Gboard──。Googleが初めてiOS向けにリリースしたキーボードアプリは、Googleの「G」にKeyboardの「board」をシンプルに組み合わせて名づけられたそうです。特に捻りを感じられないネーミングですが、「名は体を表す」という諺どおり、文字入力の枠組みに収まらないアプリになっています。まさにアップル製iPhoneに楔を打ち込むかのような機能を備えているからです。
Gboardの最大の特徴は、キーボード自体にGoogle検索が組み込まれていること。左上のGoogleアイコンをタップすると検索窓が現れ、キーボード上でそのまま検索を実行できます。検索結果はキーボード部分にカードスタイルで表示され、タップすれば送信できる仕組み。Googleは、Googleで検索できるものは全てGboardでも探せると言っています。メッセージングアプリで友達と会話中でも、Google検索アプリとメッセージングアプリを行ったり来たりせずに済むわけです。
また、絵文字を検索して入力することや、アニメGIFを探して添付することも可能。後者は、Twitterが最近導入したことで話題になったGIFキーボードと同様の機能となっているようです。
そのほか、Android向けのGoogleキーボードでも採用されている一筆書きの機能も搭載しています。
絵文字、GIF検索、一筆書きの各機能を備える
このGoogle製キーボードアプリは、メールでもメッセンジャーでもYouTubeでも、どのアプリ内でも利用できるとのことです。
GoogleはGboardを非常に重要なアプリとみなしているに違いありません。検索は文字入力と切っても切れない関係にある以上、文字入力の部分を押さえれば、iPhoneにおけるウェブ検索のシェアを増加させることにつながるからです。iOSではiOS 8からサードパーティ製キーボードを許容しましたが、すぐにiOS向け自社製キーボードを提供することなく、開発に少なくとも1年半以上を費やしたことからも、GoogleのGboardに対する意気込みが伺えます。
Gboardは現在、英語版のみ米国で配信が開始されており、他言語版も今後リリースされる予定。今のところ日本語版の提供予定に関しては明らかにされていません。