おすすめのポイント
- 露出を変えて3枚を同時撮影し、黒つぶれや白とびのないくっきり美しい写真に合成
- 特に明暗のコントラストが強い風景で効果を発揮
- 目で見えているような風景を忠実に再現する
- 手ぶれに弱いが、それを応用した別の遊び方もできる
Androidアプリ レビュー
暗くても眩しくてもきれいに撮れる
HDR撮影とは?
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影をご存知だろうか。簡単にいうと、明度の異なる複数の写真を撮影し、黒つぶれや白とびのない適正露出の1枚に合成する手法のことだ。HDR CameraはそんなHDR撮影ができるカメラアプリで、目で見たそのままのように風景を美しくスマホで再現できる。
写真はふつう、明るい所と暗い所を同時に表現することが苦手だ。明るい部分に露出を調整すれば暗い所は黒くつぶれるし、暗い部分に合わせれば明るい所は白く飛んでしまい、特に明暗のコントラストが強い場所では目で見ているようにくっきり撮れないことが多い。
だがHDR Cameraは、露出を変えた3枚の写真を同時撮影し(例えば、窓の外の明るさに合わせた画像、店内の暗さに合わせた画像、その中間の画像など)、合成によって各部分の明るさを自動調整した適正露出の1枚に仕上げてくれる。結果として、くっきりとした写真を撮ることができるというわけだ。
手ぶれは避けたいが、違う楽しみ方も
撮影方法は容易で、アプリを起動したらカメラを撮りたい風景に向け、画面をタップするだけ。[デコード]という表示の後、自動的に1枚の写真に加工されてプレビュー画面になる。ここで、保存するか否かを決められる。
ただ、気をつけたいのが手ぶれ。補正機能はあるものの、3枚の写真を短いインターバルで撮っている(約2秒)ため、端末を動かしてしまうと上手く合成できないのだ。言い換えると、動いている被写体にはHDR撮影自体は向かない。
ところで、筆者が本アプリでいろいろと撮影している中で、この「手ぶれに弱い」性質によって思いがけない写真ができた。とあるカフェの店内を撮ったのだが、ちょうど風景に入っていた女性が動いたためか、首が浮遊した心霊写真的なものが撮れてしまったのだ。動いているものを撮ってみるのも、案外面白いかもしれない。
なお、基本的にデフォルト設定でも十分使えるが、鮮明度やコントラスト、サイズ、ビビッドカラーへの変更など細かい設定もカスタムに行える。ただし、あまり加工しすぎると不自然な出来になってしまうので、デフォルト設定で不満な場合に設定を変更してみる程度にとどめたほうがいいかもしれない。