コンビニ大手のローソンがCEATEC JAPAN 2018(シーテック・ジャパン2018)においてデジタル技術を活用した「未来のコンビニ」を展示し、注目を集めています。
もっとも印象的だったのが、「ウォークスルー決済」と呼ばれるRFID(無線自動識別)タグを使ったレジ不要の決済方法。ブース内に設営された店舗で実際に未来型ショッピングを体験したので、その様子を紹介します。
レジ無し「ウォークスルー決済」を体験
まず入店前に決済アプリをインストールし、クレジットカードなどの情報を登録します。今回の仮店舗では「楽天Pay 」と「ローソンCEATECアプリ」から買い物が可能で、今後は利用できる決済アプリを増やしていくそうです。
体験時に配られたバッグに商品を入れている
次に通常の買い物と同様、店内から好きな商品を選びます。なお、現時点(2018年10月16日)では商品は3点まで購入が可能でした。
「NL桜島どりのひとくちロール」に貼られたシールがRFIDタグだ
商品にはRFIDを利用した商品タグが一つひとつに付けられており、RFIDは電波を利用して複数のタグをまとめて読み込めます。バーコードに触れずに情報を自動認識するので、店舗全体の商品管理を短い時間でおこなうことができます。
商品を選び終わったら会計に移ります。会計の前にアプリを起動し、決済確認用QRコードを表示させておきます。
QRコードをかざしてからゲートに商品が入ったバッグを通した。壁の青い線の下を通すように指示があった
QRコードリーダーに読みとらせたのち、商品をウォークスルーゲートに通すだけで決済は自動で完了しました。このゲートを通ると、袋の中に入った商品のRFIDデータが読み取られ、商品名や値段をまとめて認識する仕組みになっています。
ただし、ゲートを通る際に商品のRFIDタグのバーコード同士が重なっていると、まれに情報の読み取りに失敗する可能性があるとのこと。商品が多いぶんには問題はなく、RFIDとウォークスルーゲートの精度の高さを実感しました。
ゲートを通り終えると、電子レシートがアプリに届いていました。アプリ内で購入履歴などを確認することもできます。財布の中に溜まりすぎたり、紛失したりしがちなレシートをスマホで管理できるのは助かります。
手にとるだけでカロリー・栄養素が分かる「スマート商品棚」
「未来のコンビニ」店内には、棚からとった商品を自動で認識し、カロリーや栄養素などの商品情報を液晶モニタに表示してくれるシステムも設けられていました。
画面の左側には商品ごとのカロリーと栄養素の円グラフ、合計カロリーなどが表示されている
同時に種類の異なる2つの商品を手にとってみましたが、正しく商品が認識されました。複数商品の合計カロリーや、不足している栄養素がひと目で確認できたので、健康管理をする上でひとつの目安となりそうです。
ローソンに行くのが楽しみになる? バーチャル店員が登場
店内ではバーチャルクルーの星影みくるちゃんも登場。仮想ライブ空間「SHOWROOM」を運営するSHOWROOM株式会社とローソンが共同で研究開発しているバーチャル店員です。今回は、遠隔操作によって来場者からの質問に答えたり、おすすめ商品を提案したりしていました。
ローソンでは、このような未来型コンビニエンスストアを2025年までに実現したいとのこと。RFIDタグの読み取り精度はまだ完璧とは言えませんが、実際にウォークスルー決済が導入されれば、通勤や昼休憩の時間帯に発生するレジ前の行列が解消されるであろう点やレシートを電子管理できる点など、さまざまなメリットが見込まれます。