なめこアプリに首ったけ - 金曜コラム

android-nameko

マジックマッシュルームにハマっている。終わらない幻覚を見ているかのようだ。アプリの名前は『おさわり探偵 なめこ栽培キット』探偵助手のなめこを栽培・採取してNP(なめこポイント)を獲得し、設備を増強したり薬物を注入したりして新種のなめこを発見していくものだ。先日iPhoneから移植されてAndroidでも入手できるようになり、爆発的な常用者増加の可能性が指摘されている。

その恐るべき依存性は秀逸な効果音に由来する。採取するときのSEが快感なのだ。日本人のみならず外国の人たちもそう感じるようで、海外各国Androidマーケットのレビューには"addict(やめられません)"とか"so cute(とっても可愛いよ)"といった文言が並んでいる。菌類に愛情を感じるという、非常に危険な状態であることがうかがわれる。俗に言う末端価格は無料であるにもかかわらず禁断の果実だと言わざるを得ない。

android-nameko

とは言え、性別や人種を超えて「万人受け」する気持ちいい音というものがもし成立しているとすれば、そこには進化生物学的な何らかのメカニズムが働いていることは間違いなく、非常に深遠なアプリだ。南スーダン大学キノコ学部のLiar Blip Elope教授は編集部の電話取材に対し、「なめこの形状が特定のフロイト的リビドーを刺激するため特に女子にウケるのではないか。これは偶然とは思われず、常習性を高めるため人為的に操作されている可能性が高い」と話してくれた。

“新種のなめこ”のデザインはその多くがなめこの原型をとどめておらず、「ルネサンス絵画を思わせるなめこ」や「明らかに工学的ななめこ」など、そもそもキノコである必然性自体がまったく感じられないものも多い。他の追随を許さない圧倒的にシュールなこの世界観をマジックと言わずして何と言おう。

(当コラムはフィクションであり、実在の人物・団体などとは基本的に関係ありません)