- 木を枯らしたくないから集中できる
- スマホ断ちするための動機付けが豊富
- 箱庭感のある過去データの振り返り
木を枯らしたくないから集中できる
数年前からスマホ依存症が問題視されつづけています。「Forest」はユーザーの「スマホ中毒の自分を変えたい」という悩みに対処するタイマーアプリです。
Forestでユーザーがやることは基本的にシンプルで、単にスマホを触らずにいるだけです。するとアプリ内で樹木がひとりでに育ちます。
ここで重要なのは、Forest以外の画面に移動すると、育てている最中の木が枯れてしまう悲劇が待ち受けていることです(iOS版ではディープフォーカスモードをオンにする必要あり)。「なんだ、それだけか」と思った人は、一度Forestを試してみてください。木があっさり枯れた光景、そして森林のかたちで残る履歴に枯れ木が寂しく佇む光景は、あまり気持ちのいいものではありません。
タイマーはデフォルトで25分に設定されていますが、スライダーを動かして10分から120分まで5分刻みで調整できます。タイマーをスタートさせ、あとはスマホを放って仕事や勉強に集中しましょう。セットした時間が経過したら樹木が無事に成長し、休憩時間を挟んで次の樹木を育てる──。このサイクルを延々と繰り返せば、1日を集中して有意義に過ごせるはずです。
Forest内にはBGMが用意されており、集中力を高めることに貢献します。雑音のなかにいると作業が捗るタイプの人向けです。筆者のお気に入りは、最初からアンロックされている環境音「森の中の雨」。AirPods Proのノイズキャンセリングを通して聴いていると、森林に囲まれた別荘の軒先にいる気分になれます。
スマホ断ちするための動機付けが豊富
Forestの秀逸さを象徴するのが、スマホ依存を脱却して集中するための(樹木を育てきるための)豊富な動機付けの存在です。
- コインで新しい樹種・BGMを購入
- アチーブメントを獲得してコインをもらう
- ランキング機能で世界中のForestユーザーと競争
- 植樹リマインダーによる通知
- 本物の木をアフリカに植える
- 強制力が半端ない、「一緒に植える」モード
樹木を育てたときに獲得できるコインは、Forestにおける重要アイテム。新たな種類の樹木やBGMの購入に使用します。樹木をたくさん育てるモチベーションの源泉のひとつです。ちなみにコイン獲得数を3倍にできる有料アイテムも販売されているので、早く樹木とBGMの種類を増やしたいのであれば購入を検討しましょう。
RPGのレベル上げが好きな人であれば「アチーブメント」を獲得していくのが楽しみのひとつになります。ひとつ達成するごとにコインをもらえるのも嬉しいポイントです。またゲーム的な要素としては、世界中のユーザーと競争できるランキング機能も搭載されています。より高みを目指したいのであれば、挑戦しがいがあります。
「植樹リマインダー」は、最大5件までのリマインダーを設定でき、指定した曜日・時刻になると、通知で植樹を促してくれます。決まった時間にスマホを触らないようにしたい人にとっては、ありがたい機能でしょう。
「Forest」っていう集中した時間に応じてコインが貰えるアプリでコインを2500枚貯めて、アフリカのどっかに植樹した。 pic.twitter.com/ChMM8ASAfV
— 少年O (@DaiDai_2000) December 23, 2019
植樹団体のTrees for the futureと提携している点も見逃せません。2500コインと引き換えにサハラ砂漠以南のアフリカに本物の樹木1本を植えてもらうことができるのです(最大5本)。自分が集中した時間で貯めたコインを使って寄付するだけなので、現金の寄付よりもハードルは低いはずです。
Forestのなかで最も危険で有用だと筆者が考えている機能が「一緒に植える」モード。友達と共通のルームに参加して同時に木を育てる機能で、誰かが脱落すると他の参加者の木も枯れてしまう仕組みになっています。一説では、自分が成し遂げたい目標を実現するには、近しい人に目標を宣言することが効果的だといいます。他人から嘘つき呼ばわりされたり、オオカミ少年扱いされたりしたい人はいないからでしょう。「一緒に植える」モードは、さらに強力です。真面目に頑張りたい友達がルーム内に一人でもいれば、格段に強制力が高まります。友人関係にヒビを入れないように注意してください。
箱庭感のある過去データの振り返り
Forestでは、過去の各種データを振り返ることができます。
ひとつずつの木にはタグを付け、メモを添えられます。特定の時間帯に何をやっていたのかを記録しておくと振り返りに役立ちます。
Forestと共に過ごした日々の集大成が「マイフォレスト」。育ててきたた数々の樹木を1日・1週・1月・1年の期間に区切って、まとめて視覚的にチェックできます。
2019年に植えた木?
自分で自分をほめたい!今年一年よくがんばった私!
2020年は頭スッキリ?集中の質も上げたいです。365日、お疲れさまでした。#ForestApp #Forestアプリ pic.twitter.com/3xF8PLeVNQ— 日夏梢 Kozue HINAZ (@KozueHinatsu) December 31, 2019
どれくらいの木を無事育て上げ、いったい何本の木を枯らしてしまったのか。そういった情報が小さな箱庭で凝縮して表現されます。集中できた時間やタグの割合、お気に入りの樹種も確認できます。
タイムライン機能では、Forestの世界を時系列で遡れます。うっかり木を枯らしてしまった事実を「あなたは杉を殺しました」と記録してくる遠慮のなさが、逆にありがたくもあります。
iOS版アプリ(バージョン4.13.0)で検証し、レビューしています。