月々の料金を支払えば映画、アニメ、テレビ番組などの動画コンテンツが見放題となる、定額制動画配信サービスの利用者が急速に増加しているようです。ICT総研が「2017年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査」の結果について概要をまとめています。
定額制の動画見放題サービスが成長を牽引
調査結果によれば、2017年末の有料動画配信サービス利用者は1440万人となる見込みで、このうち1190万人が定額制動画配信(見放題)サービスの利用者となっています。
2016年末の有料動画配信サービス利用者は1160万人(うち定額見放題サービス利用者は890万人)であり、1本当たり数百円程度で視聴するペイパービュー(PPV)サービス利用者は縮小しているにもかかわらず、全体で約24%増(見放題だけでみれば約33%増)と拡大しています。
出典:ICT総研
かつてはPPV方式が中心でしたが、近年は動画コンテンツを定額で見放題できるサービスの価格が月額1000円以下に下がってきた影響もあり、定額制動画配信サービスの市場がさらに拡大してきたとみられています。ICT総研によれば、2020年には定額制サービス利用者だけで1810万人を突破する見通しだといいます。
利用率が高い動画配信サービスは?
ICT総研が2017年11月に4405人のインターネットユーザーに対して実施したWebアンケート調査では、動画配信の定額制サービスを利用するユーザーは13%、PPVサービスを利用するユーザーは2%という結果でした。
出典:ICT総研
定額制動画サービスを利用していると回答した518人に対して、主に利用する動画サービス名を尋ねたところ、68%の人が「Amazonプライムビデオ」を利用していると回答。
Amazonプライム・ビデオは、月額400円のみでアマゾンの配送料無料や音楽配信(聴き放題)サービスのPrime Musicなど様々なサービスが使える点でコストパフォーマンスが高いと認識され、利用者拡大につながっているようです。
次いで利用者数が多かったのが「Hulu(フールー)」で、25%の人が利用していると回答しています。海外コンテンツが豊富なことで評価されているほか、国内テレビ局が提供する国内向けコンテンツなども充実。完全見放題であることも強みになっています。
3番手は「dTV」で、16%の人が利用していると回答。月額500円とリーズナブルで、12万本超えのコンテンツを擁するのが特徴です。以下、「Netflix(ネットフリックス)」の利用率が14%、「GYAO!(ギャオ)」が13%、「U-NEXT(ユーネクスト)」が8%、「auビデオパス」が7%と続いています。
満足度の高い動画配信サービスは?
出典:ICT総研
定額制動画配信サービスの利用者に対して4段階で満足度を訊いたところ、「Rakuten TV」と「DMM見放題chライト」がともに82.8ポイントでトップに並ぶ結果となっています。auビデオパスも僅差の82.5ポイントで3位につけているほか、HuluやNetflixも81.8ポイントと高い満足度を示しています。
一方で、利用率トップだったAmazonプライムビデオは、満足度では75.7ポイントに留まっています。