懐かしのキャラたちにレゴの姿でもう一度会える『LEGO ピクサー：ブリックトゥーンズ』

世界中で大人気のレゴブロック。子どもの頃に遊んだ思い出を持つ人も多いのではないでしょうか。何でも組み立てられるレゴブロックの魅力は、近年では大人にも大人気です。そんなレゴが、数々の名作アニメーション映画を世に送り出してきたピクサーとパートナーを組み、珠玉のアニメーションシリーズを完成させました。誰もが知るキャラクターたちがレゴのキャラクターになった姿を楽しめる短編集『LEGO ピクサー：ブリックトゥーンズ』がディズニープラスで独占配信中です。

本シリーズでフィーチャーされるのは、『カーズ』『メリダとおそろしの森』『Mr.インクレディブル』『ファインディング・ニモ』『リメンバー・ミー』の5作品。それぞれの登場キャラクターたちの一風変わったエピソードを切り取りレゴの世界に落とし込み、大人も子どもも楽しめる愉快な作品を作り上げています。

本作は1本あたり9分程度の短編なので、小さいお子さんと一緒に楽しむのにも適しています。エピソードは、どれもほんわかした、各作品の登場人物たちの日常を切り取ったような面白さがあります。それぞれのエピソードの見どころを見てみましょう。

天才レーサーのマックィーンにピンチが訪れます。レース直前にタイヤの交換をしなければならなくなったのですが、なんとオフロード用の四輪駆動用の大きなタイヤしかありません。しかたなくそのタイヤでレースに臨むマックィーン。ピンチを乗り越えられるのでしょうか。

『カーズ』のキャラクターたちは、元々車を擬人化したものなので、レゴになったら何だかチョロQみたいでかわいいです。

メリダは、3つ子の弟であるハリス・ヒューバート・ヘイミッシュを連れて森へと出かけますが、そこで奇妙な儀式跡を見つけます。うっかりそれに触れてしまった3つ子のうちの1人が石に変えられてしまいます。メリダは弟を助けるべく動きます。

この作品では、凛々しくも優しい弟想いのメリダの活躍が観られるのはファンには嬉しいポイント。3つ子の相変わらずないたずらっ子ぶりも懐かしく、日常の一風景を切り取ったかのような温かい読後感に溢れた一篇です。

スーパーヒーロー・一家の夫であるボブはいつも通り食事の用意をするため、赤ん坊のジャック・ジャックの面倒を見るように息子のダッシュと娘のヴァイオレットに言いつけます。ところが、ジャック・ジャックは自身の能力でどこかへ消えてしまい、ダッシュとヴァイオレットは行方を捜すことになります。

レゴになっても各キャラクターの特徴をよく捉えていて、超能力一家の騒がしい日常を切り取ったユニークな物語が展開します。

ニモやドリーたちは深海の遠足に出かけることに。そこで発見したのは沈没船。お宝が眠っていないかと胸躍らせるニモたちですが、思わぬトラブルが発生します。

本作がレゴブロックを題材にしていることを一番上手く生かしたエピソードと言えます。レゴの醍醐味は何といっても自分で組み立てる喜び。レゴを組み立てる楽しさを描いたエピソードと言えるでしょう。

死者の日に再び、死者の国を訪れたミゲル。目的は歌のコンテストに出場するため。ヘクターやママ・イメルダとも久々の再会も果たし、意気揚々と出番を待つミゲルですが……。

ミゲルの歌唱は素晴らしく、聴きごたえがあります。

どのエピソードも、懐かしの名作のその後、登場キャラクターたちのささやかな日常を覗かせてもらっているような気持ちになり、幸せな気分になります。映画の中の物語が終わっても、あのキャラクター達はどこかで生きていると実感させてくれるのです。また、レゴキャラクターになっても、表情豊かで個性あふれるキャラクターたちの魅力が損なわれることなく表現されているのも、ファンにとっては嬉しいポイントです。

レゴのデザインの面白さを再確認するとともに、ピクサーキャラクターにもう一度出会えるこの短編集。ファンなら必見のシリーズです。