フクロウと呼ばれた男

政界を操る男とその家族の愛憎劇『フクロウと呼ばれた男』はディズニープラスで配信中

欲望渦巻く世界がたどり着く、衝撃の結末とは

日本の政治に関する報道は多いのですが、表に出る情報は実はほんの一握り。その実態は不透明で一般人には掴みづらいものです。そんな政界の裏側を描く意欲的な作品が、ディズニープラスオリジナルドラマ『フクロウと呼ばれた男』。

主人公を名優・田中泯が演じています。描かれるのは日本の政財界を裏から牛耳ってきたフィクサーとその家族。権謀術数渦巻く政治の裏側、権力と金、そして欲望と愛に翻弄される家族の物語がドラマチックに展開します。

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政治を意のままに操るドンも、家族は思い通りにならない

日本政界の裏のドン・大神龍太郎(田中泯)は日本の未来を真剣に憂い、国のためならどんなことでもやってきた男。ある日、次期総理候補として推そうとしている政治家・竹内(中村雅俊)の長男が謎の死を遂げ、龍太郎は事態の収拾を図るために動き出します。

そんな龍太郎には4人の子どもがいます。長男の一郎(安藤政信)は父の誕生パーティに妻ではなく不倫相手を連れてくるような、だらしない男。一郎は自分の無能さを恥じてはいるものの、父の期待に応えるような男になれず苦悩しています。長女の弓子(長谷川京子)は、一見幸せそうな家庭を築いているかのようですが、夫が投資に失敗し多額の借金を抱えていることが判明します。

次男の龍(新田真剣佑)はアメリカ留学から帰国し、NPOの職員として働く実直な青年。偶然知り合ったアメリカ人ジャーナリストと恋仲になっていきますが、彼女がフィクサーの動向を追いかけていることは知りません。次女の理沙子(中田青渚)は、歌手になりたいという夢を持っていますが、すでに25歳で今からデビューできるのかと不安に感じています。

物語は、龍太郎一家の軋轢と次期総理選出の主導力争いを軸に展開していきます。政治の世界を思うままに操ってきた龍太郎も、家族の問題となるとそうそうスムーズには解決できません。そんな隙を対抗勢力は突いてきますが、その権力闘争の裏にはかつての因縁などが複雑に絡み合い、事態は思わぬ方向へと転がっていきます。

豪華キャストの演技合戦が見どころ

本作の見どころは豪華キャストによる重厚な演技合戦です。本作で主演を務めた田中泯は、世界が注目するダンサー・舞踏家であり、数々の映画やドラマで絶大な存在感を発揮してきた名優です。日本を裏から操る老獪なフィクサー像と、家族のことで葛藤する父親としての姿を繊細な演技で見せてくれます。

龍太郎と好対照をなすのが次男の龍。正義感に溢れる彼は、不正を暴くために父が相手であっても立ち向かう青年です。そんな龍を演じるのは、実写版『ONE PIECE』のゾロ役で世界的にブレイクした新田真剣佑。得意の英語を駆使した台詞回しもあり、彼の魅力が存分に発揮されています。

次男とは違い、劣等感にさいなまれている長男の一郎を演じるのは安藤政信。偉大な父の陰に怯えている彼の不実な愛が一家にほころびを生じさせますが、その脆い男性心理を巧みに演じています。長女の弓子を演じる長谷川京子は、完璧だったはずの夫と子どもとの家庭生活を何とかしようと奔走する役どころ。次女の理沙子役・中田青渚は、作中で自身の歌唱も披露し、みずみずしい魅力を放っています。

その他、萬田久子、大友康平、原田美枝子、益岡徹などベテラン俳優勢が脇を固める本作。日本の地上波ドラマにはない重厚感が魅力の、日本版『ハウス・オブ・カード』と言える一作です。

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『フクロウと呼ばれた男』のストーリー

日本の政治を裏で牛耳るフィクサー、「フクロウ」こと大神龍太郎。次期総理選出を巡り政界の闇に身を投じるダークヒーローとその家族を描く、衝撃のポリティカル・サスペンス。

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SORA