook、Twitterなどに投稿できるほか、端末に保存することも可能です。
用意されているフィルターの数は、2016年3月11日時点で40種類以上(iPhone版)。フィルターによっては、頭を動かしたり口を開いたりする動作を要求されます。Android版はリリースされたばかりのためか、フィルター数が少なく(ディカプリオ風フィルターはなし)、動作も不安定ですが、とりあえず楽しんでみる分には問題ないでしょう。
左:ハリー・ポッター風右:アイアンマン風
MSQRDは当面、現行アプリのまま提供され続け、新機能も追加されていく予定。もっとも、それと並行して、FacebookやFacebook MessengerでもMSQRDの動画フィルター技術を利用した機能が登場することになりそうです。
Facebookとしては、同種の技術を取り入れているSnapchatに対抗するためにも、是が非でも動画フィルター機能を欲していたところだったはず。Snapchatなどを愛用する若年層にリーチするためにも、人気急上昇中のサービスを買収するというスピーディーな選択は効果を発揮していきそうです。いずれにせよ、Facebookというソーシャルの巨人がサービスを会社ごと買収したことで、この動画フィルター技術を楽しむユーザー数が桁違いに増えていくものと思われます。