マンガボックスとcomicoは2013年からサービスの提供を開始し、漫画アプリ市場を引っ張ってきました。ビデオリサーチの調査によれば、共にマンガアプリの中で月間利用率が高いアプリでもあります。
どちらもスマホ時代に生まれたサービスではあるものの、作りは大きく異なります。その違いと特徴を簡単に解説します。
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マンガボックスとcomicoの違い
最終的には紙の本を読んでもらうことを目指すマンガボックスと、スマホに最適化した内容で届けるcomicoは、似て非なる存在です。
マンガボックスの特徴
雑誌の体験を意識した横読み
マンガボックスは、マンガに触れる機会を増やすために生まれたサービスです。
本屋やコンビニに置かれる雑誌は紐で縛られ、以前のようにマンガを立ち読みをすることができなくなりました。その結果、マンガを読む習慣が減り、興味を持つ機会も減っていく。そのような状況が影響してか、マンガ雑誌の発行部数も低下傾向です。
まずはマンガを読んでもらって、最終的には紙の雑誌も読んでほしい。そのような狙いで作られたアプリなので、雑誌でマンガを読む体験を意識した作りをしています。
マンガボックスではプロの編集者が目を通した作品が配信され、マンガは単行本と同じように横スクロールで読み進めていきます。雑誌同様に、コマにはメリハリがあります。
従来の雑誌と同じような体験を提供するのがマンガボックスです。配信では「マンガボックス○号」とナンバリングがされており、各作品の最新話が収録されています。
※「マンガボックス インディーズ」では、縦読みの作品もあります
連載作品は単行本化
マンガボックスで連載している作品は、すべて単行本化されています。作品自体は無料で読めるのですが、無料で読める期間が限られており、最終的には有料で販売されるビジネスモデルです。
編集者が作品に携わり、一定の品質が保たれているのがマンガボックスの特徴です。そうした面でも、雑誌と同じような体験ができるといえます。
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comicoの特徴
スマホを意識した縦読み
comicoは、スマホでマンガを読むことを考えて作られたサービスです。マンガは縦スクロールで読む形式です。
マンガボックスのような横スクロールのアプリに比べて、コマのメリハリがつきにくいのは否めません。ユルめのストーリーは合いそうですが、スポーツを題材にしたストーリーや戦闘シーンが多く出現するストーリーとの相性は未知数です。
しかし、これはスマホを意識した新しいマンガ体験なので、よいとか悪いという話ではありません。筆者としては、読んでいてストーリーに没頭できて違和感はありませんでした
作品の公開期限がない
マンガボックスとの違いとして、comicoにはマンガの公開期限がありません。いつでも第1話から最新話まで読むことができます。
マンガボックスのようにすべての作品が単行本化されているわけではありませんが、一部の作品は単行本化されています。「ReLIFE」や「パステル家族」、「ももくり」などが各出版社から刊行され、単行本化の際には横読みに修正されています。
また、comicoのホーム画面にはランキングがあり、そこからマンガを探すという仕組みもマンガボックスと異なります。掲載される曜日ごとのページもランキング順で作品が紹介されており、読者人気の高い作品がユーザーの目に留まりやすい設計になっています。
人気作品を紹介
マンガボックスの「恋と嘘」とcomicoの「ReLIFE」を簡単に紹介します。どちらも単行本化された人気作品です。
恋と嘘（マンガボックス）
政府通知が来ると恋愛禁止になり、国が決めた相手と結婚する世界。
男子高校生の根島由佳吏にも、16歳になる夜に政府通知が届いてしまいます。その前夜に、小学生の頃から好きだった同級生・高崎美咲に秘めていた気持ちを伝えると……。
最新の13話分と第1話から第3話まで読むことが可能です。序盤の第3話までを読むだけで筆者は引き込まれました。
Amazonのレビューは1巻が4.3、2巻が4.4、3巻が4.6と高評価。現在は第69話まで配信されています。
Amazon：恋と嘘(1) (講談社コミックス)
ReLIFE（comico）
「ReLIFE」は、27歳ニートの主人公がリライフ研究所の被験者になり、薬を飲んで高校生に戻って1年間を過ごすという物語。
高校3年生の新学期から、編入生として主人公は高校生活を始めるものの、被験者であることはバレてはいけないという約束が。
27歳の自覚はありながら、高校で出会う様々な生徒の魅力に主人公は惑わされていきます。現在は第108話まで配信されています。
Amazon：ReLIFE (アース・スター コミックス)