Androidスマホのデータ使用量を節約するときに検討したいのが「データセーバー」機能の活用。データセーバーを有効化すると、モバイルデータ通信量を少なくできます。
本記事では、データセーバーを利用する上での注意点やデータセーバー機能を設定する方法などを解説します。
データセーバー機能とは──バックグラウンドでのデータ通信を制限
月末になって「あれ? 思ったよりもデータ通信量が多すぎるなぁ……」「データ使用量を使いすぎて速度制限にかかりそう」などという事態に陥った経験があるスマホユーザーは少なくないでしょう。
そこで役立つのが、データセーバー機能。データセーバーとは、スマホのモバイルデータ通信量を節約できる機能です。データセーバーを有効化すると、ほとんどのアプリやサービスでWi-Fi接続時のみバックグラウンドでのデータ通信が実行されるようになり、バックグラウンドでのモバイルデータ通信が大きく制限されるようになります。
そもそも、アプリを操作中にデータ通信が発生するのであれば、ユーザー自身の想定に反するとは言えません。しかし、数多くのアプリでは、そのアプリを操作していない(画面にアプリを表示していない)時でも、バックグラウンドでデータ通信をおこなっています。ユーザーがアプリを使っているとは思っていない時でも、モバイルデータ通信によってデータ通信が発生し、想定外のデータ使用量に達してしまうことが珍しくありません。そんなときにデータセーバー機能を活用すれば、不必要なデータ通信を抑制でき、モバイルデータ通信量を節約できるわけです。
データセーバー利用時の注意点:アプリがバックグラウンドで正常に動作しないことも
データセーバーはデータ使用量を節約できる便利な機能ですが、利用する上での注意点もあります。データセーバーを有効にしていると、アプリやサービスによっては正常な動作が妨げられることがあるのです。
ここでは、正常な動作が妨げられる代表例として、ユーザー数の多い「LINE」や「Gmail」を挙げておきましょう。アプリオ編集部では、LINEの通知が届くのかどうか、モバイルデータ通信下(Wi-Fi未接続)でデータセーバー機能をオンにした状態で検証しました。
結論から言うと、LINEアプリを開いている状態ではメッセージ送信時に受信通知がすぐに届きましたが、LINEアプリを閉じている状態(LINEはバックグラウンドで動作)だと受信通知が届きませんでした。データセーバー有効時はバックグラウンドのデータ通信が制限されるため、LINEアプリが正常に作動しなかったためだと考えられます。
もっとも、データセーバー有効時に受信を制限されていたメッセージでも、LINEアプリを開けば受信できます。メッセージが届かず、迷子になってしまうようなことは起こりませんでした。したがって、常に即返信を心がけているような人でなければ、LINEを利用する上で特に大きな問題にはならないでしょう。
Gmailでも検証をおこなったところ、結果はLINEと同様でした。データセーバー有効時にGmailアプリを閉じているとメールを送信されても受信されず、アプリを開いてリフレッシュした段階でメールを受信できました。
なお、データセーバーを有効にしていても、個々のアプリごとにバックグラウンド通信を許可する方法もあります。くわしくは後述します。
データセーバーを設定する方法
データセーバーを設定する方法について解説します。
本記事では検証端末にPixel 3a(Android 10)を使用しています。操作手順やボタンの名称は端末のメーカーやAndroid OSのバージョンによって多少異なる場合がありますが、大差はありません。
1設定アプリから「ネットワークとインターネット」を選択
まず、設定アプリを開き、[ネットワークとインターネット]を選択します。
2「データセーバー」を選択する
[データセーバー]をの項目をタップします。
AQUOS sense plus(Android 8.0.0)の場合
一部の端末では、手順が若干異なることもあります。たとえば、AQUOS sense plus(Android 8.0.0)では、[ネットワークとインターネット]→[データ使用量]と進んだ先に[データセーバー]の項目がありました。
3データセーバーの使用をオンに設定
左:データセーバーがオフの状態右:データセーバーがオンの状態
データセーバーの設定ページに進むので、[データセーバーを使用]をオンにします。
これでデータセーバーの設定は完了です。
データセーバーが有効になっていると、画面上部のステータスバーに「+」マークが表示されます。
自分がデータセーバーを設定しているかどうかは、この方法で確認できます。
クイック設定パネルでのオン・オフが便利
データセーバー機能はクイック設定パネルからでもオン・オフできます。
データセーバー設定を有効にしていてもアプリを正常に動作させる方法
データセーバーの設定が有効になっている場合、基本的にはアプリのバックグラウンドによるデータ通信がおこなわれません。しかし、時と場合によっては「それでは困る」というケースもあるでしょう。
ここでは、データセーバー設定を有効にしているときでも、アプリを正常に動作させる方法を紹介します。
方法1:特定のアプリに無制限のデータアクセスを許可する
データセーバーの初期設定で厄介なのは、ほとんどのアプリのバックグラウンド通信を一律で制限してしまう点です。なんとなくデータセーバーをオンにしてしまうと、思わぬ副作用が出てきかねません。
そこでデータセーバーに、例外を設定する機能が用意されています。バックグラウンドによるデータ通信を特定アプリに許可することで、データセーバーの対象から外すことができるのです。
まず、設定アプリから[ネットワークとインターネット]→(端末によっては[データ使用量]など→)[データセーバー]と進み、[無制限のデータアクセス]を選択します。
データセーバーモードでもバックグラウンドによるデータ通信を許可するアプリを一覧から選択
ダウンロードしているアプリが一覧で表示されているので、データセーバーモードでもバックグラウンドによるデータ通信を許可するアプリを選択しましょう。
選択したアプリは、データセーバーが有効になっていてもバッググラウンドによるデータ通信がおこなわれます。
方法2:Wi-Fi接続を利用する
最もシンプルな方法は、Wi-Fiに接続することです。データセーバーはあくまでもモバイルデータ通信時に働く機能であるため、Wi-Fiを経由していればデータセーバーによる制限は機能しません。
検証端末:Pixel 3a(Android 10)、AQUOS sense plus(Android 8.0.0)