「スマートニュース」がテレビ実況アプリに変貌、コミュニケーション機能で質的転換を図る

スマートニュース

ニュースアプリ「スマートニュース」が12月23日にアップデートされ、テレビ実況機能を搭載しました。スマートニュースにおける最大の質的転換点になると見てよいでしょう。

今回のアップデートにおける分かりやすい視覚上の変化は、下部に「ニュース」「天気」「実況」「設定」の各機能にアクセスしやすいタブが常時表示されるようになったことです(Android版ではタブに「設定」が表示されない)。また、iOS版ではタブ実装に伴い、かつて設定アイコンが表示されていた箇所にチャンネル設定アイコンが表示されるようになっています。そのほかアプリアイコンもリニューアルされています。

スマートニュース

メニュータブをユーザーがタップしやすい位置に常時表示するようにした理由は明白。新機能の目玉であるテレビ番組の実況機能を主要機能として売り出すためです。

実況に対するニーズは大きく、2ちゃんねるの実況板やTwitterなどを中心に活発なリアルタイムのコミュニケーションがおこなわれています。スマートニュースには、その需要を取り込むことで、ユーザーの接触時間を増やす狙いがあるものと思われます。スマートニュースは現在、1日4回のプッシュ配信によってアクティブ率を高めていますが、元々のユーザーを実況ユーザーに変えたり、他のコミュニティから実況ユーザーを奪ったりすることで、毎時毎分のアクティブユーザーを獲得したいということでしょう。

スマートニュース

実況機能では、実況できるテレビ局の一覧画面と各テレビ局の個別画面に分かれており、いずれの画面でも実況コメントをチェックすることができます。コメントは吹き出しがポップしていく形で表示されます(上記アニメGIFはカクついているが、実際はもっと滑らかに動作する)。個別画面ではコメントを書き込むことができ、コメントをタップすれば「いいね」できる仕組み。コメントは随時、自動で更新されていき、過去のコメントを閲覧できない仕様です。実況できるテレビ局は、現在地もしくは設定した市区町村に基いて選ばれます。今のところ実況できるのは地上波に限定されています。

これまでのスマートニュースは、ユーザーに最適な情報を送るサービスであって、ユーザーにコミュニケーションの場を提供するサービスではありませんでした。したがって、テレビ実況機能は従来のサービスに質的な変化を加える施策になっています。これがスマートニュースの掲げる「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションに適合する改革となるのか否か、しばらく様子を見てみる必要がありそうです。