日本語入力アプリ「Simeji」 #Android

Androidマーケットでの評価数は2011年4月30日現在、10456件。IME(日本語かな漢字変換システム)の中では群を抜く数であり、極めて人気と知名度の高いアプリだ。洗練されたデザイン、「マッシュルーム」による機能拡張、活発なアップデートなど、その魅力は数多い。以下、その使い方を詳述する。

考え抜かれたインターフェイス

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SimejiでEvernoteに入力

 IMEにおいてデザインは単なる装飾にとどまらない。キーボードのレイアウトや変換候補選択のしやすさなど、使い勝手に直結するからだ。その点において、このSimejiは非常に高レベルな成果を実現できている。プログラミングを行うソフトウェア研究者のadamrocker氏とデザイナーの矢野りん氏との協業で作られており、本当の意味でのコラボレーションと言える。

 「変換ボタン」は用意されておらず、キーボード上部に表示される候補を順次選択していく方式。いわゆる連文節変換はできない。従って、例えば「彼は私の親友です」と入力したいときは「かれは」「わたしの」「しんゆうです」と文節ごとに変換を確定させていくことになる。

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スキンを変更したQWERTYキーボード

 なお左の画像のように見た目をガラリと変更することもできる。誰でも作って公開できるので、無料でダウンロードできる膨大な数のスキンが配布されている。

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読めません......

マッシュルーム機能

 マッシュルームとは、別途「マッシュルームアプリ」をインストールすることで利用できる拡張機能のこと。Androidマーケット上に色々な機能を持つアプリが公開されている。電話帳からデータを持ってくることができたり、煩わしい年月日入力を半自動でしてくれたり、Twitterとスムーズに連携したり、多彩なその機能は一度使ったらやめられない。こういったマッシュルームアプリとの連携は他にも様々なIMEで実現されているが、このSimejiが元祖。キーボード左上のアイコンを長押しするとマッシュルームアプリの一覧が表示される。

 右の画像は、ギャル文字に変換してくれるマッシュルームアプリ『あたしギャル』で「なんでやねん」という文字列を変換してみたものだ。

ランチャー機能

 他のIMEにないユニークな機能。トラックボールを押して端末を傾けることで、あらかじめ登録しておいたアプリを一発で起動できる。メールや地図のアプリを登録しておくととても便利だ。

特殊文字

 「SYM」ボタンをタップすることで記号や顔文字を出すことができる。さらにはSocial IMEともスムーズに連携しており、地名などの固有名詞も簡単に出てくる。他のユーザによる変換結果の情報がネットを介してサーバに蓄積されているのだ。例えば“かお”と入力して「キノコボタン」をタップすると色々おかしな顔文字が出てくる。
 初期状態で絵文字を入力することはできない。

入力方式

 フリック入力、ケータイ式トグル入力(あ→い→う→え→お→ぁ→...)、ポケベル入力などなど。複数の入力方式を併用することはできない。設定すれば音声入力もできる。

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カーソルキーボード

その他

 カーソルキーボードも用意されている。「S」をタップしてから上下左右のアイコンでカーソルを動かして選択し、コピー・ペースト・カットを行うことができる。
 端末を横向きにしたとき使用できるのはパソコン式のQWERTY配列のみ。当然この際フリック入力はできない。

Appllioメモ

 使いやすさと拡張性がともに高い。ただ連文節変換や入力方式の併用ができないため、スマートフォン初心者はついつい「ケータイ式トグル入力」をしてしまって戸惑うこともあるだろう。慣れてくれば、多彩なマッシュルームアプリをそれぞれ好みに応じてインストールすることで、遊べる文字入力アプリに仕立て上げることができる。