モバイル通信料は高い?
スマートフォンを使うようになってから、通信料が高くなったと感じたことはないだろうか。
従来型の携帯電話に比べて多くのデータ通信を行うスマートフォンは、パケット定額の料金プランも安いとはいえない金額に設定されている。契約時のキャンペーン等で大幅な割引をしているユーザーは別として、多くのスマートフォンユーザーが基本料金や通話料とは別に、月額5000円前後のパケット定額料を支払っていることだろう。
毎月の固定費として引き落とされているので普段はあまり気にならないが、改めて考えてみると、パケット定額料金だけで年間6万円近く支払っているというのはかなりの出費だ。
もし仮にこれだけの金額があれば、近場なら海外旅行に行ってそれなりに良いホテルに泊まれるだろうし、安価なパソコンも余裕で買えてしまう。
自宅にネット環境があり、毎月プロバイダ料金を4000〜5000円ほど払っているのであれば、外出先で四六時中インターネットを利用する人でない限り、ほぼ同額の通信費を支払うのは金銭的に無駄が多いのではないだろうか。
幸い、スマートフォンの普及とともに無線LANを使えるスポットが増えた今、3G・LTEを使わずに無線LANスポットで通信するという利用形態が現実的になってきた。データ通信をする必要がある時だけ無線LANスポットを利用する使い方も、選択肢の一つとして浮上してくる。
主な無線LANサービス比較
国内で提供されている有料の無線LANサービスは多数ある。以下の表では、主なサービスを通信速度と料金体系で比較した。
サービス名 | 通信速度 | サービスエリア | 料金体系 |
---|---|---|---|
OCNホットスポット |
上下最大54Mbps (IEEE802.11g/a) 上下最大11Mbps (IEEE802.11b) |
サイト |
OCN会員:月額315円 非会員:月額525円 |
BBモバイルポイント |
最大3M~4Mbps (IEEE802.11b/g) |
サイト |
6時間:350円 1週間:700円 |
Yahoo!無線LANスポット | 最大54Mbps | サイト |
一般:月額525円 Yahoo!プレミアム会員:月額210円 |
フレッツ・スポット |
上り最大100Mbps 下り最大54Mbps (IEEE802.11b/g) |
サイト |
フレッツ会員:月額210円 非会員:月額945円 |
eoモバイルWi-Fiスポット | 最大54Mbps | サイト | 月額1575円 |
Wi2 300 |
下り最大300Mbps (IEEE802.11n) |
サイト | 月額380円ほか |
ワイヤレスゲート | 最大54Mbps | サイト | 月額380円ほか |
エコネクトWi-Fi | 最大54Mbps | サイト | 月額380円 |
この表からもわかる通り、携帯キャリアのパケット定額サービスと比較して格段に安い料金でデータ通信を利用できる。しかも、接続できるポイントはかなり多い。出先で少し使いたい時なども、すぐに利用可能だ。
また、スマートフォンのみの通信サービスと違い、ノートパソコンやタブレット端末等の無線LAN利用可能機器ならどれでも接続できるのも魅力的だ。
例えば、カフェにパソコンを持ち込んでゆっくり仕事がしたいという場合にもすぐに利用できる上、無料の無線LANと違って複数のアクセスポイントを一つのアカウントで利用できる場合もあるので、かなり使い勝手が良い。
スマートフォンやノートパソコンに無線LANが標準で提供されている現状で、このサービスを活用しない手はない。
無線LANサービスを活用して節約する
筆者は、外出先でデータ通信の必要がある場合、月額契約をしているWi2 300をカフェやコンビニで使っている。有料の無線LANスポットを使おうと考えて数社比較した結果、Wi2 300 を選んだのは、次の長所があったからだ。
- 契約や使い方が簡単で月額料金が安い
- ログイン時のセキュリティーもしっかり確保されている
- 接続できるスポット数が多く、地方でも十分活用できる
1. 契約や使い方が簡単で月額料金が安い
まず契約についてだが、これは非常に簡単でスピーディーだ。メールアドレスや支払いに使うクレジットカードを登録して会員になれば、その場ですぐに使える。そして月額プランはたったの380円で1ヶ月使い放題だ。
2. ログイン時のセキュリティーもしっかり確保されている
また、ローミングエリアでWEP方式のセキュリティを採用しており、ログイン時にIDとパスワードで認証する必要があるため、セキュリティがしっかり確保されているのも有料契約をしている利点だ。
ログイン時にIDとパスワードによる認証を必要とするのはセキュリティーの面では良いが、頻繁に使うユーザーの中には、いちいち入力するのが面倒と思う人もいるだろう。その場合は、会員のマイページで Wi2 300 に接続する端末のMACアドレスを予め登録しておこう。
接続する端末を登録しておくことにより、次回からエリア内にくれば自動でログインするのでID等を入力する必要がなくなるという仕組みだ。これは利用者側の利便性をよく考えてあると感心する、まさに痒いところに手が届くシステムだ。
3. 接続できるスポット数が多く、地方でも十分活用できる
接続できるスポットが多いというのも、契約する上では見逃せないポイントだろう。無線LANスポットは東京のような大都市では数多く存在するが、地方都市では少ないというのも事実。
このような状況から、地方在住の方々の中には「契約しても無線LANを使える場所があまり無いのではないか」と考える人もいるだろう。だが、Wi2 300 の場合は、ローソン等のコンビニの多くに接続スポットが設置してあり、山口県在住の筆者の周りでも多くのスポットが確認できる。コンビニだけではなく、カー用品店やカフェ、市役所等の公共施設にもスポットが設置されている場合がある。
地方都市は車移動が基本なので、コンビニ等の大抵の店舗には無料の駐車場が広々と確保されている場合が多い。買い物ついでに駐車した車内からパソコンをネット接続すれば、外出していても車内がすぐにパーソナルオフィスになるというわけだ。
もちろんカフェで接続してゆっくりと作業するのもいいし、iPod touch や PSP のようなWi-Fi搭載の小型情報端末で隙間時間にインターネットを楽しんだり、オンライン対戦やコンテンツのダウンロードといったエンターテイメント利用も可能だ。
YouTube のような動画をストリーミング配信するサービスを利用した場合でも、それなりの速度で通信できるので、閲覧にも十分実用的だ。
スマホを持たない選択
筆者は昨年の春から Wi2 300 を契約していて、現在は携帯やスマートフォンを利用していないが、困ることはない。携帯の代わりに iPod touch をポケットに入れて外出すれば、カフェで Wi2 に接続してコーヒーを飲みながらニュースサイトの閲覧やメールチェックもできるし、音声通話が必要な場合は Skype や 050plus 等を利用すれば十分こと足りる。
iPod touch は大抵のスマートフォンより薄く軽いので持ち運びが全く苦にならないし、基地局と常時通信している訳ではないのでバッテリーの持ちが良い。スマートフォンを持ち歩くより遥かにスマートだと思うのだ。車で移動する場合には iPad やノートパソコンを車内に持ち込めば、外出先でこれらを接続し、更にパワフルなモバイル環境で作業が可能となる。
これだけ使い倒して月額がたったの380円なのだから、今まで5000円近く携帯代金を払い続けていたことを少し後悔したくなる。差額は一年に換算したらかなりの金額だ。
携帯を持たないと不安に思うこともあるだろうし、そもそも仕事が成り立たないという方もいるだろうが、自分の利用頻度を一から見直しコストパフォーマンスに合った選択の一つとして有料無線LANスポットの利用を検討するのも良いのではないだろうか。