続々と新モデルが投入されてきたスマートスピーカーに、ディスプレイが付いた「スマートディスプレイ(画面付きスマートスピーカー)」も新製品がどんどん登場しています。そして、アマゾンから安価なスマートディスプレイ「Echo Show 5(エコーショー5)」が発売されました。
これまでのコンパクトなスマートディスプレイの価格は、「Echo Spot」が1万2480円、「Google Nest Hub」が1万5120円と、1万円台半ばでした。ところが今回登場したEcho Show 5は、9980円と1万円を切っています。これなら気軽に手に入れられそうです。
その他の画面搭載タイプのEchoシリーズやGoogle Nest Hubなどと比較しつつ、Echo Show 5は“買い”なのか、どんな用途に向くのかレビューしていきます。
本体はスマホ並みサイズでコンパクト
Echo Show 5のディスプレイサイズは5.5インチです。ちょうど、スマホと同じ大きさだと考えればよいでしょう。解像度は960×480ドットと低いのですが、実際に使ってみても画像の粗さが気になることはありません。スマホと違って、ある程度の距離感を持って見ることが多いからです。
スピーカーは4Wの出力で、本体サイズを考えれば上々でしょう。ちなみに、パソコンのスピーカーは2Wの製品が多く、それらと比べるとはるかに迫力があっていい音です。ただ、本格的に音楽を聴きたいなら、別途スマートスピーカーを用意するか、10Wスピーカーを内蔵するEcho Showをおすすめします。Echo Show 5は、ニュースなどの情報を取得したり、ちょっと音楽を聴いたりする程度の使い方に向いています。
本体がコンパクトなので、置き場所を選ばないのがいいところです。価格も手ごろなので置き時計として使うにはベストです。寝室や子供部屋など、部屋ごとに設置してもいいでしょう。もちろん、単なるデジタル時計ではなく、後述するさまざまな機能が利用できるわけです。
左からEcho Show、Echo Show 5、Echo Spot。右の2台は時計としても使いやすい
付属品は専用の充電器のみ。できれば汎用性の高いUSB-C端子などにしてほしかった
背面のスピーカー部分は、ファブリックが使われていて高級感がある
スイッチは音量調整などが備わるが普段は使わない
カメラはシャッターで閉じることができるので、ビデオ通話で顔を見せたくないときにも安心
画面があるのでセットアップは単体で簡単
セットアップはとても簡単で、本体に充電器を接続してしばらく待ちます。電源が入ったら、画面の指示に従って、Wi-Fiに接続してAmazonアカウントを登録します。
基本的に、EchoシリーズはAmazonアカウントがないと満足に使いこなせません。また、Wi-Fiもマストです。どちらの設定も、画面のタッチパネルが使えるので簡単です。スマホを使ったことがある人なら、まず迷うことはないでしょう。
セットアップ中には、本体のアップデートが行われるので、すこし時間が掛かります。設定が終われば、同じWi-Fiの圏内なら位置を移動してもコンセントを差し込むだけで利用できます。つまり、リビングなど設定しやすい場所で作業して、完了してから寝室などに移して置き場所を決めてもいいわけです。
セットアップは画面の指示通りに進めていく
Wi-Fiの設定もスマホなどと同様だ
タッチパネルが使えるので、パスワードの設定も簡単
Amazonアカウントも登録する
さまざまなシーンで情報が把握しやすい
ディスプレイが付いている最大のメリットは、情報が把握しやすいことです。基本的に時計は常に表示されているので、目にするだけで時間がわかります。スマートスピーカーでは「いま何時?」と訊くまでわかりません。また、天気予報なども言葉で聞くよりも把握しやすいのがいいところです。週間天気予報も文字とイラストで見たほうがはるかにわかりやすいのです。
音楽を再生している際にも、歌詞が表示されるので、好きな曲を覚えたいときにもおすすめです。Echo Show 5では、画面をタップして最近再生した曲のリストが表示できます。音楽配信サービスで自動的に音楽をどんどん再生しているときに、気になる曲があったらチェックすればいいのです。アルバムジャケットと曲名がわかるので、自分でダウンロードするなどして繰り返し聴けます。
音楽を聴くのが中心ならスマートスピーカーがおすすめですが、情報を見ることが多く、時計代わりにも使うなら、スマートディスプレイがおすすめです。
ディスプレイが利用できると設定作業が楽
メニューからもさまざまな機能が使える
最近流れている音楽の履歴を確認可能
音楽を聴いている際には歌詞が表示される
iPhoneユーザーには嬉しいAlexaのApple Music対応
スマートディスプレイの中からどれを選べばよいでしょうか? まず、音声や情報提示サービスをGoogleアシスタントとAmazon Alexaのどちらを選ぶかを考えていきましょう。情報の提示は、どちらも一長一短がありますが、天気予報やニュースなどはほとんど変わりません。
たとえば、Google Nest HubではYouTubeが快適に視聴できます。ところがAlexaでは、ブラウザを経由して見ることになるので、スマホで見るような面倒を感じるでしょう。ただし、Alexaには音楽面で強みがあります。現時点でApple Musicに対応しているのです。iPhoneで利用するためにApple Musicに加入している人は、Alexaを選んだほうがよいでしょう。
YouTubeはブラウザ経由になるので使い勝手はイマイチ
Yahoo!路線では運行情報しか調べられない
NAVITIMEを使うと乗換経路が調べられる
Apple Musicに対応したのは大きなメリットだ
Alexaはスキルによってさまざまな機能が追加できます。乗換の経路探索には、NAVITIMEを使うことになります。スキルを有効にしていても、単に「乗換経路を教えて」と話すだけでは使えません。「NAVITIMEで乗換経路を教えて」と話すことで利用できます。また、Yahoo!路線を使っても運行情報しか調べられません。
多くのスキルが登場しているのを随時チェックして自分で機能を理解したうえで追加し、使いこなす必要があるのはちょっと面倒です。このあたりは、仕組みとしてまだ完成度が低く感じられますが、他のスマートディスプレイでも似たような状況です。
Alexaならビデオ通話も簡単にできます。スマホにAlexaアプリをインストールし、Amazonアカウントで利用していればOKです。ビデオ通話に関してはLINEのClovaも手軽です。
Echo Show 5はどんな用途に向いているか
Alexaを採用するEchoシリーズは、スマートディスプレイの中でも一番のおすすめです。LINE ClovaやGoogle Nest Hubも一長一短がありますが、この2ブランドは選べる製品が1つしかありません。
Echoなら、3種類のディスプレイ搭載モデルが選べます。たとえばビデオ通話も、同じブランドのスマートディスプレイを揃えたほうが使いやすいのです。自宅や実家など、複数の箇所に揃えることを考えるなら、選択肢の広さが嬉しいわけです。
近くのカフェを探してみた。情報量にはデバイスごとに差があり、Echo Spotは見るのが大変だ(左からEcho Show、Echo Show 5、Echo Spot)
気軽にビデオ通話ができるのがEcho Show 5のいいところ。相手はスマホでも大丈夫だ
リビングでコンテンツをチェックしたり、キッチンでも大画面でレシピを見たいなら、Echo Showがおすすめです。時計代わりに使うなら、Echo SpotかEcho Show 5がよいでしょう。見た目はEcho Spotのほうがスタイリッシュですが、情報表示量はEcho Show 5が勝っています。
より時計らしく利用し、音声情報の取得をメインに使うなら、Echo Spot。文字情報も積極的にチェックしたいなら、Echo Show 5がいいでしょう。1万円以下と手ごろなので、スマートディスプレイを試したいという向きや、目覚まし時計代わりの購入にもおすすめします。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部