「脱出ゲームが好きなんですよね」
そう話すのは、泉タクジ氏。イズミアルチザンは、泉ショウ氏と泉タクジ氏からなる組織。二人は兄弟。兄のショウ氏はプログラム、弟のタクジ氏はストーリーやグラフィックを担当している。
脱出ゲームの第一作目となったold offenderは、タクジ氏が「こんなゲームがあったらいいな」というイメージを具体化したもの。セリフがなく、方向感覚が分かりやすいゲームにしたかった。3作品を通して一貫しているのは、やりたいことを詰め込んでいること。そのため、納得がいかない部分があれば、何度でも修正する。
「全体のバランスを考えて、ストーリーのボリュームを削ることもあります。old basementでは当初、最後のドアの先にもう一つ部屋があったんですよ。でも、何百回もシミュレーションしていくうちに納得がいかなくなってカットしました。ストーリーを変えるとイラストも変更しなければいけないので、大変でした」
順調に製作が進んで、一つの作品が完成するまでに1~2カ月程度かかるという。oldシリーズは、1枚ずつイラストを描いている。
old basementでは、映写機の操作をする部屋に入るのに、通路から道をみつける必要がある。その際の、視点の移動(タクジ氏いわく「グイーンと回るところ」)での演出に苦労したので、特に見てほしいとのこと。
「old offenderは難しすぎたかも」
その時に精一杯できることをしたうえで作品を出しているので、荒削りな部分も含めて残しておきたいと語るタクジ氏。しかしながら、old offenderに関しては、やや反省点も。
「old offenderは難しすぎたかもしれません。でも、最初はもっと難しい内容でした。マーケットに出してユーザの評価をいただくまでゲームバランスが適切なのか分からなかったので、難しさのサジ加減に苦労しました。offenderは手直ししたいところもありますが、当時としてはベストだったので、このままでいいかなと思っています」
特定の知識がないとクリアできないゲームは避けたい。ひらめきで、どこの国の人がやっても分かるような謎を作っていきたいと、タクジ氏は意欲を見せる。
イズミアルチザンのこれから
世界を見据えた今後について、ショウ氏はこう語る。
「今後の目標は、国内だけでなく、世界で楽しまれるゲームを作ることです。自分たちが遊んで楽しいと思えるゲームを作っていきたいですね」
昔ながらのゲームを作っていきたいと、ショウ氏は続ける。
「ソーシャルに関しては、現時点では考えていません。ソーシャらないゲーム(笑)で、日本らしさを織り込んで、世界で勝負できたらいいなと思っています」
最後に、2人からユーザに向けてのメッセージ。
「oldシリーズは完結しましたが、今後も脱出ゲームを出していくので、楽しみにしていてください」(タクジ氏)
「ゲームを作るからには、ユーザに感動や知識を残せるゲームを作っていきたいと思っています。今後も、よろしくお願いいたします!」(ショウ氏)
すべての作品に全力投球のイズミアルチザン。新作が待ち遠しい。
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old offender | 難易度高めの謎を君は解けるか? |
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old room | 美しさを感じさせる最後の謎 |
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old basement | oldシリーズ完結編 |