街歩きアプリ「膝栗毛(ひざくりげ)」は、普段生活している街や旅先の歴史を音声ガイドやマガジンを通じて歩きながら学ぶことができる無料アプリです。
本記事では、膝栗毛の魅力や使い方のほか、実際に膝栗毛を利用して街を歩いてみた感想、ポイント交換方法などを紹介します。
街歩きアプリ「膝栗毛」とは?
2021年にサービスがスタートした、街歩きアプリ「膝栗毛」。どういうアプリなのか、特長やコンセプト、今後の展望などについて解説します。
街歩きから地域活性化へ
膝栗毛は、「身近なまちの、何気ない道を、エンターテインメントに」をコンセプトに街歩きを楽しめるコンテンツを提供するアプリです。
街を歩いてアプリに登録された史跡や店舗などのスポットに近づくと、その場所の歴史やゆかりを音声ガイドやマガジンが解説してくれます。いつも通っている道や生活している街の知識を深めたり、旅先の歴史を知れたりと、ストーリーを感じられるわけです。

アプリは無料で使えるだけでなく、訪れたスポットの数に応じてポイントを貯められます。貯めたポイントは景品と交換できるほか、特定店舗での割引などに利用することも可能です。
膝栗毛を提供するアットホーム株式会社では、全国の自治体や不動産会社、協力関係にある団体等とのリレーションを活かし、 移住・定住を通じた地方創生や空き家問題など地域活性化に取り組んでいます。膝栗毛もその一端を担っています。
「膝栗毛と不動産情報サービス事業の双方の特性を活かすことで、その地域での交流人口を増やし、関係人口の創出から定住人口の増加へつなげるというところまで、継続的な地域活性化に寄与したいと考えています」(担当者)
自転車で巡るルートも登場
現在、東海道を中心に東京都内や京都、静岡などのルートが用意されていますが、今後はさらに街歩きが楽しめるルートの拡充が予定されるほか、歩くだけではなく自転車で巡るルートなども登場しています。
2024年秋には、散歩のようにゆったりと気の向くままに自転車を走らせる楽しみ方「散走」向けのルートとして、大田区(3コース)、江東区(4コース)、東京ベイエリア(1コース)の計8コースが追加されています。
膝栗毛の始め方
膝栗毛の登録方法や、アプリの主な機能や使い方を紹介します。まずはアプリをインストールしましょう。
アプリをインストールしてユーザー登録する

[アカウント作成]をタップ

ニックネーム・ID(メアド)・パスワードは入力必須

入力を終えたら[登録]をタップ
まずはユーザー登録をおこないます。
をタップします。なお、アカウントを作らないで利用することもできますが、ルートを歩く機能などは使えないので、基本的には登録が必須です。画面が切り替わったら、ニックネームや居住地などを設定します。必須項目は、ニックネーム・ID(メールアドレス)・パスワードのみです。居住データや生年月日や身長などの基礎データ入力は任意となります。
最後にメールアドレスとパスワードを入力したら[登録]をタップしましょう。これで利用登録は完了です。チュートリアルが終わるとトップページが表示されます。
アプリに登録されているルートから歩きたいコースを選ぶ

アプリには、「東海道五十三次」や「丸の内・皇居」「京の食路」など、さまざまなルートが13種類登録されています(2024年12月現在)。今回は、試しに東海道五十三次を選んでみます。東海道五十三次の[このルートを選択する]をタップしましょう。

「マガジン」では、コースのおすすめ情報が詳しく記載されている

その場所に行くと聞ける「音声ガイド」情報もある

「膝栗毛茶屋」にはコース内の提携店舗の情報がまとまっている
東海道五十三次にあたる「日本橋〜品川」から「大津〜京都」まで、東海道の全55コースがタブで細かく分かれています。
各タブには、そのコースの歴史やグルメ・観光情報がまとまった「マガジン」や「音声ガイド」のほか、後述するほかのユーザーが街歩きして投稿した「膝栗毛日記」、景品交換や休憩ができる提携店舗情報が掲載されています。提携店舗によっては、街歩きをして貯めたポイントで割引などの特典を受けることができます。


歴史的な街や世界遺産など、歩くのが楽しくなるルートが揃う
ルートは東京都内や東海道五十三次のほかにも、京都や大井川鐵道沿線、世界遺産に登録されたばかりの佐渡金銀山など、旅行先にもなるスポットも登録されているので、興味があるルートを探してみましょう。
膝栗毛と一緒に実際に東海道を歩いてみた
膝栗毛の楽しみ方やポイントの貯め方の手順を、実際に街歩きしながら解説していきます。
歩きたいルートを選ぶ

歩くコースを選んで[このコースを歩く]をタップ

[歩き旅を開始する]をタップ
今回は、東海道五十三次ルートの中から「戸塚〜藤沢」コースをアプリと一緒に歩いてみました。上部のタブからコースを選択したら[このコースを歩く]をタップします。
画面が切り替わって、地図上に関連スポットのアイコンが表示されました。自分の現在地やスポットの場所を確認したら[歩き旅を開始する]をタップします。

再度、出発地と目的地を選択する

アイコンの説明画面で[次へ]をタップして歩き旅スタート
改めて、出発地と目的地を選択します。出発地を「藤沢宿」目的地を「戸塚宿」としました。アプリの地図上に表示されるアイコンの説明が表示されるので、[次へ]をタップすると歩き旅がスタートします。
チェックインスポットで写真を撮ってチェックインをする

JR藤沢駅前から街歩きスタート
今回はJR東海道線の藤沢駅前からスタートします。まずは、地図を見ながら一番近くにあるスポットを目指して歩きました。

近くのアイコンを目指して街歩き開始

アイコンをタップし[もっと詳しく]をタップ

チェックインポイントの解説が読める
チェックインスポットのアイコンのマークには、スニーカーの「散策」、ナイフとフォークの「飲食店(食べる)」、ショッピングバッグの「買い物」など、何種類かあります。
アイコンをタップすると、チェックインスポットの詳細情報が表示されます。現在は距離が離れているため、「チェックイン範囲外」となっているのがわかります。[もっと詳しく]をタップすると、そのスポットの歴史や情報が表示されます。

チェックインスポットに近づくと通知が届くので[チェックイン]をタップする

[撮影してチェックイン]をタップ

撮影できたら[写真を使用]をタップ
そして最初のスポットに近づくと、スマホに通知が届きました。アプリを開くと先ほどまで「チェックイン範囲外」となっていたアイコンが[チェックイン]に変わっているのでタップします。
チェックインは、スポットの写真を撮影してアプリに登録することで完了します。[撮影してチェックイン]をタップするとカメラアプリを起動できるので、写真を撮影しましょう。撮影ができたら[写真を使用]をタップします。

[登録]をタップしてチェックイン写真を登録する
![[チェックインしました]と表示される](/sites/default/files/styles/portrait_lg_1/public/2024/12/02/r-2412-hizakurige-26.jpg)
[チェックインしました]と表示される

チェックインごとにポイント10文を受け取れる
写真を撮影して[登録]をタップするとチェックインが完了します。
チェックインが終わると、「10文」のポイントを獲得できました。1カ所チェックインするごとに10文を受け取ることができます。
その場でしか聴けない音声ガイドを聴く


チェックインスポットの種類はさまざまで、新しい気づきも多い
1カ所チェックインできたので、ほかのスポットも目指しました。地図を頼りに進みますが、歩きスマホにならないように注意しましょう。
スポットは史跡や店舗のほかにも、藤沢宿の関連資料を展示する市の交流館などもありました。

スピーカーマークでは音声ガイドが聴ける

[再生する]をタップ

音声ガイドではテキストと一緒に聴くことができる
「藤沢宿蒔田本陣跡」はスピーカーのアイコンが表示されていました。ここでは音声ガイドを聴くことができます。
[もっと詳しく]をタップし、[再生する]をタップすると音声ガイドが流れます。テキストと一緒に音声ガイドを聴くことができました。

その場に行かないと聴けない音声ガイドのスポットもある
街歩きを終了して日記を投稿する

アプリ右上の[終了]をタップ

[終了する]をタップ
藤沢宿〜平塚宿は約13.9kmありますが、今回は、1時間ほど歩いて10カ所のスポットにチェックインしたところで一区切りして終了することにしました。
街歩きをやめるには、アプリ右上に表示されている[終了]のアイコンをタップし、[終了]をタップすれば完了です。

日記では写真や文章を残すことができる

[投稿する]をタップ

日記を投稿すると30文がもらえる
歩き旅の終了後は、日記を書くことができます。日記では、道中で撮影した写真や文章を投稿することができ、日記を投稿すると30文獲得することができます。
日記を下にスクロールしていくと、今回歩いた距離や歩数、消費カロリーなどもチェックすることができます。今回は、1時間8分で3.87km、4000歩以上の距離を歩きました。[投稿する]をタップすると、日記が公開されてほかのユーザーからも閲覧できるようになります。
獲得したポイントを利用する
チェックインや日記投稿で獲得したポイントは、トップページの下に表示されている「景品交換」のタブから景品に交換することで使うことができます。

「景品交換」のタブをタップ

割引券のほか、アプリオリジナルのグッズが並ぶ

ステッカーの交換場所は現時点では限られている
交換できる景品はバッグや服などのオリジナルのアパレルグッズが中心で、景品によってはユナイテッドアローズとのコラボモデルもあります。必要なポイント数に関しては、帽子や靴下、Tシャツなどと交換するには2両500文や3両が必要なので先が長そうですが、今回獲得した100文でも交換できるオリジナルステッカーや200文で交換できる銭湯タオルなどがあります。
景品は、膝栗毛茶屋など提携の指定店舗にて交換できます。ただし、ステッカーは現時点で東京・神奈川・静岡の5店舗でしか交換できないようで、遠方の人が気軽に交換に訪れるのは難しそうです。このほかにも、店舗のドリンクが50文で50円割引になる特典もありました。
膝栗毛を使って感じた良い点・改善してほしい点
実際に膝栗毛を使ってみて気づいた良い点や惜しい点をまとめてみました。
膝栗毛の魅力・メリット
- 普段歩いている場所や旅先の情報・歴史を楽しみながら学べる
- アプリを利用して貯めたポイントを景品や商品割引に利用できる
- 歩いた距離や消費カロリーなど、利用時の記録をチェックできる
実際に膝栗毛を使ってみましたが、チェックインスポットが豊富で、思ったより充実した街歩きができました。個人的に普段は藤沢に訪れると南側の江ノ島や鎌倉の方面へ行きがちなのですが、北側の東海道でも史跡や神社仏閣などを発見することができて、まだ歩いたことがない道への興味も増しました。
今後は、京都などへ行ったときにも使ってみたいと思っています。また、チェックインスポットは今回の藤沢宿〜平塚宿だけでも100カ所以上あったため、継続していけば、ポイントも多く貯めることができそうです。
膝栗毛の惜しい点
- バッテリーの消費が早いため、使用中の残量には注意が必要
- 景品を交換できるスポットや方法の拡充
- 歩いたルートや割合の記録・次回の歩き旅への引き継ぎ
気になったのが使用中のバッテリー消費。常にGPSが起動している状態でアプリ上での操作も多いため、バッテリーはかなり早く減っていきます。今回は1時間ほどの歩き旅で、残量が68%から17%になりました。
初めてで使い勝手が分からなかったり、スクリーンショットを撮りながら歩いていたため、アプリを開いていた時間は長かったと思いますが、長時間使うときは、モバイルバッテリーを持って行ったほうが良さそうです。
また、今回は藤沢宿〜平塚宿の一部を歩きましたが、全体の中でどのくらい歩いたかがよく分かりませんでした。歩いたルートや残りの距離なども記録して、次回続きのスポットから再開できるようになってくれると、歩き通すモチベーションが高まりそうです。