iPhoneで解決の難しい不具合が起きたときに、リセットは有効な手段の一つです。一方で、「設定」アプリからリセットする際に「すべての設定をリセット」と「すべてのコンテンツと設定を消去」の2つがあって、どちらを選ぶべきか戸惑った人もいるのではないでしょうか。
今回は「すべての設定をリセット」に焦点を絞って、すべての設定をリセットを実行すると何が残って何が消えるのかについて解説。また、どのようなときに「すべての設定をリセット」すべきなのかを紹介します。
「すべての設定をリセット」ではiPhoneの設定のみがデフォルトに
iPhoneの「すべての設定をリセット」は、文字どおりiPhone内の設定を最初の状態にリセットする機能です。リセットされるもの、されないものについて解説していきます。
iPhoneの「設定」アプリで変更した内容の多くがリセットされる
「すべての設定をリセット」をおこなうと、「設定」アプリで初期設定から変更した内容の多くがリセットされます。ただし「おやすみモード」の設定内容、および「パスワードとアカウント」に保存したパスワードはリセットされません。
Apple Payで登録したカード情報もすべてリセットされますが、アプリの購入などのために登録されたクレジットカード情報は削除されません。
写真やアプリのデータは消去されない
「すべての設定をリセット」しても、iPhoneに保存されている写真やアプリのデータは一切消去されることはありません。とはいえ、万が一の事態に備え、リセット前にiPhoneのバックアップをとっておくと安心です。
iPhoneのバックアップのとり方については、下記記事を参照してください。
iPhoneのデータをバックアップして復元する2つの方法──iTunes/iCloudバックアップの違いと手順まとめ
「すべてのコンテンツと設定を消去」(初期化)との違いは?
iPhoneの「設定」アプリにある[リセット]には、「すべての設定をリセット」と「すべてのコンテンツと設定を消去」の2つがあります。これらの決定的な違いは、ユーザー情報(Apple ID)の削除と写真やアプリのデータ削除を伴うか否かという点です。
「すべてのコンテンツと設定を削除」では、iPhoneが工場出荷時の状態まで完全にリセットされるため、iPhoneに登録しているApple ID情報も消されてしまいます。当然、iPhoneの中に保存されている写真やアプリなどのデータもすべて削除されます。「すべてのコンテンツと設定を削除」でiPhoneを初期化する際には、iCloudやPCへのバックアップ作成を確実におこなう必要があります。
一方で、「すべての設定をリセット」はiPhoneの設定リセットがメインになるため、Apple IDの登録情報および写真、アプリなどのデータには干渉しません。
どのようなときに「すべての設定をリセット」するべきか
「すべての設定をリセット」はiPhone内のデータには関与せず、設定のみをリセットするものです。そのため、ネットワーク接続など設定のみに関わる不具合が発生したときに有用です。
また、iPhoneの各種設定を初期化したいときに、数多くの設定を個別に確認していては手間と時間がかかります。そういった場合に、一括で設定をデフォルトにできる「すべての設定をリセット」が活用できます。
iPhoneで「すべての設定をリセット」をおこなう手順
「すべての設定をリセット」は、iPhoneの「設定」アプリからおこないます。
左:「設定」アプリの「一般」から[リセット]を選択右:[すべての設定をリセット]をタップ
[一般]→[リセット]と進んだ画面で[すべての設定をリセット]をタップします。このとき、誤って[すべてのコンテンツと設定を消去]をタップしてしまわないよう注意してください。
警告文が2回表示されるので、どちらも[すべての設定をリセット]を選択。iPhoneに設定したパスコードを入力したら、設定のリセットがスタートします。
リセットが完了すると、iPhoneは自動的に再起動されます。
バックアップからリセットした設定を復元する方法
「すべての設定をリセット」する前の設定を取り戻したいときには、バックアップから復元する手があります。ただし、過去のバックアップから復元するには、「すべてのコンテンツと設定を消去」でiPhoneを工場出荷時の状態まで初期化しなければなりません。
iPhoneを初期化して復元する方法については、下記記事を参照してください。
検証端末:iPhone X(iOS 12.4)